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水泳の消費カロリー(泳ぎ方7種)&他の有酸素運動との比較

一般的に水泳は、「運動の中でもカロリー消費効率が良くダイエットに向いている」と言われます。

水の抵抗が消費カロリーを引き上げるだけでなく、体にかかる負荷をやわらげるため足腰が弱い人や運動不足の人にも推奨されています。

しかし、実際に水泳の消費カロリーはそんなに高いのでしょうか?

また、泳ぎ方によってどれくらいの差があるのでしょうか?

今回はこのような疑問に答えるべく、各種泳ぎ方別の消費カロリーやそれに伴い落ちる脂肪の目安などを解説していきます。

取り上げるのは以下の泳ぎ方についてです。

  • 背泳ぎ
  • 平泳ぎ
  • クロール
  • バタフライ
  • 立ち泳ぎ
  • 水中ウォーキング
  • 水中ジョギング

また、水泳のダイエット効果やメリット・デメリットについても詳しく解説していきます。

水泳の消費カロリー

水泳は他の有酸素運動と比べたとき、
全身をくまなく使うため、ダイエット効果・効率が高いと言われています。

では実際に水泳の消費カロリーはどの程度なのか見ていきましょう。

泳ぎ方別の消費カロリー

以下の計算機を用いれば各種泳ぎ方の消費カロリーや落ちる体脂肪の目安などを調べることができます。(体脂肪1Kg=7200Kcal換算)

水泳の消費カロリー

体重 Kg

時間

泳ぎの種類

水泳全般:6.0メッツ

背泳ぎ(レクリエーション):4.8メッツ

背泳ぎ(トレーニング、競技):9.5メッツ

平泳ぎ(レクリエーション):5.3メッツ

平泳ぎ(トレーニング、競技):10.3メッツ

クロール(普通の速さ):8.3メッツ

クロール(速い):10メッツ

バタフライ:13.8メッツ

立ち泳ぎ(ほどほどの労力):3.5メッツ

立ち泳ぎ(きつい労力):9.8メッツ

水中ウォーキング(ゆっくり):2.5メッツ

水中ウォーキング(ほどほどの速さ):4.5メッツ

水中ジョギング:9.8メッツ


消費カロリー: Kcal

落ちる体脂肪の目安: g

1ヶ月毎日続けた時に落ちる体脂肪: Kg

ちなみに、これら消費カロリーの計算は運動強度を表す指標である“メッツ”を用いています。

メッツとは

メッツとは運動強度の単位で、安静時(1メッツ)の何倍のエネルギーを消費するのかを表す指標となる。消費カロリーの計算に用いられる一般的な指標でもあり、以下の計算式を用いる。

消費カロリー(Kcal)=1.05×メッツ×体重(Kg)×時間(h)

参照:改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』

例)体重60Kgの人が30分間「平泳ぎ(レクリエーション):5.3メッツ」をした時の消費カロリー

⇒1.05×5.3×60(Kg)× 30/60(h)=167Kcal

5.3メッツの平泳ぎは安静時の5.3倍カロリーを消費し、
8.3メッツのクロールは安静時の8.3倍カロリーを消費するということです。

他の運動との比較

水泳の消費カロリーは他の運動と比べた時どの程度なのでしょうか。

陸上の代表的な有酸素運動とメッツ値を比較してみましょう。

バタフライはずば抜けて運動強度が高いのが分かりますね。

クロールランニングと同程度
背泳ぎや平泳ぎ速いウォーキングや自転車と同程度
水中ウォーキング通常のウォーキングと大きな差はありません。

競技やトレーニングで行う場合の背泳ぎや平泳ぎは大幅にメッツ値が高くなります。

トレーニング目的ではなく普通に泳ぐ場合だと、
メッツ値は5~6前後になるので大体自転車と同じくらいの消費カロリーになると考えましょう。

他の運動の消費カロリーについてはこちら詳しくまとめています。

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ただ注意点として、
水泳の消費カロリーは個人の水泳の技量によって大きく左右するということが挙げられます。

水泳の消費カロリーは個人差が大きい

水泳は全身まんべんなく使う運動なので、
ゆったりとした泳ぎでも泳ぎ続けられる人はそれだけカロリーを消費します。

しかし、逆に言えば25mで息が上がってしまったり、
頻繁に休憩を挟んでしまう場合はカロリーをあまり消費することはできません。

そもそも水泳に限らず有酸素運動は、
無酸素運動と比べると単位時間あたりの消費カロリーは低いのですが、
長時間継続できるため結果として総消費カロリーが多くなります。

有酸素運動と無酸素運動の違い
  • 有酸素運動:長時間続けられてカロリーを消費するのに適した運動(ウォーキング・ランニングなど)
  • 無酸素運動:すぐに力尽きるが筋肉に負荷を与えることができる運動(筋トレ・全力疾走など)

