今回、フラフープのダイエット効果について見ていきます。
なんでも、「フラフープがランニングと同じくらいカロリーを消費する」「フラフープはお腹周りの贅肉が取れるので簡単にくびれができる」なんて言われたりしています。
まあそんなはずないのですが、このような間違った情報が悪質なコピペサイトによって多く広まっているみたいなので、これを正すために正確な情報を調べてまとめました。
目次
1.フラフープの消費カロリー
フラフープのダイエット効果を知るためには、
まずはカロリーを把握する必要があります。
運動のダイエット効果を知る場合の基本ですね。
しかし、フラフープのカロリーについてとんでもないデマが拡散されているので注意しましょう。
1.1フラフープがランニングと同等の消費カロリーって本当?
『フラフープ カロリー』や『フラフープ ダイエット』なんかで調べたら、
ほとんどのサイトで「フラフープは10分間で100Kcal」とまるでコピペのように(笑)書かれています。
これらは全て別のサイトなんですが、
30分で300Kcalとか、1時間で600Kcalとかではなく、
丁寧にどれも「10分で100Kcal」という表現です。
うーん、ネットのダイエットサイトの闇が見えてきますね…。
運動のカロリーについて詳しくなければ「ふーん」とスルーしてしまいそうですが、
これは体重50Kgの人が2Kmのランニングをするのと同等の消費カロリーなわけです。
詳細:ランニング・ジョギングの消費カロリー計算と走行距離の測定
しかも10分で2Km走るとなると結構なきついペースです。
全身運動かつ負荷の大きい有酸素運動であるランニングが、
フラフープのような局所的な運動と同等の消費カロリーなのか考えてみて下さい。
もちろんそんなはずがありません。
恐らく、10分で100Kcalと書いているサイトは、
運動やダイエットの知識がない人が誤った情報をコピペしてしまったのだと思います。
10分100Kcalというのにはきちんとしたソースがあるわけでもないですし、
どのサイトも信頼できる人が書いたものではないようですからね。
1.2.フラフープの本当の消費カロリーはどのくらい?
では実際のフラフープの消費カロリーはどのくらいなのか調べていたら、
信頼できるソースを発見しました。
心拍数151のかなりハードな運動を行うと、
消費カロリーは「30分で210Kcal」になるのだそうです。
詳細:Hula-Hoop Might Help Shed Unwanted Pounds
英語で書かれていますが、米ウィスコンシン大学の研究のデータなので、
ソース不明のデータよりは信憑性があると思います。
30分で210Kcalなので、10分で70Kcalですね。
ただ、心拍数151なので、
めちゃくちゃハードで、息をハァハァ切らすくらいの運動です。
ゆったりと行うならもっとカロリーは低くなります。
1.3.フラフープのカロリーのメッツ計算
運動のカロリーを調べる際に目安になるのが、
運動の強さを示す単位メッツです。
メッツとは、静止時に比べてどれくらいカロリーを消費するかの指標になり、
消費カロリーは以下のように算出されます。
先程の米ウィスコンシン大学のデータには信憑性は劣りますが、
フラフープは4メッツでウォーキングと同等程度だと言われています。
たとえば、体重50Kgの人が30分フラフープを行うと、
消費カロリーは105Kcalです。
1.05×50(kg)×0.5(h)×4=105(Kcal)
その他、体重と時間ごとの消費カロリーについては以下のとおりです。
■体重・時間ごとのフラフープの消費カロリー
- 体重50Kg(10分):35Kcal
- 体重50Kg(30分):105Kcal
- 体重50Kg(60分):210Kcal
- 体重60Kg(10分):42Kcal
- 体重60Kg(30分):126Kcal
- 体重60Kg(60分):252Kcal
- 体重70Kg(10分):49Kcal
- 体重70Kg(30分):147Kcal
- 体重70Kg(60分):294Kcal
また、このメッツ法を利用したフラフープの消費カロリーの計算機を作りました。
2.フラフープはダイエットに効果的と言えるか?
