「ランニングで1回でどれくらいの脂肪が落ちるのか?」
「1Kgの脂肪を落とすのにどれくらいの距離を走る必要があるのか?」
このようなことが気になる人は多いのではないでしょうか。
ランニングは数ある有酸素運動の中でも負荷が高いため、トップクラスのダイエット効率を誇ります。
しかし実は、ランニングをもってしても痩せるのにかなりの時間がかかるものです。
今回はランニングの消費カロリーや落ちる脂肪の目安、さらにランニングのダイエット効果以外の効果についても詳しく解説していきます。
ランニングでどれくらい脂肪は落ちるのか?
ランニング、ジョギングはダイエットにおける運動の定番ですが、
どれくらい走ってどれくらい脂肪が落ちるかご存知ですか?
夏場なんかは、
30分も走れば体重が1Kg以上減るなんてこともあるでしょう。
これで「痩せた!」と喜ぶ人は多いですが、
実は脂肪はほとんど落ちていません。
ランニングで落ちる体重の9割以上が水分(汗や呼気)なんです。
脂肪も落ちますが、そのうちの極僅かでしかありません。
内訳としては大体以下の通り。
なのでランニング後に水分補給をすると、すっかり元の体重に戻ります。
※内訳に関しては汗の量によって大きく変わってくるので、あくまで参考程度。
フルマラソン(42.195km)を走っても・・・
さて次にフルマラソン(42.195キロ)走るのを例に考えてみましょう。
“40km以上走る”というのは、一般の人からは想像もつかない運動です。
なので、
「それくらい走れば、やっぱり脂肪もだいぶ減るんだろうな・・・。」
と思うかもしれません。
どれくらい痩せると思いますか?
1kgですか?2kgですか?
正解は、“約350g”です。
(体重60kgの人の場合)
42.195Km走っても、
わずか数百gしか痩せることはできないのです。
誰もが驚きの答えだと思います。
そして体重60Kgの人が体脂肪1kg落とすには、
“約120km”近く走らないといけません。
各種計算の詳細は以下の通り。
- 体脂肪1Kg落とすための消費カロリー:7200Kcal
- ランニングの消費カロリー(Kcal)=体重(Kg)×距離(Km)
- 60Kgの人のフルマラソンの消費カロリー=60×42=2520(Kcal)
- 落ちる体脂肪(Kg)=2520÷7200=0.35(Kg)
- 60Kgの人がランニングで1Kg落とす:7200÷60=120(Km)
ランニングはダイエットに不向き?
「・・・つまり、ランニングはダイエットに向いていないということ?」
こういう考えに至るかもしれませんが、
もちろん違います。
これでもランニングは運動の中でもトップクラスのダイエット効率を誇ります。
詳細はこちら。
多くの人は“体脂肪1Kg”を軽く考えがちなんです。
ランニングに限らず、
水分を落とすだけならKg単位の減量は簡単に実現できますが、
体脂肪はどんな方法を用いても時間がかかるものです。
糖質制限ダイエットなど、
食事制限で短期間に体重が落ちる例をよく見るかもしれませんが、
この場合もただ単に体内の水分量が大幅に減っているだけに過ぎません。
糖質などの栄養素の摂取が減れば体内で貯蓄される水分量が減るため、
脂肪が減らなくても体重はみるみるうちに落ちていきます。
脂肪吸引などの医学的行為を除いて、
体脂肪を1Kg落とすにはいかなる時も7200Kcal程消費する必要があるのです。
また体脂肪1Kgは体積に換算すると1.1L程にもなるので、
これだけでも見た目に変化が出てくるものです。
1L牛乳パックよりも大きい体積分の脂肪が体内から取り出されるわけですからね。
それに何も1日で1kg落とすわけじゃないですよね?
「ランニングのみで、1ヶ月の間に1kg体重を落とす」
という目標で考えてみましょう。
すると、1Kg痩せるのに必要な120Km走るためには、
“1日4km”走るだけで達成できます。
人がゆっくり走るペースは“時速8km”が平均的なので、
1日4Kmというのは“1日約30分”のランニングにあたります。
ペースが速い人は20分程で終えられるでしょう。
これだけで、
食事制限無しに1か月で1Kg(1.1L)の体脂肪を落とすことができるのです。
当然、倍の1時間走るとすると、
1ヶ月で“約2kg”落とすことができます。
それだけではありません。
後述しますが、ランニングは食欲を抑制する効果もあり、
単なる消費カロリー以上の効果があるので、
この数字以上のダイエット効果が見込めるのです。
ランニングで落ちる体重を計算しよう!
