
野菜ジュースの効果について徹底的に調査して考察しました。
「野菜ジュースは何となく体に良さそう」という世間一般のイメージ、「野菜ジュースは飲んでも意味がない」という識者の意見、この2点を踏まえて私独自の意見を述べさせてもらいます。
時間をかけて調査をしたので最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
目次
一般的に言われる『野菜ジュース無意味説』
野菜ジュースを飲んでも効果がないと言われる理由は主に以下の2つです。
- ビタミンCが熱によって失われる
- 不溶性食物繊維が含まれていない
参考記事:野菜ジュースを飲めば、野菜を食べるのと同じ効果がある!?
1.ビタミンCが熱によって失われる
本来、野菜や果物にはビタミンCが豊富に含まれるのですが、
野菜ジュースにする過程で高温で熱するため、熱に弱いビタミンCは失われてしまいます。
ビタミンには熱に弱く、水にも溶け出してしまう「水溶性ビタミン」と熱に強く水にも溶けない「脂溶性ビタミン」が存在します。
過剰摂取してもすぐに排出されるという利点がある一方、加熱調理の仕方によって大きく損失してしまうという欠点があります。
水溶性ビタミンに当たるのは『ビタミンC』と『ビタミンB群』です。
ちなみにビタミンCは“美肌効果”や“アンチエイジング効果”など担っていますが、
もしビタミンCが不足すると「壊血病」や「歯茎、皮下の出血」、「骨の形成不全」などの健康被害が生じます。
ただ現在の一般的な食生活においてビタミンCの摂取はそれほど難しくなく、
『国民健康・栄養調査』を参照すると、“通常の食事でビタミンCは十分に摂取できている”という状況です。
参考文献:栄養素等摂取状況調査の結果|平成23年国民健康・栄養調査報告
※一日のビタミンC推奨摂取量は100mg以上
それに野菜ジュースは種類によっては熱したあとにビタミンCを添加しているため、
きちんとビタミンCを摂取できるものも少なくありません。
例)野菜生活100 フルーティーサラダ
1パックのビタミンC含有量:100~260mg
これについてはパッケージの栄養成分表示を見ればすぐに分かるかと思います。
また、野菜はビタミンCだけではなく、
他のビタミンやミネラルなども豊富です。
野菜の種類にもよりますが、
ビタミンAやビタミンE、葉酸、カリウム、鉄分、カルシウムなど。
これらは熱に強いため、野菜ジュースになる過程の熱処理で失われません。
なので、野菜ジュースのビタミン、ミネラルの問題に関してはそこまで心配することはありません。
2.不溶性食物繊維がほとんど含まれていない
野菜ジュースを飲む目的というと、
恐らく多くの場合が「何となく食物繊維が摂取できそう」というものだと思います。
実際、食物繊維の一日の推奨摂取量は20~25gですが、
現実には日本人は平均15g程度しか摂れていません。
なので野菜ジュースにあまり食物繊維が入っていないとなると大きな問題です。
また、食物繊維の量だけではなく種類においても問題があります。
食物繊維は2種類あります。
- 水に溶けやすい水溶性食物繊維
- 水に溶けにくい不溶性食物繊維
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維について詳しく知りたい場合はこちらをご覧下さい。

これらはバランス良く(水溶性:不溶性=1:2)摂取しないといけないのですが、
野菜ジュースには不溶性食物繊維はほとんど含まれていません。
そして、水溶性食物繊維ばかりを摂り過ぎると、
“下痢”や“重要な栄養素(ビタミン・ミネラル)の排出”などの健康被害が起こります。
例え野菜ジュースから食物繊維が多く摂取できたとしても、
実際に野菜を食べないと不溶性食物繊維が摂取できないので健康を害するということです。
そもそも野菜は本来、不溶性食物繊維の方が豊富です。
だから、例え『1日分の野菜』という謳い文句でも、
野菜ジュースに含まれる食物繊維の総量(ほぼ水溶性)は少ないのです。
これに関しても、
各野菜ジュースのパッケージに書かれている栄養成分表示を見れば分かります。
代表的な野菜ジュースの栄養
ビタミンCや食物繊維について解説していきましたが、
実際に野菜ジュースにはどれくらい含まれているのか見てみましょう。
伊藤園 1日分の野菜

- エネルギー:75Kcal
- 食物繊維:1~2.6g(5~10%)
- ビタミンC:60~152mg(60~150%)
他ビタミン、ミネラル多数。
※パーセントは1日の推奨量に対する割合
伊藤園 食物せんい野菜

- エネルギー:73Kcal
- 食物繊維:10.0~12.5g(50~60%)
- ビタミンC:表示なし(0%)
カゴメ 野菜一日これ一本

- エネルギー:69Kcal
- 食物繊維:2.1g(10%)
- ビタミンC:表示なし(0%)
他ビタミン、ミネラル多数。
カゴメ 野菜生活100フルーティーサラダ 200ml