詳細:有酸素運動と無酸素運動の種類や順番|ダイエット・筋トレそれぞれの取り組み方

少し泳いだだけで息が上がるというような人は、
有酸素運動ではなく無酸素運動に近い運動になってしまっているのです。

上の計算機の数値も何十分も泳ぎ続けられる人を前提としたものなので、
その点は注意しましょう。

ランニングとクロールの運動強度はほぼ等しいので、
同じ時間行えば消費カロリーもほぼ等しくなります。

しかしランニングは何十分と続けられても、
クロールを何十分も休憩せずに続けられるという人は多くないでしょう

泳ぎ続ける技量がない人はクロールや平泳ぎはダイエットという点では非効率なので、
効率を求めるなら水中ウォーキングをおすすめします。

水中ウォーキングは通常のウォーキングと消費カロリーの差はあまりありませんが、
膝にかかる負担が圧倒的に少なく安全に取り組めるというのが大きなメリットです。

水泳ダイエットの特徴

水泳はダイエット効果以外にも、
健康や美容面などにおいて様々な効果、メリットをもたらしてくれます。

しかし、その一方で他の運動と比べた時のデメリットもあります。

これらについてそれぞれ見ていきましょう。

【水泳のメリット1】心肺機能が鍛えられる

心肺機能が鍛えられる

有酸素運動全般には心肺機能を向上させる効果がありますが、
水泳は他の運動よりも更に心肺機能が鍛えられます。

通常の運動の場合、心臓から送り出した血液は重力のため下半身に滞りやすいのに対し、
水泳の場合は重力の影響を受けにくい上、水圧によって血液の循環は促進されます。

つまり、血液を全身に送り出し循環させるという心臓の機能が高まるのです。

また、水圧によって肺に負荷をかけることで肺機能が鍛えられます。

心肺機能が鍛えられれば、階段の上り下りなどの日常生活で息切れしにくくなります。

【水泳のメリット2】リラックス効果

リラックス効果

私たち人間は水中において安心感を得ることができ、リラックスすることができます。

これは、私たちが生まれる前、
母親の胎内で羊水に覆われていた時の記憶によるものと言われています。

つまり、水泳は精神的にも良い影響をもたらしてくれるのです。

【水泳のメリット3】負荷が少ない

負荷が少ない

水泳は浮力のため膝や腰の衝撃がなく、
高齢者・肥満者・妊婦などでも無理なく行える運動です。

また“成長期の子供”に水泳が推奨される風潮にあるのはこのことが要因にあります。

骨や関節が未熟な子供でも怪我のリスクが少なく、
また、左右対称の運動なので成長途中で体の歪みも生じにくいのです。

【水泳のデメリット1】お金がかかる

ウォーキングやジョギングはお金をかけずに手軽にできるのに対し、
水泳を定期的にするとしたら大変な出費になってしまいます。

施設の利用代金に加え、
場合にによっては移動にお金がかかることもあるでしょう。

【水泳のデメリット2】成果を実感できるまで時間がかかる

お金がかかるということや、手軽に行うことができないという点から、
水泳は頻繁に行うのは困難です。

ウォーキングやランニングなどはモチベーション次第で毎日行うのも可能ですが、
部活でもない限り、水泳を毎日行うのは難しいでしょう。

また、水泳は陸上の有酸素運動と比べて特別効率が良いわけではありません。

1回あたりのダイエット効率・頻度ともに陸上の有酸素運動に敵わないのです。

そのためダイエットの成果が実感できるようになるまで、
かなりの期間がかかるでしょう。

ランニングですら毎日行ったとしても、
痩せた実感を得るには1ヶ月はかかります。

水泳を2~3日に1回やると仮定すると数ヶ月
週1だと半年はかかるのではないでしょう。

【水泳のデメリット3】効率的な脂肪燃焼には技術が必要

ダイエット目的の場合、
泳いでまともにカロリーを消費するには有酸素運動を続けないといけないのですが、
25m泳ぐだけで「はぁ、はぁ」と息が切れてしまう場合は、無酸素運動となってしまいます。

何分も足をつかずに泳ぎ続けるだけの技術がないと、
ダイエット効果は薄いのです。

また技術がある人でも、
陸上の有酸素運動と比べて効率が良いというわけではありません。

施設までの移動に時間がかかることなどを考慮すると、
むしろ効率は劣るでしょう。

施設まで数十分かかるという場合でも、
ウォーキングやランニングの場合は今すぐに始められますしね。

実際に水泳に取り組んだことがある人は、
あまり効率がよくないことにすぐに気づくでしょう。

正直、早く痩せたいという人が水泳をするのはおすすめしません。

あとがき

以上、水泳の泳ぎ方別の消費カロリーやメリット・デメリットに関してでした。

水泳はダイエットにおいて何かと持ち上げられることが多いですが、
大体が過剰評価されている傾向にあります。

怪我のリスクが少ないですし、
運動が苦手な人でも取り組みやすいというのは他の運動にはない大きなメリットです。

しかし、効率面や継続性を考えると手軽に行える運動に分があります。

以前も詳しく理由を書きましたが、
個人的にはダイエット目的で水泳を行うのはおすすめしません。

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テレビやネットの一方的な情報に惑わされず、
他の運動とのメリット・デメリットをよく考えてから取り組むようにしましょう。

ちなみに運動ダイエットの基本的な情報はこちらにまとめているので、
ぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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