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有酸素運動とは?種類一覧&ダイエットに効果的な運動をご紹介

運動は主に“有酸素運動”“無酸素運動”に分類されます。

その中でも脂肪が燃えやすくダイエットに用いられる有酸素運動について、今回は詳しくまとめていきます。

カロリー消費効率の良い有酸素運動や室内でできる有酸素運動、毎日継続しやすい有酸素運動などの紹介。

そして有酸素運動を取り組む上で知っておくべき基本的な知識などをお教えしていきます。

有酸素運動・無酸素運動とは?

まずは「有酸素運動とは?」「無酸素運動とは?」
といったところから説明していきます。

主な区別の仕方としては以下の通り。

  • 長時間行える運動:有酸素運動
  • 瞬発的な運動:無酸素運動

簡単に違いを表にまとめると以下の通り。

  有酸素運動 無酸素運動
特徴 長時間続けられる すぐに力尽きる(数秒~数十秒)
種目 ウォーキング、ジョギング、自転車、階段昇降 全力疾走、筋トレ
主なエネルギー源 脂肪 糖質
役割 消費カロリーを増やしてダイエット 筋肉に負荷を与えることで筋肉増強、またはダイエット中の筋肉低下の抑制

ただこれらに明確な境界はなく、
この運動は有酸素運動、この運動は無酸素運動、というように定義されているわけではありません。

ランニングも速度が遅ければ有酸素運動ですが、
すぐに息が上がるくらいの速度になれば無酸素運動になりますからね。

主に“運動の強度”によって分類されますが、
もっというと、それに伴いエネルギー生産の仕組みが異なります。

ではそれぞれの違いについてもう少し詳しく説明しましょう。

有酸素運動とは?

有酸素運動とは?

有酸素運動はウォーキングやジョギング、自転車など、
長時間に渡って行う運動です。

体内に酸素を取り込んで脂肪を燃焼させ
その結果できた物質をエネルギー源とします。

名前の由来はエネルギー生産に酸素を使うため。

このエネルギー生産は長時間に渡って続けられますが、
エネルギーは小さいので瞬発的に運動には場合は対応できません。

運動強度が低い活動の場合は基本的にこのエネルギー生産の方法なので、
日常での活動、具体的には“家事”“立ったり座ったり”といった行動も有酸素運動に分類されます。

有酸素運動は無酸素運動と比べると瞬発的に消費するカロリーは少ないのですが、
長時間行えるため結果的に多くのカロリーを消費できます。

それぞれの消費カロリーのイメージとしては以下の通り。

無酸素運動であっても短時間では十分なカロリーは消費できませんからね。

そのため、有酸素運動がダイエットに効果的と言われているのです。

無酸素運動とは?

無酸素運動

無酸素運度は短距離走、ウエイトトレーニングなど。

息がきれるほどの運動や長時間の継続が困難な運動が“無酸素運動”に分類されますが、
主に“筋トレ”を指すことが多いです。

酸素を使う必要がないというわけではなく、
「激しい運動のあまり、酸素が“使えない”。」
といった意味での“無酸素”です。

有酸素運動のように脂肪を使っていてはエネルギー供給が間に合わないため、
手っ取り早く大きなエネルギーを取り出せる糖質が使われます。

正式には糖質が体内で分解されたもので、
筋肉中に蓄えられている“グリコーゲン”という物質です。

ただしグリコーゲンは枯渇しやすいため、
長時間続けることができないのです。

無酸素運動はエネルギー生産に脂肪ではなく“糖質”が使われるのですが、
これ自体がダイエットに影響するわけではなりません。

たとえば、
「有酸素運動は脂肪が使われるが、無酸素運動は糖質が使われる。だから脂肪を減らすには有酸素運動が効果的」

このように勘違いする人は多いですが、そうではありません。

運動で消費された方が食事で優先的に補われるため、
脂肪が使われようが糖質が使われようがダイエットに関係ないのです。

また、糖質が使われなければいずれそれは脂肪に変わってしまいますしね。

有酸素運動がダイエットに効果的なのは、
あくまでカロリー消費の面で無酸素運動よりも優れているからです。

細かいことですが、
割と重要なことなので覚えておくといいでしょう。

「有酸素運動は20分以上じゃないと意味がない」
「有酸素運動は心拍数によってダイエット効果が異なる」
などのデマもこのことが関係しますからね。

詳しくは後述します。

では、無酸素運動はダイエットにおいて意味がないのでしょうか?

