食事法

糖質制限ダイエットの安全で効果的な方法|成功の鍵は2つのルールを守るだけ

糖質制限ダイエットといえば、ダイエットの中でも知らない人がいないくらい有名ですし、昔から愛好している人は多いダイエットです。

しかし、糖質制限のやり方も人によって様々ですし、安全性やその効果も専門家によって意見が分かれます。

そこで今回、安全かつ効果的な糖質制限ダイエットの方法について詳しく説明していくので、是非参考にして下さい。

1.糖質制限ダイエットの概要

糖質制限ダイエットは、その名前の通り、
糖質を制限する(減らす)ダイエット法のことです。

“炭水化物ダイエット”などとも言われていますね。

中には糖質をほとんど摂らない(一切摂らない)というダイエットを指す場合もありますが、
そのようなダイエットは健康や美容、日常生活に大きな支障をきたします。
(詳しくは後述します)

なので、この記事で紹介する糖質制限ダイエットは、
糖質をある程度減らすだけというゆるい制限ダイエットです。

具体的に糖質の中身を説明すると、
“ご飯”や“パン”、“麺類”などの主食や、“お菓子”や“ジュース”など糖分の含まれる嗜好食品などです。

では何故これらを制限すると痩せるのか、
その理由について見ていきましょう。

■補足~糖質と炭水化物の違い~

栄養学的には、糖質と炭水化物は異なります。

糖質+食物繊維=炭水化物

炭水化物は、糖質の別称と思っている人も多いかと思いますが、
正確には炭水化物は糖質と食物繊維合わせた総称なのです。

ただ、糖質制限ダイエットと炭水化物ダイエットは、
食物繊維の有無で使い分けているというわけではないので、同じものと捉えても構いません。

いずれにしても食物繊維は制限せず、
積極的に摂るべきというのは変わりませんからね。

2.何故糖質制限ダイエットが痩せるのか?

糖質制限で痩せる理由は色々複雑な説が説かれていますが、
一番の理由は、“現代の食生活のカロリー源の多くが糖質だから”です。

ダイエットの基本ですが、
私たちの体重の増減は『摂取カロリー』と『消費カロリー』の収支で決まります。

そして摂取カロリーの元となるのは、主に以下の3種類。

  • 糖質:4Kcal/g
  • たんぱく質:4Kcal/g
  • 脂質:9Kcal/g

これらのうち、私たちは糖質を多く摂っており、
その量は1日の摂取カロリーの60%を占めます。

また、摂取カロリーが多い人には、
脂質やたんぱく質よりも糖質を過剰摂取している傾向もあります。

そのため、摂取カロリーを減らすには、
普段の食事の中から糖質を減らすのが合理的なのです。

以上が糖質制限ダイエットが痩せる原理です。

実際には他にも糖質制限ダイエットにおいて様々な議論がなされています。

“血糖値”や“インスリン”を引き合いに出し、
「糖質は特別に脂肪になりやすいため糖質は制限すべき」という説。

「糖質さえ取らなければ、どんなに高カロリーのものを食べても太らない」という説。

糖質以外の物質からエネルギーを生み出す“糖新生”という現象を引き合いに出し、
「糖質が不足すると糖新生が起こり基礎代謝が上がる」という説。

もしかしたらこれらについて聞いたことがあるかもしれませんが、
複雑な説の割に明確な根拠やデータがあるわけではないので気にしないでください。

脂質やたんぱく質だって摂りすぎれば脂肪になりますし、
その量によっては糖質を制限しても太ることだってありますからね。

カロリー源が炭水化物であっても、たんぱく質や脂質であっても、
カロリーの収支が変わらなければ体重の増減は変わらないという検証結果が多く存在します。

要は、糖質制限ダイエットというのは、
糖質を制限することに特別な意味があるわけではなく、
摂取カロリーを抑える手段の一つというだけです。

この点を履き違えると、
「糖質の量にさえ気をつければ、他の食事は気にする必要はない」
「糖質を一切取らないのが理想的」
というような間違った思考に陥ってしまうので、まずはしっかり抑えておきましょう。

