筋トレ基礎知識

体脂肪率を落とす理想的な方法|食事制限・有酸素運動・筋トレの役割とバランス

体脂肪率を落とす理想的な方法|食事制限・有酸素運動・筋トレの役割とバランス

ダイエットをして理想の体型を手に入れるためには体重ではなく体脂肪率を落とす必要があります。

体重が落ちても脂肪ではなく筋肉が落ちれば体がたるんでしまい見栄えは良くなりませんからね。

そして、体脂肪率を減らすために食事制限、有酸素運動、筋トレの役割を理解し、適切に取り組むのが重要になのです。

1.体脂肪率を落とす3つの方法

体脂肪率を落とすには、主に3つの方法があります。

  • 食事制限をする
  • 有酸素運動をする
  • 筋トレ(無酸素運動)をする

しかしこれらがそれぞれ、どれくらい体脂肪率に影響を及ぼすのか
ひいてはどれをどのように取り入れるのが効率的かというのを知っている人はあまりいません。

どれか一つだけを行えばいいというわけではないですからね。

食事制限ばかりしていると脂肪よりも筋肉が落ちやすいですし、
有酸素運動だけだと健康的ですが効率が悪く、
筋トレだけだと脂肪が減ることはありません。

なのでまずは脂肪や筋肉が体脂肪率にどう影響するのか、
そして、食事制限や運動、筋トレそれぞれの役割について学びましょう。

2.そもそも体脂肪率とは

体脂肪率とは、
全体重にのうち、脂肪が占める重量のこと。

つまり以下のように計算されます。

体脂肪率(%) = 体脂肪(Kg) ÷ 体重(Kg) × 100

体脂肪率を減らすには、
理論的には以下のように2種類の方針があるわけです。

  1. 体脂肪を減らす
  2. 筋肉等で体重を増やす

ちなみに男性、女性の体脂肪率の目安は以下のとおりです。

男性の体脂肪率の目安

男性の年齢ごとの平均体脂肪率を記した表

女性の体脂肪率の目安

女性の年齢ごとの平均体脂肪率を記した表

体脂肪率ごとの体型の目安はこちら。

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3.「脂肪を減らす」のと「筋肉を増やす」のはどちらが良いか?

例えば、体重70Kg、体脂肪率20%の男性が、
体脂肪率15%にするのを考えてみましょう。

この人が脂肪を減らして体脂肪率を5%落とすのと、
筋肉を増やして体脂肪率を5%落とす場合です。

脂肪と除脂肪体重(体重から脂肪の重量を引いた値)はそれぞれ以下のとおりです。

■体重70Kg、体脂肪率20%

  • 脂肪:14Kg
  • 除脂肪体重:56Kg

この人が脂肪だけを減らして体脂肪率15%にするためには、
最低限減らすべき脂肪の量は約4Kgです。

体重66Kg、体脂肪率15%

  • 脂肪:10Kg(-4Kg)
  • 除脂肪体重:56Kg

※どんなに筋トレをしても体重減少の際に筋肉の減少は防げないのですが、それを考慮すると複雑になってしまうので省略

では逆に筋肉など除脂肪体重を増やして体脂肪率15%にするには、
どれくらいの増やさないといけないのでしょうか。

脂肪が14Kgで体脂肪率15%にするには、
体重は93Kgないといけません。

筋肉の目安は除脂肪体重の半分なので、
この場合は筋肉を10Kg以上増やさないといけないのです。

つまり以下通りです。

体重93Kg、体脂肪率15%

  • 脂肪:14Kg
  • 除脂肪体重:79Kg(+23Kg)