たしかに無酸素運動はカロリー消費効率は低いのですが、
筋肉の減少を抑制するという重要な役割があります。

※「筋トレで基礎代謝が上がる」と思っている人もいますが、ダイエット中に筋肉は増えないのでそれは誤り。詳細⇒「筋トレで基礎代謝が上がり痩せる」は嘘!筋肉とダイエットの関係について

カロリーの収支をマイナスにすることで脂肪は分解されるのですが、
この時、脂肪だけではなく筋肉も分解されます。

筋トレをすると筋肉の分解を最低限に抑えることができるのです。

筋肉の分解量が減ると、
その分脂肪分解によって多くのエネルギーが補われるということ。

つまり、同じカロリー収支でも筋トレをした方が脂肪が多く減るということです。

有酸素運動は筋肉の負荷が不十分なので、
筋肉の低下を抑制できません。

詳しくはこちら
ダイエットに筋トレは必要?男性・女性問わず筋トレをするべき理由

明確に有酸素運動と無酸素運動が分類されるわけではない

前述しましたが、
この運動は有酸素運動、この運動は無酸素運動といったように、
明確に分類が決まっているわけではありません。

エネルギー生産は100%脂肪、または100%糖質が使われることはないので、
どの運動も両者の性質を含みます。

例えば、ジョギングは有酸素運動ですが、
走るスピードを速くして全力疾走になるとそれは無酸素運動になります。

これらは誰にとっても明らかですが、
どのスピードから有酸素運動が無酸素運動になるのかといのは定義不可能です。

運動の強度によっても有酸素と無酸素の比率も変わってきます。

有酸素運動の種類・おすすめ

ダイエットを目的とした代表的な有酸素運動の種類は以下のものが挙げられます。

どの運動が優れているとかではなく、
“消費カロリー”、“体の負担”、“手軽さ”などにおいてメリット・デメリットがあるため、
それぞれに適した運動があります。

では、これら有酸素運動の中でも、
以下の観点からおすすめのものをご紹介します。

  1. カロリーの消費効率が高い運動
  2. 自宅でできる運動
  3. 移動手段として生活の中に取り入れやすい運動

【おすすめの有酸素運動1】カロリーの消費効率が高い運動

時間をとって本格的に運動をするなら、
カロリーを効率的に消費できる運動が望ましいです。

有酸素運動の中でも特にカロリーを消費するのがこれらです。

全身を使うため多くのエネルギーを要します。

ただ水泳の場合は長時間泳ぐためにはそれなりの技術がいるので、
何十分も泳ぎ続けられる人に限ります。

また施設の利用料金や移動の手間がかかるのもデメリットです。

ダンスも人によっては抵抗があるでしょうし、
どのように取り組んだら良いのか分からないという人も多いでしょう。

ダイエット効率だけを考えるなら、
大抵の人はランニングが一番ですです。

【おすすめの有酸素運動2】自宅でできる運動

運動の習慣がない人がいきなり外に出て運動を始めるのはハードルが高いので、
まずは屋内でできる手軽な運動をおすすめします。

ただ有酸素運動は体を大きく動かすものが多いので、
家の中の限られたスペースで行えるものは限られます。

特別な器具なしにできるのはこれくらいですね。

ランニングマシンやエアロバイクなどがあれば別ですが。

この中だと、ダンスや昇降運動は屋外の運動に匹敵するくらいのカロリー効率なので、
非常におすすめです。

ヨガやバランスボール、ストレッチなどは効率はいまいちですが、
手軽に行えるのがポイントです。

テレビを見ながら行ったり、家事の合間に行ったり、
スキマ時間でできるので、忙しい人、時間を有効活用したい人には向いています。

スキマ時間でも積み重なれば大きなものになりますからね。

【おすすめの有酸素運動3】移動手段として生活の中に取り入れやすい運動

「ダイエットのための運動は続かない」とはよく言われます。