さて、フラフープ10分で100Kcalが本当だったならこれ以上効率的な運動はなかったのですが、
実際にはデマでした。
結局フラフープはダイエットに向いていないということでしょうか?
2.1.フラフープのダイエット効率は極めて低い
フラフープは室内でテレビを見ながらできますし、
これを趣味に出来れば楽に消費カロリーを増やせるので、
人によっては効果的なダイエットと言えるでしょう。
しかし、個人的にはそんな人はごく一部で、
正直フラフープダイエットはおすすめできません。
フラフープは消費カロリーが低いというのもありますが、
局所的な運動で腰に負荷を集中させるため、“長時間続けるのが困難”というの大きなデメリットもあるのです。
有酸素運動でカロリーを多く消費するには、
“単位時間あたりのカロリー”以外にも、“長時間継続できるか”というのもポイントになりますからね。
その点、1時間以上でも問題なく続けられるランニングはダイエット効果抜群ですし、
逆に縄跳びなんかは一見消費カロリーが高いのですが、長時間続けるのが困難なのでダイエットに向いていません。
フラフープの場合は消費カロリーと継続性、
どちらも他の有酸素運動に大きく劣るのでダイエット効率は極めて低いのです。
普通の人はフラフープで痩せるのはとても困難と言えます。
しかし、ダイエットの運動は効率が全てではないので、
人によってはフラフープでダイエットを成功する人もいるでしょう。
では次にどんな人がフラフープでダイエットに成功するのか説明していきます。
2.2.フラフープでダイエットに成功するのはこんな人
あらためてフラフープダイエットのメリットとデメリットをまとめると、
以下のようになります。
■フラフープダイエットのメリット
- 室内で人目を気にせず行える
- テレビを見ながら行える
- お金があまりかからない(フラフープ代1000円程度)
- 人によっては楽しく行えて続けやすい
■フラフープダイエットのデメリット
- 消費カロリーが低い
- 長時間続けるのが困難
- 腰の負担が大きい
効率は悪いですし、腰痛持ちにはきつい運動ですが、
それ以上にこれらのメリットがプラスになる人もいるでしょう。
たとえば、フラフープにはまって毎日の楽しみになり、
空いた時間に欠かさず行ったり、テレビを見ながら行ったりするのを続けることができれば痩せることができるでしょう。
効率が悪いと入っても、ウォーキング程度のカロリーは消費するので、
長時間続けられなくてもこまめに行えばそれなりに痩せます。
フラフープが趣味になれば続けるのが苦ではないので、
自然と1日の消費カロリーは増えるのです。
長時間行っても数百Kcal程度にしかなりませんが、
楽にそれだけのカロリーを消費できると考えればとても大きいです。
ただ、よっぽどフラフープが好きにならない限り、
それだけの時間フラフープを淡々と回し続けるのは辛いと思いますけどね…。
飽きずに何ヶ月も毎日フラフープが続けられるかを考え、
可能だと思えばフラフープダイエットに取り組むのもいいと思います。
あとがき
以上、フラフープの消費カロリーやダイエット効果についてでした。
まとめると、以下のとおりです。
- フラフープの消費カロリーはウォーキングと同じくらい
- フラフープは局所的な運動なので継続が困難でダイエット効率は悪い
- 毎日空いた時間を見つけてはフラフープを進んでするくらい好きになれば、自然と痩せることができる
趣味とよべるくらいフラフープが好きにならない限り、
フラフープで痩せるのは困難なのでおすすめできません。
ちなみに運動ごとのダイエット効率について詳しくまとめているので、
是非こちらもご覧ください。
さて、ネットでダイエットについてよく調べたりする人はわかると思いますが、
ネット上の情報はいい加減なものばかりです。
スクワットがダイエットに効果的と言われたり、
酵素ドリンクがダイエットに効果的と言われた、
有酸素運動は20分以上やらないと意味がないと言われたり…。
今回の「フラフープ10分で100Kcal」も酷いものでした。
アクセスを集めるために何でもダイエットに結びつけ、
適当なことを発信している悪質なサイトは数多くあるので、
きちんと正しい情報を吟味してダイエットに取り組みましょう。