有酸素運動における「心拍数とダイエット効果(脂肪燃焼)」の嘘について

Facebook alt 10 Facebook alt 17 0 0
この記事が読まれるのは
14,673回目です。

有酸素運動で心拍数が重要って本当?ダイエットで有酸素運動を取り組む際、「“心拍数”が大事」ということを聞いたことはありませんか?

「ランニングを続けても痩せないのは正しい心拍数で行えていないから」「正しい心拍数で運動をしないと脂肪が燃焼しない」といった文言です。

痩せようと必死になって情報を調べている人ほど、このようないい加減な情報により誤解してしまう傾向があるので注意が必要です。

是非、今回の記事で正しい情報を身に付けて下さい。

スポンサードリンク

Q「運動時の心拍数は計測した方がいいの?」

運動でダイエットをしようと思っているのですが、心拍数によっては脂肪が燃焼しないというのを聞きました。

効率的に脂肪燃焼をするには心拍数(脈拍数)を計測する必要があるのですか?あるとしたらどれくらいの心拍数で運動すれば良いのですか?

ダイエットの際の運動において、
“心拍数”が話題に上がることはよくあります。

「ランニングで痩せない人は適切な心拍数で行っていないから」
なんてものも書いているブログも目にしましたね。

なので、わざわざ運動時の心拍数を計測する機器を購入した人もいるのではないでしょうか?

しかし、この疑問についての回答は以下のとおりです。

心拍数によって、脂肪がエネルギー源として用いられる割合が変わるのは事実です。しかし、ダイエットにおける運動で心拍数を気にする必要は一切ありません。

長く続けられるくらいの負荷が、ダイエットにおいて最も適切な運動です。

心拍数を基準とした運動強度によって、
消費カロリーのうち「どれくらいの割合が脂肪が分解されて取り出されるのか」が変わります。

しかし、まともな知識があれば、
そういう細かいことよりも総消費カロリーが重要であり、
そのために長く続けられる負荷が最適だと分かるはずです。

運動ダイエットで心拍数が大事と言われる理由は?

まず、何故運動ダイエットにおいて心拍数が大事と言われているのかを説明します。

まず抑えておかないといけないのが、
私達のエネルギーは2種類あるということ。

  1. 炭水化物
  2. 脂肪(脂質)

心拍数が高くなる激しい運動は即座にエネルギーを作り出さないといけないので、
脂肪を分解して取り出すという余裕がなく、筋肉や血液中の炭水化物からエネルギーを取り出そうとします。

つまり、脂肪を燃焼する有酸素運動ではなく、
無酸素運動に近くなるため心拍数は高すぎない方が良いと言われているのです。

ただ、心拍数が低すぎるとエネルギーをあまり消費しないので、
ある程度の心拍数は必要と言われます。

これらから、
「120~140回/分」や「最大心拍数の60~70%」の運動が脂肪燃焼に良いと言われるのです。

少し具体的に見てみましょう。

Sports Med (2007) 37, 332-336, Sports Med (2008) 38, 213-238

上図は、運動強度における脂質と炭水化物の利用率を表した図です。

運動の負荷を上げていくと脂肪の利用率が下がっていき、
70%のところで傾きが急になります。

このため60~70%くらいの強度の運動が脂肪燃焼に効果的とされているのです。

しかし、これらは中途半端な知識しかもっていない人が提唱する説であり、
ダイエットにおいて全く意味がありません。

なので、「心拍数はダイエットにおいて気にする必要がない」ということ以外は忘れても大丈夫です。

運動ダイエットで心拍数は重要ではない

では、何故心拍数が重要ではないのか説明していきます。

理由は主に2つ。

  1. 運動後の食事によって蓄えられる炭水化物や脂肪を考慮していないから
  2. 心拍数を気にすると消費カロリーが少なくなるから

1.運動後の食事によって蓄えられる炭水化物や脂肪を考慮していないから

有酸素運動の心拍数が重要と唱える人は、
「炭水化物がエネルギーとして使われるのが無意味」と言っているようなものです。

もちろんそんなことはありません。

運動後に摂取する食事が炭水化物として蓄えられるか、
脂肪として蓄えられるかに関わってくるのです。

運動によって炭水化物が消費された場合、
運動後に摂取した食事のカロリーは炭水化物の燃焼分を補うために使われます。

一方で、運動によって脂肪が使われ炭水化物をあまり消費していない場合、
運動後に摂取した食事のカロリーは炭水化物ではなく脂肪を蓄えるために使われます。

これは2010年にオーストラリアで実証されました。

炭水化物の代わりに脂肪を燃焼するように遺伝子操作されたマウスは、
燃焼した脂肪の分を使われなかった炭水化物がそのまま脂肪に変わってしまったのです。

結局エネルギー源として消費されるのが炭水化物であっても脂肪であっても、
運動後を考慮するとあまり意味がありません。

要は消費カロリーと摂取カロリーの問題に帰結してしまうのです。

恐らく、心拍数が大事だと言っている人はこのことを知らないのだと思います。

2.心拍数を気にすると消費カロリーが少なくなる

そして、心拍数を70%未満に抑えるとなると、
人によっては負荷の軽いとした運動になってしまいます。

もしその運動だと長時間行うことができるというのであれば、
それで構いません。

しかし、時間を決めて運動を行う場合、
できるだけ負荷が高い運動の方が消費カロリーが高くなるのは言うまでもありません。

前述した通り、ダイエットの運動においては、
心拍数ではなく消費カロリーが大事になるので、消費カロリーが多くなる運動を行いましょう。

ただ、負荷が大きい運動の方が時間あたりの消費カロリーが高くなりますが、
長時間続けるのが困難なので結果的に総消費カロリーは低くなることがよくあります。

なので、長時間続けても疲れにくい程度の負荷を心がけ、
疲れてきたら負荷を緩めていくという運動がおすすめです。

いずれにしても心拍数を気にする必要はまったくないということですね。

あとがき

以上、有酸素運動における心拍数と脂肪燃焼に関することについて説明しました。

最後に要点をまとめると以下の通りです。

  1. 運動時の心拍数は炭水化物と脂肪の利用率の割合に関係する
  2. 運動後のことを考慮すると脂肪の増減は「心拍数」よりも「消費カロリー」が大事
  3. 消費カロリーを多くするには長く続けられて、疲れを実感しにくい程度の負荷がおすすめ

今回の炭水化物と脂肪の利用率の話などは、
「有酸素運動は20分以上続けないと意味がない説」
「食事の前の有酸素運動がダイエットに効果的説」
などがデマであることに関係します。

察しのいい人なら分かるのではないでしょうか?

このことについても詳しくまとめたので是非ご覧ください。

「脂肪は20分経たないと燃えないので、有酸素運動は20分以上しないと意味がない」というようなことを聞いたことはありますか? 専門家や知識のある人は決してこのような発言はしないのですが、意外と多くの人がこれを信じてしまっているように思い
スポンサードリンク