その理由はわざわざ時間を取るのが面倒くさいから。

なので運動のために時間を取らなくても、
移動手段として生活の中に取り込める運動はそれだけで重宝します。

特におすすめなのは以下の2つ。

出勤や登校、買い物などの際に、
今まで車や公共の交通手段を使っていたものをこれらに切り替えてみて下さい。

それだけで1日の消費カロリーを増やすことができます。

移動に時間がかかるかもしれませんが、
わざわざ運動のために時間をとって行うよりもよっぽどハードルが低くなるでしょう。

ランニングも移動手段として使えますが、
汗を大量にかくのであまり現実的ではないかなと思い省きました。

オススメしない運動

続いて、個人的にオススメしない運動をご紹介します。

これらはネットやテレビ、雑誌などで取り上げられることもありますが、
どれもダイエットのための有酸素運動としては不向きです。

スクワットに関しては無酸素運動としては非常に優秀なのですが、
長時間行えないので有酸素運動として取り組むには非効率と言えます。

ほとんどカロリーを消費しません。

縄跳びに関しても時間あたりの消費カロリーは多いのですが、
長時間できないので効率が悪いのです。

フラフープトランポリンに関しても、
ネット上では間違った消費カロリーとともに「ダイエットに効果的」と言われているので要注意。

有酸素運動に効果的な時間帯

よく質問されるのが、
「有酸素運動は朝と夜どちらが効果がありますか?(痩せやすいですか?)」
ということです。

有酸素運動は朝に行うのとよる行うのとではダイエット効果が違ってくると思っている人が多くいます。

しかし、結論を言うと、
消費カロリーが同じならどの時間帯に行っても効果は変わりません。
自身の生活習慣などから、継続しやすい方を選ぶのが大事です。

中には
「朝に運動を行うと脂肪が燃えやすい」と言っている人もいます。

確かに起床時は血糖値が低いため、
有酸素運動を始めてすぐの段階から脂肪がエネルギー源となりやすいのですが、
結局消費カロリーは変わらないので、効果は変わりません。

1日の消費カロリーが変わらなければ、
1日のスパンで見たときに燃焼する脂肪の量は変化しませんからね。

ただ脂肪がその時燃えるか、あとで燃えるかの違いです。

有酸素運動をしている時に脂肪が燃えやすいのは朝ということで正しいですが、
脂肪が使われればその後の食事で脂肪が優先的に蓄えられるだけです。

ダイエット効果以外にメリットなどの違いはあるので、
そこに着目しましょう。

朝の有酸素運動のメリット

  • 日中の活動能率UP
  • 規則正しい生活習慣の獲得

運動の後は気持ちがシャキッとして仕事や勉学の活動能率が上がるので、
一日を充実させるためには朝に運動を行うといいでしょう。

そして早く起きないといけないので、
規則正しい生活習慣も身につきます。

ただし、朝は体が乾いている状態なので、しっかり水分を補給することと、
頭が覚醒していない状態なので、事故を起こさないようにすること、
この2点を気をつけましょう。

夜の有酸素運動のメリット

  • 1日のリセット(ストレス解消・リフレッシュ)
  • 食欲抑制(夕食前のランニングの場合)
  • 生活リズムを変える必要がない
  • 熟睡効果

運動はストレス解消になるので、
その日にためたものをリセットして次の日を気持ちよく迎えることができます。

また、運動の直後は食欲を抑える効果があるので、
夕食前に運動をして食事の量を減らすのもダイエットの戦略としてはいいですね。

朝が苦手という人や夜眠れないという人にも、
夜の有酸素運動はおすすめです。

その他有酸素運動に関する注意点

その他、有酸素運動に関して間違った情報が広まっているので、
注意しないといけないことがあります。

有酸素運動は20分以上?

