食品・食材

牛乳1杯のカロリー・栄養成分|牛乳の秀でた健康効果とは?

一般的に牛乳は栄養が豊富で、さらにそのバランスも良いため健康に良いと言われています。しかし一方で、「牛乳が体に悪いのではないか」という声も聞くようになりました。

「カルシウムが豊富とされている牛乳だけど、かえってカルシウムの排泄を促す成分がある」
「牛乳は女性ホルモンが多く含まれており、アレルギーや癌になりやすい」
「多くの人は下痢になりやすく、牛乳は日本人の体質に合っていない」

などなど。

結論をいえばどれもいい加減な説であり、牛乳が健康に良いというのは間違いありません。

今回は牛乳の栄養成分について詳しく見ていきながら、体に悪いという説の真相について解説していきます。

牛乳のカロリー・栄養成分グラフ

牛乳 gのカロリー・栄養

コップ1杯(200ml)

コップ2杯(400ml)

コップ3杯(600ml)

コップ4杯(800ml)

コップ5杯、牛乳パック1本分(1000ml)

カロリー: {{cal}}Kcal

牛乳の特筆すべき栄養とは

牛乳の栄養グラフを見るだけで栄養豊富なのが伺えると思いますが、
具体的にどんな栄養素が秀でていて、どんな健康効果が期待できるのでしょうか。

牛乳の特筆すべき栄養についてまとめると以下の3点が挙げられます。

牛乳の特筆すべき栄養素

  1. 良質なたんぱく質
  2. カルシウム
  3. ビタミンB群

【特筆すべき栄養1】良質なたんぱく質

たんぱく質は人のあらゆる組織を構成する重要な要素なので、
これが不足すると健康に色んな悪影響を及ぼしてしまいます。

  • 体力低下
  • 免疫力低下
  • 子供の成長障害
  • 肌荒れ
  • 髪のパサつき
  • 脳・神経機能悪化
  • うつ病
  • イライラ
  • ホルモンバランスの悪化
  • 不眠症

…etc

特に筋肉を作ったり維持する上で欠かせないので、
たんぱく質の不足は筋肉の低下を招きます。

筋肉が落ちるということは消費エネルギーが筋肉分解で賄われるということなので、
カロリーコントロールをしても脂肪が落ちにくいということです。

また筋肉の低下は単純にみすぼらしい体にも繋がります。

ダイエット中は肉や魚などたんぱく質を含む食品を控えがちですが、
ダイエット中だからこそ積極的に取りたい栄養素です。

たんぱく質を摂ったからといって痩せるわけではありませんが、
健康的かつ、効果的に脂肪を落とすためには欠かせません。

また、牛乳はアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質というのもポイントですね。

※アミノ酸スコアについてはこちら:必須アミノ酸とは?種類ごとの効果や多く含む食品&不足による症状

1日の食事の中でたんぱく質があまり摂取できていないのであれば、
手軽に摂取できる牛乳を活用するのはとてもおすすめです。

【特筆すべき栄養2】カルシウム

『牛乳=カルシウム』というイメージを持つ人は多いと思います。

実際に牛乳は1杯飲むだけで1日に必要な量の1/3も摂れてしまうほどカルシウムが豊富。

日本の食生活はカルシウムが不足しがちなので、
これが手軽に解決できる牛乳は非常に重宝するのです。

1日に推奨されているカルシウムの摂取量が600mg~800mg程度なのに対し、
日本人の平均摂取量は530mg程しかありません。

日本は他国と比べても特にカルシウム不足になりやすいのですが、
その原因は日本特有の風土です。

日本の気候は雨が多く、火山も多く存在します。

そのため土壌は酸性になりやすく、
それに伴いカルシウムが流出し、これが農作物や飲料水のカルシウム減少に繋がるのです。

このカルシウム不足により、
骨や歯がもろくなってしまったりストレスに悩まされたり
さらには高血圧動脈硬化などの疾患に繋がることもあります。

カルシウムを効率的に補給して、
これらのリスクを下げるのに効果的なのが牛乳です。

食品からのカルシウムは本来吸収率が低いことが問題視されるのですが、
牛乳の場合は吸収率という面でも他の食品より優れています。

カルシウムの吸収率

  • 牛乳:40%
  • 小魚:33%
  • 野菜:19%

牛乳はカルシウムの量、吸収効率ともに優れた食品なのです。

特に成長期の子供には多くのカルシウムが必要なので、
小学校や中学校の給食で牛乳が出されるのも、このためです。

他にもカリウムやマグネシウム、亜鉛などの重要なミネラルも幅広く補給できます。

【特筆すべき栄養3】ビタミンB群

牛乳はたんぱく質とカルシウムにばかり注目されがちですが、
美容や健康には欠かせないビタミンもバランスよく含まれています。

とくに豊富なのがビタミンB群です。

  • ビタミンB2
  • ビタミンB12
  • ビタミンB5(パントテン酸)

