健康・悩み

筋トレ後の筋肉痛の原因&早く治すために本当に効果がある4つの方法

運動や筋トレ後の筋肉痛の原因と早く治す10の方法

運動の習慣がある私も、普段あまりやらない腹筋を急に数十回するだけで筋肉痛になります。

また、ちょっと忙しくて運動不足だった時に急に10Km程ジョギングをすると、“ふくらはぎ”や“太もも”を中心に、全身が筋肉痛になってしまいます。

このように筋肉痛は簡単に起こるものですが、運動の継続を妨げる大きな原因の一つでもあります。

今回この記事で筋肉痛を早く治す方法を知り、快適に運動や筋トレをしていきましょう。

筋肉痛の原因(メカニズム)

まず、筋肉痛のメカニズム、
「何故痛みを感じるのか?」という部分をみていきましょう。

筋トレや有酸素運動によって引き起こされる筋肉痛は主に2種類に分類できます。

運動後すぐに起こる“即発性筋肉痛”と、
運動の翌日あたりに遅れて痛くなる“遅発性筋肉痛”です。

即発性筋肉痛の原因

即発性筋肉痛の原因は複数あるのですが、
多くは運動中に発生する“疲労物質”によるものです。

運動によって乳酸と一緒に生成される水素イオンが筋肉に貯まり、
筋肉が極度に酸性に偏ることにより痛みやだるさが生じます。

よく乳酸のことを疲労物質と言われますが、
そうではなく、正確には水素イオンが疲労物質なのです。

遅発性筋肉痛の原因

遅発性筋肉痛は、筋肉が損傷すると痛みが発生するのですが、
単純に筋肉の損傷が痛みに繋がっているわけではありません。

もしそうなら、遅れて痛みが発生する理由が説明できませんし、
そもそも筋肉自体に痛覚はないですからね。

では、どういうメカニズムで痛みが生じるのか。

人体は運動によって筋細胞が損傷し炎症反応が起こると、
それを抑制する成分が体内で生成されます。

その成分の中に痛みや痒みを引き起こす物質があるので、
筋肉が熱っぽくなるとともに、力を入れると痛くなるという症状が起きるのです。

つまりこの筋肉痛は、
「ダメージを負った筋肉が回復する過程で生じるもの」です。

以上が筋肉痛の原因・メカニズムです。

今回は運動によって遅発性筋肉痛が生じた際、
これを早く治す方法について説明していきます。

筋肉痛を早く治す方法

筋肉痛は時間が経てば自然と治るものですが、
できれば早く治したいものですよね。

そこで筋肉痛を早く治す方法をご紹介します。

遅発性筋肉痛は前述した通り、
筋肉がダメージを受けて炎症を起こしている状態なので、
それを治すアプローチは以下の4つが挙げられます。

  1. 栄養をとる
    • 筋肉を修復するためにはその材料となる栄養が必要であり、修復を促したり炎症の回復を促すのにも栄養は大事
  2. 休養をとる
    • 筋肉を回復させるために、しっかり休むのも大事
  3. 血行を良くする
    • 栄養素や酸素を筋肉にきちんと届けるためには血行を良くする必要がある
  4. 炎症を抑える
    • 痛みを和らげるために炎症を抑える

それではさらに具体的な方法について見ていきましょう。

【筋肉痛を早く治す方法1】栄養をしっかり摂る

栄養バランス

筋肉痛を早く治すためにはバランスの良い食生活が大事ですが、
特に摂取したい栄養素は『タンパク質』『ビタミンC・ビタミンE』『亜鉛』です。

タンパク質

タンパク質は体のあらゆる部位、組織を構成する栄養素であり、
筋肉を修復するのには必須です。

もし通常の食事でタンパク質が摂れないなら、
“プロテイン”で補うといいでしょう。

プロテインはほとんどタンパク質で出来ているため、
効率的かつ低カロリーでタンパク質を補給できます。

運動不足の人が急にダイエットをしだすと、

「急な運動」+「食事制限による栄養不足(特に肉や魚などのタンパク質)」

といった、極めて筋肉痛を引き起こしやすい状態になる傾向があります。

特にそんな時には、
低カロリー高タンパクの“プロテイン”は重宝しますね。

以下タンパク質の基本情報です。

■タンパク質が豊富な食品

  • 肉・魚・乳製品・卵・豆類など

■タンパク質の1日の摂取量

  • 通常時:自分の体重の千分の一(体重50Kg:タンパク質50g、体重60Kg:タンパク質60g)
  • 筋肉痛時や激しい運動をした日:通常時の2倍(体重50Kg:タンパク質100g、体重60Kg:タンパク質120g)