このようなことを聞いたことはないでしょうか。

「有酸素運動を始めて20分後から脂肪が燃え始めるので、20分以上運動を続けないと意味がない」

もし聞いたことがあるのなら、これは全くの嘘なので今日限りで忘れて下さい。

◯分以上行うとダイエット効率が上がるなどということはありません。

確かに長時間行う方がカロリーを消費するのでダイエットに効果的ですが、
それよりも毎日行う方が重要です。

1時間の有酸素運動を週に1回行うよりも、
1日10分の有酸素運動でも毎日行うほうが消費カロリーが大きくなり痩せます。

このことについて詳しくまとめたので是非ご覧ください。

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有酸素運動の前に無酸素運動を行うのが効果的?

「有酸素運動の前に無酸素運動(筋トレ)を行うと脂肪燃焼効率が上がる」

こういうこともよく言われますが、
これもデマなので気にしないでください。

むしろ筋トレを行って疲労が溜まることで、
有酸素運動の量が落ちれば逆効果になるだけです。

詳しくはこちら

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有酸素運動は心拍数が大事?

「有酸素運動中の心拍数が高すぎると脂肪は燃えないので、適切な心拍数での運動を行うのが大事」

これも前2項と同様に全くの嘘です。

心拍数によって脂肪・糖質が使われる割合が変わってくるというのは確かですが、
運動中にどちらが使われても消費カロリーが変わらなければダイエット効果は変わりません。

使われたほうが食事で優先的に補われるだけですからね。

心拍数は「120~140回/分」がダイエットの効果的なんて言われるのですが、
これを基準にしていたら運動量が落ち、効率が悪くなることが多いです。

心拍数を気にしていても何も良いことはないので、
忘れてしまいましょう。

詳しくはこちらにまとめています。

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有酸素運動をやりすぎると筋肉太りのリスクがある?

「筋肉がついて筋肉太りになるのが嫌だから運動はしたくない」
という女性を多く見かけます。

しかし、有酸素運動はどんなにやったとしても筋肉がつくことは絶対にないので、
安心して下さい。

筋肉太りを気にする人は、
「運動をすると脂肪が筋肉に変わる」と思いがちですが、実際には違います。

筋肉をつけるには、2つのことが必要になります。

  • 瞬発的な筋肉の負荷(筋トレなど)による筋肉の損傷
  • 栄養(消費カロリー以上の摂取カロリー)

有酸素運動では筋肉を成長させるための負荷は足りませんし、
仮に筋トレを行ったとしてもダイエット中の食事では筋肉は増えません。

筋肉は現在体についている脂肪が変化するのではなく、
新しく摂取した食事によって増えるのです。

そしてその際は脂肪も一緒に増えます。

いずれにしてもカロリーを抑えている状態、
ダイエットをしている時に筋肉が増えるなんてことはないので安心して下さい。

また、女性の場合は筋肉を成長させるためのホルモンが男性よりも遥かに少ないため、
筋肉をつけようと思っても簡単につけられるものではないのです。

詳しくはこちら。

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あとがき

以上、有酸素運動の種類や取り組む上での注意点などについて説明いたしました。

有酸素運動については色々なデマが広まっており、
それらの中にはダイエットの妨げになるものも多いので、
だまされないようにしましょう。

他にもダイエットにおける運動について、
知ってもらいたいことは多くあります。

ぜひこちらも合わせてご覧ください。

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著者プロフィール
テク

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元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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