これらはコップ一杯分の牛乳を飲むだけで、
1日に必要な量の30%近く補うことができます。

ビタミンB群はビタミンの中でも不足しがちなので、
これらをしっかり摂れるというのは健康や美容面において非常に役立ちます。

 

牛乳は飲み物の中でも高カロリーですが、
それでも栄養補給の観点から、ダイエット中でも毎日摂取するのが望ましいですね。

高カロリーであることを考慮しても栄養の効率はとても優れています。

むしろダイエット中は栄養の欠如により体調を崩したり肌荒れなどになりやすいため、
積極的に飲みましょう。

カロリーを抑えるのなら牛乳などのビタミン・ミネラルが豊富な食品を削るのではなく、
主食など“糖質”がメインの食品の量を削るのが最適です。

低脂肪・無脂肪牛乳を選ぶというのもおすすめ。

あわせて読みたい
牛乳の種類別のカロリー・成分の違い(低脂肪・無脂肪・成分調整牛乳) 毎日のカルシウム補給に重宝する牛乳ですが、一言で牛乳と言っても様々な種類があります。 「無調整牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛...

「牛乳が体に悪い説」について

牛乳は重要な栄養素を含んだ優秀な食品なのですが、
「牛乳が体に悪いのではないか?」という声が聞かれるようになりました。

結論からいうと、根拠が乏しく非常にいい加減な意見なので鵜呑みにしてはいけません。

牛乳が「栄養豊富で体に良い」というのは紛れもない事実です。

では「牛乳が体に悪い説」とはどういったもので、
なぜこれが間違っているのか説明していきます。

この説は主に以下の4つです。

  1. 牛乳はかえってカルシウム不足になりやすく骨がもろくなる?
  2. 牛乳に含まれる女性ホルモンがガンの原因となりやすい
  3. 牛乳の脂質は飽和脂肪酸が多いため動脈硬化や心疾患などのリスクが高くなる
  4. 牛乳は日本人に合っておらず、下痢を起こしやすい

問題1.かえってカルシウム不足になりやすい?

牛乳は一般的にはカルシウムが豊富で吸収効率も良いので、
骨粗鬆症のリスクを下げたりイライラ防止に役立つとされています。

しかし一方で、牛乳は体内のカルシウム量を減らし、骨粗鬆症や骨折などのリスクを高めると言われています。

このことは主に3つの理由が挙げられているのですが、
どれも以下のように簡単に反論できるものです。

  1. 牛乳に含まれるナトリウムが体内のカルシウムの排出を促す
    • 反論⇒牛乳には僅かなナトリウムしか含まれておらず、影響はほぼ皆無(牛乳により体内に吸収されるカルシウムの1.5%程度が排出されるだけ)
  2. 骨の生成に必要なマグネシム、リン、ビタミンDが牛乳には十分含まれない
    • 反論⇒そもそもひとつの食品のみで必要な栄養素を補給しようと考えるのが無意味。また、不足しがちなカルシウムとは異なり、マグネシウム、リン、ビタミンDなどは現在の食生活で十分摂取できている傾向にある
  3. 牛乳摂取量の多い北欧の国で骨折率が多い
    • 反論⇒牛乳の摂取量とは直接的な関係性の薄い骨折を考慮するのは不適切。他の栄養素や生活習慣、治安、交通インフラなど、その国の骨折率はあらゆる要因がある。また、北欧の国の骨折率が多いのは日照が少なくビタミンDが十分ではないからと考えらている

問題2.ガンの原因になる?

市販されている牛乳は“エストロゲン”“プロゲステロン”という女性ホルモンが多く、
これが人の免疫機能を低下させ、乳がんや子宮がん、卵巣がん、前立腺がんなでのリスクを高めると言われています。

これは妊娠中の牛から搾乳したものが原因です。

日本で売られている牛乳の多くが妊娠牛から搾乳したものであり、
通常の牛から搾乳したものと比べ、エストロゲンが2倍、プロゲステロンが6~8倍にもなります。

そのため牛乳が癌などの重大な健康被害のリスクとなると言われているのですが、
実際は妊娠牛の乳でも、エストロゲン、プロゲステロンともに微量しか含まれていません。

通常の牛の乳と比べると妊娠牛の乳の女性ホルモンは多いのは確かですが、
他の食品と比べたら大した量ではないですし、体内の女性ホルモンが増えるわけではないことが分かっています。

問題3.動脈硬化や心疾患などのリスクが高くなる?

