食品・食材

「お酒(アルコール)は太らない」は嘘!エンプティカロリーの本当の意味とは?

「アルコールは“エンプティカロリー”(体に蓄積しないカロリー)だからお酒を飲んでも太らない」

というようなことがよく言われ、ダイエット中でもカロリーを気にせずお酒を飲む人は珍しくありません。

しかし、カロリーは高いのに脂肪にならないなんてことがあるのでしょうか。

今回はお酒が太らない説の真偽やエンプティカロリーの正しい意味について解説していきます。

お酒(アルコール)はエンプティカロリーだから太らない?

お酒のカロリー表示を確認して意外と高カロリーだと驚く人は多いと思います。
糖質や脂質など本来の食品のカロリーの元になる栄養素はほとんど含んでいないのにです。

それもそのはず。

食品のカロリーは、
『たんぱく質・炭水化物:4Kcal/g、脂質:9Kcal/g』で計算されますが、
お酒の場合は『アルコール:7Kcal/g』が加わりますからね。

アルコール度数が20%にもなれば、
1杯飲むだけで200Kcal(おにぎり1個分程度)にはなってしまうのです。

ビールなどのアルコール度数が低いお酒でも、
ジョッキ1杯飲めば同様に200Kcalにもなります。

しかし、アルコールのカロリーを食品のカロリーと同じように考えて良いのでしょうか?

実は「アルコールはエンプティカロリーだから体に蓄積しない」
ということがよく言われます。

アルコールで摂取したカロリーはすぐ熱になって消費されるため、
体内に残らず脂肪にもならないとのことです。

ただ結論言うと、
アルコールのカロリー分はきちんと脂肪になります。

たしかにアルコール自体は脂肪にならないのですが、
3大栄養素よりも優先してエネルギーとして使われるという性質があります。

つまり、糖質や脂質、たんぱく質などが消費される代わりに、
アルコールが消費されるということ。

アルコールのカロリー分だけ、
糖質などのカロリーが余り、それが脂肪に変わるというわけです。

結局これらは区別する意味はなく、
アルコールのカロリーも食品と同様に太る原因となります。

また、アルコールは確かにエンプティカロリーですが、
そもそもエンプティカロリーの意味が誤解されていますからね。

エンプティカロリーの本当の意味

「お酒が脂肪にならない」説を唱える人は、
エンプティカロリーを“体に蓄積しないカロリー”、
つまり“カロリーがエンプティ(空)”と説明します。

しかし、エンプティカロリーの本当の意味は、
“栄養素がエンプティ(空)なカロリー成分”という意味なのです。

例えば肉や卵などは高カロリーですが、
たんぱく質(アミノ酸)、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富です。

しかし、お酒は上記のような栄養素をほぼ含まず、
ただアルコールによるカロリーのみ。

こういった食品・飲料のことをエンプティカロリーと言います。

つまり、脂肪にならないヘルシーな食品・飲料を指すのではなく、
むしろ脂肪になるけど役に立たない体に悪いものを指す言葉なのです。

エンプティカロリーはアルコールの他にも、
ビタミンやミネラル、食物繊維などをあまり含まず糖質や脂質で高カロリーとなる食品、
ケーキやお菓子、ジュース、砂糖、マーガリンなどを指します。

お酒は太りやすいので要注意

よくお酒を飲むのにあまり太らないという人もいますし、
アルコールは代謝を上げたり熱として消費しやすいので食品のカロリーよりも太りにくいと言われたりします。

しかし、前者については、
お酒を飲んでも下痢や嘔吐などでカロリーを吸収できていないことが主な原因です。

後者については一部正しいですが、
お酒も脂肪の原因となるので食品のカロリーと同様に考えるべきでしょう。

お酒を飲んで酔っ払うと体が暖かくなるのは、
アルコールが消費され熱が生産されているためです。

しかし、
この一時の熱の生産に使われるカロリーは摂取したアルコールのほんの一部ですし、
アルコールが使われる分、糖質や脂質の分解は後回しにされてしまいます。

おつまみに油っこいものを食べたら脂肪になりやすいということですし、
お酒と一緒に食事を取らなくてもアルコールは単独でも摂取すると中性脂肪が合成されます。

中性脂肪が増えると困るのは肥満だけではありません。
中性脂肪増加に伴いコレステロールが増え、動脈硬化の後に脳疾患や心疾患になるリスクが増えるのです。

詳細:中性脂肪を基準値まで下げるには?高い原因&食事・運動の方法

ダイエット中にお酒を飲む場合は特に以下の点に注意しましょう。

  • お酒のカロリーも食事のカロリーと同様に計算する
  • お酒のカロリーはアルコールの量に比例するので度数の高いお酒には要注意
  • おつまみは高カロリーなものが多く、脂肪になりやすいので要注意
  • 飲みすぎると中性脂肪、コレステロール増加の原因になる

ちなみに、ビールや焼酎、ワイン、ウイスキー、日本酒、カクテルなど、
お酒の種類ごとのカロリーについて詳しくまとめているので、ぜひこちらもご覧ください。

あわせて読みたい
お酒の種類ごとのカロリー一覧|お酒が太る理由&ダイエット中の飲み方について お酒はビールや焼酎、ワイン、ウイスキー、日本酒、カクテルなど色んな種類のものがありますが、これらのカロリーは大きく異なります。...
著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
スポンサードリンク