ダイエッターがダイエットとリバウンドを繰り返す事を“ヨーヨー効果”と言います。
そういう言葉があることから分かるように、リバウンドは『意志が弱いから起こる』という抽象的な事ではなく、科学的な現象なんです。
今回、リバウンドの原因となる『身体的な原因』と、『精神的な原因』、それぞれの対策を知り、リバウンドしないダイエットをしましょう!
目次
身体的な原因
リバウンドをする原因として、
ダイエットのストレスから逆に食べ過ぎてしまい太ってしまうという『精神的な原因』があります。
これは想像に容易いと思うのですが、リバウンドの原因には、
ダイエットを続けると体が太りやすくなるという『身体的な原因』もあるのです。
まず、この身体的な原因について説明しています。
リバウンドの身体的な要因に基づくものは、おもに2つあります。
- “ホメオタシス”がもたらす停滞期
⇒エネルギー消費量、吸収率の変化
- “レプチン”の分泌量低下
⇒満腹感の減少
“ホメオスタシス”がもたらす停滞期
“停滞期”というものを聞いたことはありますか?
ダイエットをしていて、最初は順調に体重が減っても、
途端に体重の減少が“ピタッ”と止まることがあります。
それが停滞期です。
「『消費カロリー>摂取カロリー』を維持しているのに、体重が減らないのはおかしい」
と思うのが普通ですよね。
しかし、この不思議な現象を引き起こしてしまう“ホメオスタシス”という、
厄介な機能が人には備わっているのです。
極端に摂取カロリーが少ない生活を続けると、
「飢餓状態」と脳が判断して消費エネルギーを節約してしまいます。
なので、一見『消費カロリー>摂取カロリー』となる場合でも、
『消費カロリー=摂取カロリー』に近づき、体重が落ちないのです。
そして、多くの人が停滞期に直面した時に挫折して食事の量を元に戻してしまいますが、
それがリバウンドへの第一歩です。
実は、食事の量を戻しても、
まだ“ホメオスタシス”は働いているんです・・・。
つまり、『消費カロリー=摂取カロリー』となっていたのに、
食事の量を戻したことで、『消費カロリー<摂取カロリー』となってしまいます。
では、この“ホメオスタシス”をどう克服するかは、後ほど解説していきます。
“レプチン”の分泌量低下による満腹感の減少
脂肪が体内に吸収されると、
“レプチン”というホルモンが分泌されて満腹中枢を刺激して、満腹感が得られます。
しかし、ダイエット中は脂肪の吸収が減少するので、
レプチンの分泌量もそれに伴い次第に減少していきます。
このレプチンが、
ダイエットの空腹の一因をになっているのです。
体はそのレプチンの分泌量が「正常な分泌量だ」と判断するまで、
1ヶ月かかります。
もしも、ダイエットを途中でやめて、急に元の食事に戻した場合、
大きなリバウンドを引き起こしてしまうかもしれません。
上述した“ホメオスタシス”の影響により、
元の食事に戻した場合、『消費カロリー<摂取カロリー』となります。
リバウンドにより体重が元に戻ってきて、
“ホメオスタシス”の機能が弱まってくると、
『消費カロリー=摂取カロリー』に戻りますが、
それに伴い吸収される脂肪の量は減るので、レプチンの量も減って満腹感を感じません。
そのため、空腹感から『消費カロリー<摂取カロリー』となるように、
食事を摂るようになってしまうのです。
ちょっと複雑で理解しにくいかもしれませんが、
カロリー面から太りやすくなってしまう“ホメオスタシス”と、
空腹を感じやすくなる“レプチン”。
この2つの効果が絶妙に組み合わさってリバウンドしてしまうのです。
身体的影響によるリバウンドに対する対策
身体的なリバウンドは、
ホメオスタシスとレプチンによるもので、
大きなリバウンドをする人は、この二つが最悪の状態で組み合わさった事が原因です。
非常に恐ろしいものですが、
きちんと対策すればこんな事態は起こりません。
対策として、2つが挙げられます。
1、1ヶ月の体重減少を、5%以内に抑える!
“ホメオスタシス”が最大に働くのは、
体重が1ヶ月に5%以上落ちた時です。
目標の設定段階で、1ヶ月の減量を5%以内にしましょう。
- 70Kg⇒3.5Kg以内
- 60Kg⇒3Kg以内
- 50Kg⇒2.5Kg以内
2、停滞期が訪れても、1ヶ月は食事を元に戻さない!