牛乳の脂質は飽和脂肪酸なので、
血中のコレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化や心疾患などのリスクが高くなると言われています。

たしかにオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸がコレステロール低減に効果があるのに対し、
飽和脂肪酸はコレステロールを増やしあらゆる生活習慣病のリスクを高める要因となるといえるでしょう。

脂肪酸の種類 効果 製品名
飽和脂肪酸 主にエネルギーとして使われるが、コレステロールを増加させる作用がある バター、ラード、牛脂など常温で固形の脂
一価不飽和脂肪酸(オレイン酸) 総コレステロールを減らすが、HDL(善玉)コレステロールは減らさない オリーブオイル、アーモンド、ナッツ
多価不飽和脂肪酸(n-6系:リノール酸、アラキドン酸) 総コレステロールを減らし、HDLコレステロールも減らす ごま油、大豆油
多価不飽和脂肪酸(n-3系:α-リノレン酸、EPA、DHA) 中性脂肪を減らし、それに伴いHDLコレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを減らす 青魚、しそ油、なたね油

しかし牛乳はそこまで脂質が多いというわけではありません。

飲み物の中では多いほうですが、
肉やスナック菓子、揚げ物と比べるとせいぜい1/3程度

脂質の量

  • 牛乳1杯:7.83g
  • ポテトチップス1袋:21.6g
  • ステーキ1枚:32.6g
  • ロースカツ1枚:36.3g

また牛乳は飽和脂肪酸だけでなく不飽和脂肪酸も含まれており、むしろ脂質のバランスは良いと言えます。

少なくとも毎日牛乳を飲んだとしても、
病気のリスクが高まる程、体内のコレステロール値に影響があるとは考えにくいです。

むしろカルシウム不足が動脈硬化や心疾患の原因となることもあるので、
カルシウムが豊富な牛乳はこれらのリスクを下げるという見方の方が正しいでしょう。

また、どうしても脂質が気になるようでしたら、
低脂肪牛乳や無脂肪牛乳を選べばいいだけです。

ちなみにコレステロールの詳細についてはこちらをご覧ください。

あわせて読みたい
善玉(LDL)・悪玉(HDL)コレステロールとは?高い時の症状・病気 コレステロール・善玉コレステロール(HDL)・悪玉コレステロール(LDL)これらは一体何なのか? ただ漠然と「コレステロールが健康に...

問題4.日本人は下痢を起こしやすい?

「牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持っていない人を“乳糖不耐症”と言い、小腸で乳糖が分解されず、大腸で有害菌に使われガスや酸が大量に発生して下痢や腹痛になりやすい。

そして、日本人の80%程は乳糖不耐症であるため、そもそも牛乳が日本人の体質に合っていない食品である。」

このように言われることがあります。

しかし、実際に80%の人が牛乳を飲むと下痢になるというわけでもなく、
小腸で乳糖が分解できない乳糖不耐症の人でも大腸で問題なく分解することができることが判明しています。

これは実例を考えれば明らかですね。

牛乳を飲んだ後に下痢になりやすい人はいると思いますが、
そんな人が8割もいるでしょうか?

実際自分自身が下痢にならないのであればこれに関しては何の問題もないとは思いますが。

ただそれでも体質によって下痢になりやすい人はいるので、
そういう人は温めて少しずつ飲んだりするといいでしょう。

あとがき

牛乳は不足しがちなたんぱく質、ミネラル、ビタミンを手軽に摂取できる優秀な食品です。

そして度々議題に上がりますが、
「牛乳が体に悪い説」はほとんどは科学的根拠が乏しく、最新の研究によってことごとく否定されています。

牛乳ははるか昔から絶えず飲まれてきましたが、
もし重大な問題があるなら牛乳を飲むという習慣が途絶えているはずです。

また、牛乳を飲まない人が飲む人に比べて優位なデータがあってもおかしくありませんが、
そういう明確なデータもありません。

むしろ日本人はカルシウムが不足しがちでそれに伴い色んな健康被害が生じているので、
健康のためには牛乳を飲むのが良いという見方の方が自然に感じます。

ちなみに他にも牛乳に関連して、
牛乳の種類による成分の違いなどをまとめているのでぜひこちらもご覧ください。

あわせて読みたい
牛乳の種類別のカロリー・成分の違い(低脂肪・無脂肪・成分調整牛乳) 毎日のカルシウム補給に重宝する牛乳ですが、一言で牛乳と言っても様々な種類があります。 「無調整牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛...
著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
スポンサードリンク