![懸垂](https://yase.tech/wp-content/uploads/2016/09/Fotolia_103347720_XS.jpg)
懸垂のやり方について詳しく説明していきます。
懸垂は、アゴ(Chin)をバーまで持ち上げることから、チンアップ(Chin-Up)やチンニング(Chining)などとも呼ばれています。
一見体を持ち上げるだけの単純なトレーニングに見えますが、色んな部位の筋肉が鍛えられますし、やり方によって重点的に鍛えられる筋肉が違ってくるので奥が深い種目でもあるのです。
今回は目的別に懸垂のやり方をまとめたので是非参考にして下さい。
目次
1.懸垂で鍛えられる部位
懸垂は上半身のあらゆる部位が鍛えられ、
さらにフォームによって重点的に鍛えられる部位が異なります。
その中でも懸垂は背筋を鍛える目的で行われることが多いです。
理由としては背筋を鍛える筋トレは他に手軽に行えるものがあまりなく、
自重トレーニングで一番負荷が大きい背筋の筋トレだからです。
具体的には肩甲骨下にある大きな筋肉“広背筋”、
そしてその上の“僧帽筋下部”。
![懸垂で鍛えられる筋肉1](https://yase.tech/wp-content/uploads/2016/09/image-58.png)
また、力こぶの筋肉“上腕二頭筋”、
そして胸の筋肉“大胸筋”などもある程度鍛えられます。
![image image](https://yase.tech/wp-content/uploads/2016/09/image-59.png)
懸垂は背筋がメインの筋トレですが、
やり方によっては上腕二頭筋や腹筋をメインに鍛えることもできます。
2.懸垂のやり方
では、具体的なフォームの説明をしていきます。
2.1.背筋を鍛えるフォーム(チンニング)
![チンニング](https://yase.tech/wp-content/uploads/2016/09/Fotolia_103347720_XS-1.jpg)
まずは一番オーソドックスな背筋を鍛えるフォームについて説明していきます。
背筋を鍛えるための懸垂とは、順手で行う懸垂です。
オーソドックスとはいっても難易度は高く、
きちんとしたフォームで行わないと背筋より腕の力を使った筋トレになってしまうので、
きちんとポイントを抑えましょう。
- 順手でバーを持つ
- バーを指で挟むのではなく5本ともバーにかける(親指もバーの上側)
- 手の幅は肩幅より少し開く
- 常に胸を反って弓なりにする
- 胸をバーの位置まで持っていくイメージで行う
- 体を持ち上げる時は肘を引いて肩甲骨を寄せる
- 体をバーまでしっかり持ち上げ、下げる時は肘が伸びるくらいまでしっかり下げる
- 常にゆっくり動かしてしっかり負荷をかけることを意識する(特に体を落とす時)
- 呼吸は体を持ち上げるときに吸い、体を落とすときに吐く
特に1~6は上腕二頭筋ではなく背筋にしっかり負荷をかけるためのポイントです。
胸ではなくアゴをバーに持っていったり、体を丸めた状態で行ってしまうと、
背筋ではなく腕のトレーニングになってしまいます。
それでもある程度背筋に効きますし、
上腕二頭筋は鍛えられるので間違ったトレーニングではないのですが、
背筋全体を鍛えることができません。
背筋を鍛えたい場合は、
きちんと上記のポイントを抑えて正しいフォームを身につけるのが一番大事です。
背筋を使うよりも腕を使う方が楽なので、
何も意識していないと背筋はあまり鍛えられません。
慣れるまでは常に背筋を意識して行いましょう。
以下は参考になる動画です。
2.2.上腕二頭筋を鍛えるフォーム(リバースチンニング)
![リバースチンニング](https://yase.tech/wp-content/uploads/2016/09/Fotolia_118426046_XS.jpg)
続いて上腕二頭筋を鍛える懸垂です。