目安を簡単に知ってもらうために、計算機を作ってみました。
現在の体重と走行距離を入力して下さい。
カロリー消費以外のダイエット効果
さて、ランニングのカロリー消費量を見て、
どれだけダイエット効果があるのかを見てきましたが、
ランニングには、カロリー消費以外の効果があります。
【カロリー以外のダイエット効果1】
便秘解消
運動を習慣化することで便秘が改善されることが分かっています。
有酸素運動をすると血流が良くなり、腸の蠕動運動を活性化したり、
ストレスが緩和され副交感神経を優位(リラックス状態)になることで、
便を促すことで出来るのです。
運動の習慣がある人は、そうでない人と比べ、
便の大腸通過時間が半分であるというデータもあります。
便秘が解消されても脂肪が減るわけでもないので、ダイエット効果とは言いがたいですが、
一時的には体重の減少につながります。
【カロリー以外のダイエット効果2】
むくみ解消
ランニングはむくみを解消するのにとても効果的です。
そもそも“むくみ”の原因は体を動かさないことで筋ポンプ作用が働かないことや、
筋力の衰えにより筋ポンプ作用自体が弱まることで、
血液やリンパの流れが滞るのことが挙げられます。
そのためランニングにる足の伸縮運動により、
血流やリンパの流れを促す効果や、筋肉の増強が期待でき、むくみ解消につながるのです。
ちなみに、むくみの詳細についてはこちらをご覧下さい。
【カロリー以外のダイエット効果3】
空腹の抑制
ランニングは、空腹を抑えるのにも効果的です。
有酸素運動を行うと、
食欲を刺激するホルモンが抑制されたり、食欲を減退させるホルモンが増加したりするのです。
小腹が空いた時にランニングを行ったり、
食事前にランニングを行うことで摂取カロリーを抑えることができます。
特に3時のおやつや食後のデザートなど間食の習慣がある人は、
ランニングを取り入れてこれをなくすことで、消費カロリーを増やすと同時に無駄な摂取カロリーを抑えることができるのでオススメです。
健康面の効果
ダイエット面に目が行きがちですが、
ランニングなどの運動を継続することは、心身ともに健康面で多くのメリットがあります。
【健康面の効果1】
ストレス解消
ランニング後に、
「充実してるな~」
と感じることはしばしばあると思います。
この時ストレスが解消されているのが実感でき、
ランニングの疲れすら心地よく感じるのです。
さらに、運動不足やストレスが原因となる『生活習慣病』の予防に、
大きな効果をもたらしてくれます。
ランニングなどのリズム運動をすると、
“セロトニン”という情報伝達物質が活性化されます。
このセロトニンは、私達の思考をプラス思考にしてくれたり、
イライラしたり不安定な気持ちを解消して精神を安定させる効果があるのです。
【健康面の効果2】
仕事・勉学の能率UP
ストレス解消の影響もありますが、
走ったあとは、学業・仕事などに対しやる気が増して、
集中力がアップします。
とある実験で、会社の社員に運動を義務付けた時、
仕事の能率がアップしたというデータもあります。
勉強や出勤の前にランニングをするというのも、
能率を上げるのに効果的です。
【健康面の効果3】
心肺機能向上
有酸素運動は心肺を使うので、
心肺機能がアップします。
それにより、
体が疲れにくくなったり、体が軽く感じたりして、
日々の生活が快適に送れます。
ランニングを始めた人は、
特に階段の登り降りが楽になったと感じる人が多いので、
この効果は特に実感しやすいでしょう。
心肺機能がアップすると階段を使ったり歩いたりするのに抵抗がなくなるため、
自然と運動量が増え、消費カロリーが増える。
こんな好循環も期待できます。
【健康面の効果4】
睡眠不足の改善
眠れない時にランニングをすると、
眠りにつきやすくなります。
長時間のランニングでなくても、
数十分のランニングでも効果が見込めるでしょう。
美容面の効果
そして、ダイエット以外に関する美容効果もあります。
代表的な美容効果として挙げられるのが“デトックス効果”です。
有酸素運動で汗をかくことで、
体内の毒素を排出することができます。
それにより、むくみ解消や美肌などの効果につながります。
あとがき
ランニングに限らず運動で大事なのは“継続”です。
色んなランニングの効果を見てきましたが、
それぞれ、一日で効果が得られるものではありません。
フルマラソンの例でわかったかと思いますが、
1日走るだけでは効果はたかがしれています。
しかし、どんなに“考えられない”ような距離(120キロ)でも、
1ヶ月で考えると、1日4キロ走れば達成できる距離なんです。
ただ、継続“できる”か、それとも“できないか”の違いなんです。
ちなみに、実際に私がランニングで10Kg痩せた時のポイントについてもまとめています。
ぜひこちらもご覧ください。