停滞期で元の食事に戻すと、元の体重に戻るどころか、
下手したら元の体重以上に太ってしまいます。
もし停滞期を乗り越えたら、
脳は、「あれ!?これ飢餓じゃないんだ!」と判断して、
“ホメオスタシス”が収まり、また正常の『消費カロリー>摂取カロリー』の状態になります。
そして、少ないレプチンの分泌量にも体が慣れてきて、
少ない食事でも満腹感を得られるようになってきます。
日々減っていく体重は、モチベーションの維持になります。
しかし、それを過度に“よりどころ”にすると、
停滞期が来た時に、たちまちモチベーションが保てなくなり挫折します。
過酷なダイエットをしていれば、
停滞期は“誰にでも”訪れるものです。
しかし、あらかじめ停滞期が来るものだと思っていたら、
苦しい停滞期も乗り切れるでしょう。
むしろ停滞期が来たら、
順調にダイエットができていると思って、喜びましょう。
また、停滞期を乗り越えるのに、
“チートデイ”や“爆発の日”など呼ばれる方法があります。
一日だけカロリーを過剰に摂取して、
脳に「飢餓じゃないよ!!」と知られせて、
“ホメオスタシス”の機能を弱めます。
詳しくはこちらの記事中に書いています。
⇒食べ順爆発ダイエットの方法
精神的な原因
次はリバウンドの精神的な原因について説明します。
停滞期に耐えられなくなったというのも、
ある種“精神的な”原因ですが、
上で述べた身体的な要因とは全く別のところにもあります。
ダイエット中のストレス
ダイエット中のストレスにより、
食事が許された時は大半の人が過食してしまうという実験結果があります。
ダイエット中に制限した食べ物は我慢しようとするほど、
むしろ食べたいという欲求が強くなります。
この欲求が、リバウンドを引き起こすのです。
私もそうでしたが、
ボクサーは試合後に毎回この状態になります。
減量から解放されたとき、今まで我慢してきた食べ物がいくつも浮かんできて、
「どれから食べてやろうかな~」
と、食欲が抑えきれないのです。
今まで食べれなかった分、
「食事ができるのに、食事をしないのはもったいない!」
という思考になり、お腹がすいていなくても食事を摂ります。
常に満腹でいようとするのです。
精神的影響によるリバウンドに対する対策
この精神的な原因のリバウンド対策として、
これも主に二つあります。
1、無理なダイエットをしない!
ストレスを感じない程度に、好きなものを食べていたら、
それほど食べたい欲求は湧いてきません。
“ホメオスタシス”の機能も考慮して、
やはり目標体重を1ヶ月で5%以内に定めましょう。
2、目標体重に達しても、また新たに目標を定める!
人は目標を失った瞬間、
今までのモチベーションが嘘だったかのようにオフになります。
モチベーションを維持し続けるには、
常に目標を定めるということが必要です。
例えば、目標体重に達したからと言って、
そのままその体重を維持するのは無理です。
今まで食べれなかった分、
少し多めに食べてしまい、1~2日後には目標体重を少し上回っていると思います。
その時、あらかじめこの事を考慮に入れて、
「1週間後にまた目標体重に戻す!」という目標を定めれば、
またモチベーションを取り戻せます。
しかも、一度落とした体重であれば、
今までのダイエットよりも緩やかなものとなるので、
断然楽なはずです。
目標を持ち続けるとうよりは、
ダイエット成功後に少しだけリバウンドすることを見越して、
「2段階の目標を持つ」というイメージです。
実はこれは、私のボクサーとしての経験に則った方法なんです。
試合に向けて減量をしてそれが終わったあと、
またしばらく試合がなかった場合、
目標を失い確実にリバウンドで何キロも太ってしまいます。
しかし、試合後に「また1週間後に試合がある」と分かれば、
1日だけドカ食いをして、また新たに目標をセットして、
それに向けて頑張ることができます。
しかも、今までの減量に比べたら遥かに楽なものになるのです。
だから、次の試合が終わったあとは、
比較的食べたい欲求はそこまで湧いてきません。
あとがき
以上、リバウンドに関する記事でした。
リバウンドの原因や対策を見ていきましたが、やっぱり一番いいのは、
過酷なダイエットをせず長期的なスパンで痩せる計画をたてることです。
多くの人は1週間で数Kg、1ヶ月で5Kgなど無茶苦茶な目標を設定しますが、
そもそも達成困難ですし、デメリットがあまりにも多すぎます。
- 必要な栄養素の多くが不足する
- 筋肉が落ちやすい
- 肌・髪質が悪化する
- 精神力を必要とする
- 高確率でリバウンドする
なので、少なくとも1ヶ月で5%以内というのは厳守するようにしましょう。
さて、リバウンドについて知ってもらえたと思いますが、次に目標を立てましょう。
あなたの目標を達成するためには1日何Kcalの摂取に抑えるべきなのでしょうか?
ぜひこちらをご覧下さい。