この種目も背筋を鍛えることができますが、
部位は広背筋の下部になり、さらに上腕二頭筋の負荷が大きくなる分、背筋の負荷は減ります。
背筋を鍛えるフォームでは順手でバーを持ちましたが、
今度は逆手でバーを持ち、アゴをバーに持って行きます。
特に意識しなくてもきちんと上腕二頭筋に負荷はかかるので、
以下の点だけ意識しましょう。
- 逆手でバーを持つ
- アゴをバーまで持ち上げる
- 体をバーまでしっかり持ち上げ、下げる時は肘が伸びるくらいまでしっかり下げる
- 常にゆっくり動かしてしっかり負荷をかけることを意識する(特に体を落とす時)
- 呼吸は体を持ち上げるときに吸い、体を落とすときに吐く
2.3.腹筋を鍛えるフォーム(ハンギングレッグレイズ)
![ハンギングレッグレイズ](https://yase.tech/wp-content/uploads/2016/09/Fotolia_73184101_XS.jpg)
懸垂ではないのですが、
懸垂バーを使ってできるトレーニングなのでここで取り上げます。
腹直筋がメインに鍛えられますが、
他にも太腿の筋肉“大腿直筋”や股関節の筋肉“腸腰筋”なども鍛えられます。
“ハンギングレッグレイズ”というトレーニングです。
バーにぶら下がり、
膝を伸ばした状態で体と90度になる位置まで足を持ち上げ、ゆっくり戻します。
これを繰り返し行いますが、
できない場合膝を曲げて行うといいでしょう。
ポイントとしては、足が振り子のようになり体の軸が前後に揺れてしまうと、
体の反動により十分な負荷がかけれないので体の軸はぶらさないのを意識することです。
足を上げる時に逆に少しお尻を後ろに引くと体の重心が前後せず軸がぶれなくなります。
また、この運動にひねりを加えると、
脇腹の筋肉“腹斜筋”に効かせることができるので、
必要に応じてバリエーションを加えて下さい。
以下は参考になる動画です。
3.懸垂の負荷を変える方法
懸垂の場合、普通にやるだけでも結構な負荷になるのですが、
きちんとできない人は負荷を軽くし、逆に物足りない人は負荷を重くする、
このように簡単に負荷を調整できるのが懸垂の利点でもあります。
では次に懸垂の負荷を軽くする方法と負荷を重くする方法についてです。
3.1.懸垂の負荷を軽くする方法
懸垂が1回もできない人、
またはきちんとしたフォームでできている自信がない人は負荷を軽くしましょう。
最低限の筋肉がないと通常の懸垂はトレーニングになりませんし、
特に背筋に効かせるフォームは難易度が高いので、まずはフォームを習得するのが大事です。
バーの高さを変えられるのならバーを胸の高さまで下げ、
バーが固定されているのなら椅子や台の上に乗って足が地面についた状態で、
体を斜めにして懸垂を行います。
地面に負荷がいく分、体重分より軽い負荷で懸垂が行えるのです。
この種目を斜め懸垂といいます。
背筋に効かせる懸垂の場合、
体を持ち上げるときにきちんと肩甲骨を寄せて背筋の力で体を持ち上げるのを意識しましょう。
3.2.懸垂の負荷を重くする方法
懸垂を続けていき、背筋や腕の力がついてくると楽に懸垂ができるようになります。
そうすると負荷が不十分でトレーニング効率も落ちてくるので、
さらに筋肉をつけるためには負荷を重くする必要があるのです。
ではどうすれべ良いのかというと、
ベルトとダンベルを用います。
懸垂の場合は腰にベルトをつけて負荷を重くしますが、
腹筋を鍛えるハンギングレッグレイズの場合、足におもりをつけると負荷を重くすることができます。
あとがき
以上、懸垂のやり方についてまとめました。
懸垂は筋トレの中でも以下の様なメリットがあります。
- 色んな部位が鍛えられる
- 自重トレーニングの中で背筋を重点的に鍛えられる数少ない種目
- 負荷を調整しやすい
是非この記事を参考に懸垂に励んで頂ければなと思います。
ちなみに、背筋の筋トレについて詳しくまとめたので、
是非こちらもご覧ください。