3.糖質制限ダイエットの方法

次に糖質制限ダイエットの具体的な方法の説明をしていきます。

糖質は通常の食事ではカロリーの60%を占めますが、
この割合を40~50%にするのが理想的です。

ただ、これをきちんと計測するのは困難ですし、
結局は糖質よりも摂取カロリーを減らすのが目的なので徹底する必要はありません。

具体的な方法として、以下の2つを行って下さい。

  1. 朝、昼、晩の3食において、それぞれの主食を減らす(2/3程度まで)
  2. 間食のお菓子や食後のデザートの習慣を直す

3.1.朝、昼、晩の3食において、それぞれの主食を減らす(2/3程度まで)

糖質は筋肉や肝臓で貯蓄することができますが、
その貯蔵量は少なく、これが尽きると筋肉を分解したり様々な問題が起こります。

なので、定期的に糖質を取る必要があり、
そのために3食それぞれで糖質はある程度摂取する必要があるのです。

逆に過剰摂取分は中性脂肪として貯めてしまうので、
摂りすぎにも注意が必要です。

これらを考慮して、
現在の食事の主食をそれぞれ少しずつ減らすのがベストな方法と言えるでしょう。

おかずを減らさないので、
糖質以外の栄養素を極力減らさないのも狙いの一つです。

糖質制限ダイエットの中には、
主食以外の糖質食品を食事で制限するのを推奨されることもあります。

例えば、いも類やかぼちゃなどの野菜、そして果物全般ですね。

これらは糖質以外の重要かつ不足しがちな栄養素を含んでいる場合が多いので、
制限するべきではありません。

ただ、主食が減った分おかずが増えてしまったら意味が無いので、
その点は気をつける必要があります。

また、食事量を大きく減らさないのには、
緩やかな体重減少でリバウンドを防ぐことも考えているからです。

身体に大きな変化があった時、それを元に戻そうとする機能、
恒常性(ホメオスタシス)というものが人間に備わっており、
それがリバウンドの大きな要因となっています。

これを防ぐには、食事のカロリーを大きく減らしてはいけないのです。

詳しくはこちらをご覧ください。
リバウンドしない痩せ方|ダイエットにおける停滞期の原因と対策

3.2.間食のお菓子や食後のデザートの習慣を直す

過剰な糖質の原因は主食の他に、
“3時のおやつ”“食後のデザート”などが挙げられます。

これらは糖質に加え、脂質も多量に含まれている場合が多く、
簡単に300Kcalを超えます。

場合によっては3食の食事量を変えなくても、
間食、デザートの習慣をなくすだけで体重がみるみる減っていく人も珍しくありません。

なので、もし現在毎日お菓子やデザートを食べる習慣がある人は、
これをなくすのを一番に行いましょう。

こういう甘いものは、
栄養としては不要なものが多く健康に悪影響をおよぼすこともありますからね。

でも、甘いものを食べないとストレスが溜まって、ダイエットの挫折やリバウンドの原因になるのでは…

という人もいるでしょう。

しかし、これに関しては甘えでしかありません。

生活習慣を変えるのには少なからずストレスが生じるものですし、
間食をしない習慣がつくと、間食をしないのが当たり前のことになります。

どうしても食べたい場合は、
「運動した日だけ食べる」
「週に一回だけ食べる」
などの制限を加えましょう。

4.糖質制限ダイエットの間違った方法

続いて、よくある糖質制限ダイエットの間違った方法をご紹介します。

  1. 糖質を一切取らない(制限しすぎる)
  2. 制限する食品を決める

4.1.糖質を一切取らない(制限しすぎる)