タンパク質のとり過ぎによる健康被害

  • 腎臓の障害、骨がもろくなる、ストレスの増大

これらについて詳しくはこちらを御覧ください。
たんぱく質の摂りすぎや不足の健康被害&タンパク質が多い食品

ビタミンC、ビタミンE

ビタミンCやビタミンEは血行を促進する効果が有るので、
筋肉の修復を早め、炎症を早く抑えるのためには欠かせない栄養素です。

  • ビタミンCが豊富な食品:柑橘類、ピーマン、菜の花、パセル、ブロッコリーなど
  • ビタミンEが豊富な食品:モロヘイヤ、アーモンド、ひまわり油など

亜鉛

タンパク質は筋肉を修復するのに必要な栄養素と言いましたが、
そのタンパク質の合成を促進するのが『亜鉛』です。

亜鉛は不足しがちなので、
サプリメントによって摂取するのもいいでしょう。

  • 亜鉛が豊富な食品:豚レバー、カキ、納豆など。

【筋肉痛を早く治す方法2】休養をとる

2つ目のアプローチは休養をとるということですが、
休養の取り方、そして休養中のやってはいけないことなどを取り上げます。

  • 睡眠をしっかり取る
  • 筋トレを休む
  • アルコールを控える

睡眠をしっかり取る

睡眠

ただ寝るだけでも筋肉痛を早く治すのに効果があります。

私達は寝ている間に“成長ホルモン”が分泌され、
体の発育の促進だけでなく、筋肉の修復もしてくれるのです。

成長ホルモンの分泌は“22時~翌2時”の間の4時間がピークになります。

そのため、長時間寝るというよりも、
早く寝るという点がポイントになりそうです。

また、この成長ホルモンの正体はアミノ酸(タンパク質の構成要素)です。

いずれにしろ筋肉痛を早く治すのに、
タンパク質の摂取が重要であるということですね。

筋トレを休む

筋肉痛の時に筋トレを行うと筋肉痛の回復が遅れるだけでなく、
筋肉がつかずに衰えてしまうこともあります。

筋トレをした部位や程度、個人差にもよりますが、
明確な痛みがある場合、痛みがある程度収まるまでその部位の筋トレは控えましょう。

痛みによりトレーニング中の事故やフォームの崩れにも繋がりますしね。

アルコールを控える

アルコール

休養中は筋肉の回復を阻害する行動は避けるべきが、
多くの人がやってしまうのがアルコールの摂取です。

「お酒を飲んだ次の日に筋肉痛になっていた」という経験がある人も多いかと思います。

これはアルコールが原因だったんです。

私達は体内のアルコールを分解するのに、
大量のタンパク質(アミノ酸)が使われます。

そのため、筋肉を修復するためのタンパク質が不足し、
筋肉痛になったり、筋肉痛を長引かせる原因になったりするのです。

筋肉痛の時にはできるだけお酒を飲むのを控えるようにしましょう。

【筋肉痛を早く治す方法3】血行を良くする

血行を良くすることで、
栄養を筋肉に行き渡らせて、さらに発痛物質を抑制します。

具体的には以下のことが挙げられます。

  • 軽い運動をする
  • ストレッチをする
  • 入浴してマッサージする

軽い運動をする

軽い運動をする

筋肉痛になったら“運動の苦痛”や“筋肉痛の悪化”を恐れて運動を控えがちですが、
軽い有酸素運動なら筋肉痛を治すのに効果的です。

ウォーキングや軽いジョギング、水中ウォーキングなどをゆっくり行うといいでしょう。

ストレッチをする

ストレッチをする

学校の体育や部活、本格的な運動の前はストレッチを行うのが普通ですが、
個人的な運動の場合はストレッチを怠ってしまう人も多いのではないでしょうか?