- エネルギー:81Kcal
- 食物繊維:0.5g(2.5%)
- ビタミンC:100~220mg(100%~)
食物繊維は野菜や果物などでしっかり摂る必要がある
野菜ジュースはビタミンCを除くビタミン・ミネラルはしっかり補えるので、
健康にも美容にもおすすめです。
ただし、野菜ジュースだけで十分量を摂取できるわけではありませんし、
食物繊維はあまり期待できません。
“例外的に”多く食物繊維を含んでいるものもありますが、
野菜ジュースはの大半は0.1~2.0g程度。
『1日分の野菜』は350gの野菜を使っているとしても、
食物繊維に換算すると“1/10日分の食物繊維”または、“2時間半分の食物繊維”というわけです(笑)
野菜ジュースで食物繊維を十分量を摂取するのはとても困難なので、
野菜や果物、海藻などでしっかり摂る必要があります。
野菜や果物の食物繊維や栄養についてもまとめているので、
ぜひご覧ください。


野菜ジュースの選び方
野菜ジュースの選び方で重要なポイントはただひとつ、
栄養成分表示を見て栄養が豊富に含まれているか確認することです。
食物繊維は例外を除いてだいたい大差ないので、
主にビタミンやミネラルに注目しましょう。
栄養成分表示に記載されていれば大抵豊富なので、
多くの栄養素が記載されているもの程よいと言えます。

特に野菜ジュースによく含まれている栄養素の中で、
重要なビタミン、ミネラルなどの成分は以下のものが挙げられます。
- ビタミンA(βカロテン)
- ビタミンC
- ビタミンE
- 葉酸
- カリウム
- カルシウム
- 鉄分
- 亜鉛
- マグネシウム
- リコピン
これらが多く記載されているものを選びましょう。
選ぶ際の基準はこれだけです。
パッケージに
「◯◯種類の野菜を使用」「1日分の野菜を使用」
など書かれているものもあるかと思いますが、これらは実際にはあてにならないので気をつけましょう。
無果汁のほうがいいのか?
野菜ジュースは、
無果汁・野菜100%のものと、果汁がミックスされているものがあります。
「果汁がミックスされているものはカロリーが高いので控えるべき!」
ということを聞いたことはありませんか?
しかし、実際にはそんなことはなく、
栄養成分表示を見てもそこまで大きな違いはありません。
両者ともに1パック(200ml)当たり、
30~100キロカロリーです。
毎日これを飲んでも太る要因になることはないですし、
むしろ食事前に取ることで血糖値の抑制、食欲の低減によりダイエット効果も期待できます。
まぁ、普通に野菜を最初に食べるのが一番なんですけどね。
おすすめの野菜ジュース
最後に具体的におすすめの野菜ジュースについてご紹介します。
カゴメ 野菜一日これ一本 200ml

1本(200ml)あたりの栄養成分は以下の通り。
伊藤園 1日分の野菜 紙パック 200ml

1本(200ml)あたりの栄養成分は以下の通り。
基本的にどのメーカーにしても、
「1日分の野菜」を謳うものは食物繊維はそこまで多くないのですが、
それでも他の栄養素については豊富に含まれていることが多いです。
毎日摂取するのにはまとめ買いがおすすめ
野菜ジュースを買うとなるとコンビニやスーパーで単品で購入するのが多いと思いますが、
個人的には通販でまとめ買いをするのがおすすめです。
栄養は毎日しっかり摂ることで健康や美容が保たれるものですからね。
毎日一定量の野菜ジュースを飲むとなると、
やっぱり通販でまとめて購入するのが便利です。
また、通販で多く購入する分通常よりも安くなる場合が多いですし、
通販でしか売られていない野菜ジュースなどもあります。
個人的におすすめなのが『つぶより野菜』です。


他の野菜ジュースでは得られない食感が癖になります。
味も美味しいですし、栄養も豊富です。
一本あたりの栄養成分は以下の通り。
エネルギー:73kcal、たんぱく質:1.9g、脂質:0g、糖質:15.4g、ショ糖:5.9g、食物繊維:1.7g、β-カロテン:3.7~15 mg、ビタミンE:1.3mg、葉酸:10~94μg、ビタミンK:7μg、ナトリウム:30mg、カリウム:840mg、カルシウム:45mg、鉄:0.5mg、マグネシウム:26mg、リコピン:9mg
通常価格が高いので正直コスパはよくないのですが、
初回価格に限っては1本あたり133円と非常に安いので気軽にお試しいただけるのではないでしょうか。
まとめ
以上、野菜ジュースの効果について説明させてもらいました。
この記事のまとめとしては以下のとおりです。
■野菜ジュースは飲んでも意味がない説について
- ビタミンCが摂取できない
- 種類によっては摂取できるものもある
- 他の重要なビタミン・ミネラルについては問題ない
- 不溶性食物繊維が含まれていない
- 野菜ジュースは食物繊維の含有量自体少ない
- 結局は普段の食事で野菜等を摂取しないと健康を害する
■野菜ジュースの選び方
- 「栄養成分表示」を確認してビタミン・ミネラルが多く記載されているものを選ぶ
- 果汁入りでも問題なし
あとがき
野菜ジュースの栄養について解説していきました。
要は、健康や美容に良いのは間違いないのですが、
あくまで補助的な食品に過ぎないということです。
野菜ジュースは意味がないということはないですが、
頼りすぎるのはよくありません。
しっかり野菜や果物も食べるようにしましょう。
ちなみに、今回野菜ジュースの効果について考察しましたが、
トマトジュースの効果についても記事にしてみました。
是非こちらもご覧ください。