糖質(というか炭水化物)は、たんぱく質、脂質とともに、
三大栄養素として重要な栄養素とみなされています。

それは、私達が健康に生活をおくる上で、
これらの栄養素が重要な役割を担っているからです。

なので、糖質の量を極端に制限したり、ましては一切摂らないということがあれば、
健康な生活に多くの支障をきたすことになりますし、様々なデメリットがあります。

代表的な症状やリスクとしては以下のとおりです。

  • 集中力の低下、無気力
  • 倦怠感
  • 筋肉の減少
  • 便秘
  • 頭痛
  • 肌荒れ
  • 代謝の低下
  • 口臭・体臭
  • リバウンド

特に、糖質は脳の唯一のエネルギー源なので、
頭が働かず集中力が低下したり無気力になり、仕事や学業において多大な影響を及ぼします。

※実際にはケトン体という物質も、脳のエネルギーとして一部代替可能ですが、完全に代替することはできない

短期的な影響で言えばこのように日常生活の支障が顕著ですが、
長期的に行えば健康や美容への悪影響もありますし、
リバウンドのリスクも無視できませんね。

また、長期的に糖質を制限しすぎると、
死亡のリスクが上がるというデータもあるのです。

糖質を極端に制限するとすぐに体重は落ちますが、
脂肪が効率的に落ちるわけではないですし、多大な悪影響が潜んでいるというのを抑えておきましょう。

■補足~極端な糖質制限で体重がすぐに落ちる理由~

糖質をほとんど摂らなくなったら1週間で5Kgも痩せました

このように極端な糖質制限で短期的なダイエットに成功する人は珍しくありません。

こういうのを目にすると、
「短期的に痩せるには糖質をほとんど取らないほうが良い」と思う人もいるでしょう。

しかし、この短期的な体重減少にはとある落とし穴があるのです…。

その減少した体重は“脂肪”が落ちた分だと思いますか?

実は、糖質制限で体重がすんなり落ちた場合、
その多くが“水分”が落ちただけなんです。

通常、糖質を摂取するとその3倍~4倍の水分が体内に貯蔵されます。

しかし糖質制限ダイエットで糖質を急に制限すると、
水分を新たに貯蔵する量よりも排出する量の方が大幅に大きくなるため、
体内の水分量は減少し、それが体重に表れるのです。

他にも、脂肪よりも筋肉の方が落ちやすくなるというのもありますね。

そして、糖質を制限して代謝が悪くなっているので、
食事を戻して水分量が戻った時、元の体重よりも重くなる場合が多いのです。

4.2.食べてはいけない食品・食材を決める

糖質制限ダイエット中に〇〇は食べても大丈夫ですか?

このような質問をよく受けますが、
「主食の量を減らして間食やデザートをやめる」というルール以外は
食生活を変える必要はありません。

糖質を含む野菜や、果物全般を食べてはいけないとする人もいますが、
これらは糖質以外の重要な栄養素が豊富に含まれている場合が多いですからね。

カロリーを抑えるのが目的であり、糖質の摂取量を抑えるのが目的ではないので、
主食以外の糖質食品にそこまで敏感になる必要はありません。

あとがき

以上、糖質制限ダイエットの安全かつ効果的な方法をご紹介しました。

糖質制限の分野は専門家の中でも意見が分かれますし、
色んな複雑な議論がなされるので何が正しいのか判断に困るかもしれません。

しかし、結局は糖質の量ではなく、カロリーの収支が体重、脂肪の増減を決定する
と考えるのが有力なので、難しく考える必要はありません。

頭に入れておくべきことは、これだけです。
『重要なのは糖質の有無ではなく、カロリーの収支であり、糖質制限はカロリーを減らす手段の一つである』

これを基本として、
主食を減らして間食をなくすという食生活が習慣化すれば、
体重も自然と減っていくでしょう。

ちなみに、体重だけでなく体脂肪率を減らすのを目標とする場合、
食事以外にも色々と気を使う必要があります。

このことについても詳しくまとめているのでぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール
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元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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