けど、やっぱりストレッチは大事です。

運動の前後でストレッチを行うことで、
筋肉の負担を減らせるだけでなく、怪我の防止活性酸素の蓄積を防げます。

実際にストレッチの有無による運動後の筋肉痛や疲労の影響は、
体感でも違いが分かるものです。

運動の前後にストレッチをすることで筋肉痛を防ぐことが出来ますが、
それ以外の時でもストレッチは血行を促進できるので、筋肉痛を早く治す効果があります。

入浴してマッサージをする

入浴してマッサージをする

入浴中に患部をマッサージすることで、
血行が促進できます。

ただし、素人が安易にマッサージをすると、
かえって筋肉の損傷を拡大して筋肉痛が長引くという指摘もよく見かけます。

マッサージで劇的な効果が期待できるわけでもないので、
あくまで「痛みを感じないように軽く揉む」という程度に止めておきましょう。

もしくは軽いストレッチ程度でも十分です。

また、もう一つ注意したいことがあり、
「運動後に全身湯船に浸かったり、長時間入浴すると疲れがたまりやすく結果的に筋肉痛も長引く」
と言われています。

これは、入浴中に顔など皮膚の表面が赤くなることから分かるように、
入浴すると血液は皮膚に向かい、全身の血液が促進されることになります。

運動後は筋肉に栄養や酸素を供給していたのが、
入浴により阻害されるため疲労回復が遅れるのです。

運動後の場合は全身浴や長時間の入浴は避け、
軽めのシャワーや時間をおいてからの入浴にしましょう。

【筋肉痛を早く治す方法4】炎症を抑える

続いて、炎症を抑えて痛みを和らげるという観点で、
具体的な方法を説明します。

患部を冷やす(運動後の場合)

通常、筋肉痛の時は温めて血流を促すのが正しい処置の方法ですが、
運動後に筋肉が熱を持っている場合は逆に冷やすのが正しい方法です。

運動後は血流量が多く、それに伴い痛みが増します。

そのためこの場合は、
患部を冷やし炎症を抑え、血流量を減らす必要があるのです。

氷や冷湿布などで冷やすといいでしょう。

ただしこれは、「運動直後に限った話である」というのをきちんと頭に入れておきましょう。

患部が熱を持っていなかったり運動をした次の日などは、
温めて血行を促進する必要があります。

医薬品を服用する

バファリンロキソニン

バファリンやロキソニンなどの“非ステロイド性抗炎症薬”は、
炎症を抑えて痛みを和らげる効果があります。

痛みが酷い場合などにはこれら医薬品を服用したり、
湿布を貼ったりして炎症を抑えるよう努めましょう。

筋肉痛が治らない場合

以上の方法を心がければ遅くても一週間程度で徐々に痛みが収まるはずですが、
もしも筋肉痛が治らない場合、その時は筋肉痛以外の症状の可能性があります。

色んなケースが考えられますが、
特に多いのが“肉離れ”です。

筋組織が損傷を負う程度である筋肉痛に対し、
肉離れは筋組織が断裂してしまう症状のことを指します。

肉離れの場合、治療にかかる期間が筋肉痛とは全く異なり、
軽度の場合は数週間、深刻な場合は数ヶ月かかってしまいます。

そして、間違った処置をしてしまうと長引いてしまうどころか、
さらに悪化してしまうことも考えられるため、早めに病院に行くことが肝心です。

肉離れの場合は、筋肉痛と似ているので間違えやすいですが、
以下の様な違いがあります。

■筋肉痛と肉離れの違い

  • 筋肉痛が一週間程度で治るのに対し、肉離れは早くても数週間かかる
  • 肉離れの場合は患部に腫れや変色が見られる
  • 遅発性筋肉痛の場合1日~2日経ってから痛みが生じるのに対し、肉離れは運動の直後から痛みが生じる

以上のことから、肉離れの可能性が考えられる場合は早めに医師の診察を受けましょう。

あとがき

以上、筋肉痛の原因と筋肉痛の治し方についてでした。

筋肉痛を治すのに重要なことをたくさん挙げましたが、
やっぱり睡眠、栄養、準備体操(ストレッチ)など基本的なことが大事ですね。

筋肉痛を治すだけではなく、
そもそも筋肉痛を予防するためにもこれらは重要です。

「筋肉痛はきちんとトレーニングした証」と捉えることも出来ますが、
筋肉痛にならなくても筋肉を効率的に発達させることも出来ます。

確かにハードな筋トレや運動をすると大抵は筋肉痛になりますが、
筋肉痛の程度と筋肉の成長が必ずしも相関するとは限らないのです。

なので、筋肉痛の具合でトレーニングや運動を評価するのではなく、
トレーニングの質や量自体を判断し、できるだけ筋肉痛は予防するようにしましょう。

著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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