※先程と同様に体重増加の際に脂肪の増加は防げないのですが、それを考慮すると複雑になってしまうので省略

体脂肪率を同じように5%落とすのでも、
脂肪の場合は数Kg落とせばいいのに対し、除脂肪体重の場合は20Kgも増やさないといけません。

脂肪を減らすor筋肉を増やして体脂肪率5%落とす

なので、
“体脂肪率を落とすためには、脂肪を落とすのが基本である”
というのが分かってもらえたかと思います。

念のために体重60Kg、体脂肪率30%の女性の場合を見てみましょう。

■体重60Kg、体脂肪率30%

  • 脂肪:18Kg
  • 除脂肪体重:42Kg

この人が体脂肪率を25%にするには、
脂肪を減らす場合は4Kg減らせばいいのに対し、
除脂肪量を増やす場合は10Kg以上増やさないといけないのです。

脂肪を減らすor筋肉を増やして体脂肪率5%落とす

ちなみに簡単な計算機を作りました。

目標の体脂肪率のために落とすべき体脂肪量

現在の体重 Kg

現在の体脂肪率

目標の体脂肪率


現在の体脂肪: Kg

除脂肪体重: Kg

落とすべき体脂肪量: Kg

目標体重: Kg

4.食事制限と有酸素運動が基本

続いて少し具体的な方法について話していきましょう。

結局、体脂肪率を減らすのには脂肪を減らすのが合理的だと分かってもらえたと思います。

では具体的にどうすれば良いのかというと、
“食事制限”“有酸素運動”でカロリー管理をするのが基本です。

筋トレはカロリーをほぼ消費しませんし、
脂肪を減らす事自体はほとんどできないですからね。

筋肉を維持するために筋トレは重要ではあるのですが、
そのことについて詳しくは後述します。

さて、ダイエットに知識がある人ならわかると思いますが、
体脂肪1Kgは7200Kcalで落とすことができます。

つまり脂肪を減らすためには、
食事制限で摂取カロリーを減らすか、有酸素運動で消費カロリーを増やす必要があるのです。

どちらが楽なのかというと人それぞれの生活習慣や性格にもよりますが、
食事制限のほうが一般的には楽です。

4.1.食事制限が楽な理由

例えば、夕食のデザートや3時のお菓子を食べる人も多いと思いますが、
甘いスイーツなどは軽く300Kcal~400Kcalにも達します。

この分のカロリーを有酸素運動で消費しようとすると、
最も効率の良いジョギングでも40分~1時間はかかってしまうのです。

それなら運動をするよりもスイーツなど間食を制限するほうが楽ですよね。

このように、基本的に、消費カロリーを増やすよりも摂取カロリーを減らすほうが楽なので、
食事制限のほうが楽に感じる人のほうが多いと思います。

4.2.有酸素運動の重要性

しかし、食事制限をすると健康のための栄養素や
筋肉を維持するための栄養素が十分摂取できないことがあります。

普段体を動かさず消費カロリーが少ない場合は特にそうですね。

また、運動は血圧やコレステロールを抑えたりするのにも有効なので、
ダイエット以外にも健康を保つ上でも重要です。

5.筋肉を維持するために筋トレも重要

体脂肪がある程度ある人は、
脂肪を数Kg落とすだけで体脂肪率は5%は落ちます。

なので、体脂肪率を落とすには筋肉をつけるのではなく、脂肪を落とすのが基本です。

このように言うと、
体脂肪率を落とすのに筋トレが不要だと思われるかもしれませんが、
そうではりません。

筋トレはとても重要です。

何故なら筋トレをせずに体重を落とそうとすると、
脂肪だけではなく筋肉も落ちやすいからです。

いい加減なブログやメディアの情報などには、
「筋トレで筋肉をつけることで基礎代謝がアップ」なんて言いますが、
それは誤りです。

そもそも脂肪を減らしながら筋肉を増やすのなんて現実ではありえないですからね。

筋トレの役割はそこではなく、
筋肉の減少を抑えるというところにあるのです。

多くの人は「ダイエットで5Kg痩せた」と言うと、
脂肪が5Kg落ちたように勘違いしますが、そうではなく筋肉-3Kg、脂肪-2Kgだったりします。

このような筋肉の減少を出来る限り防ぎ、
筋肉-1Kg、脂肪-4Kgのようにするのがダイエットにおける筋トレの役割です。

5.1.筋トレの有無で体脂肪率の減少をシミュレート

体重60Kg、体脂肪率30%の人の場合を考えてみましょう。

  • 脂肪:18Kg
  • 除脂肪量:42Kg

この人が筋トレをせずに体重を5Kg落とす場合と、
筋トレをして体重を5Kg落とす場合の違いです。

■筋トレなしの場合

  • 脂肪:16Kg(-2Kg)
  • 除脂肪量:39Kg(-3Kg)
  • 体脂肪率:29%(-1%)

このような変化だと体脂肪率は1%しか減らないのです。

■筋トレありの場合

  • 脂肪:14Kg(-4Kg)
  • 除脂肪量:41Kg(-1Kg)
  • 体脂肪率:25.5%(-4.5%)

このように筋肉の減少を防ぐことができれば体脂肪率は5%近く減ります。

筋トレの有無による体脂肪率への影響

数値としては少し適当ですが、
イメージとしてはこのような感じです。

いかに筋肉を維持するのが大事なのか、分かってもらえたかと思います。

体重が5Kg落ちたといっても、
体脂肪率が1%しか落ちていなければ体型は見栄えの良いものにはなりません。

むしろ筋肉が減った分締まりのない体になることも珍しくないですからね。

体重ではなく、脂肪を落とすのが重要で、
そのためにも筋トレは欠かせないのです。

5.2.筋トレの方法

高強度の筋トレをすると筋肉がついて太くなると思われがちで、
そのため筋トレ自体が女性から敬遠されています。

しかし、摂取カロリーを抑えている状況では、
どんなにきつい筋トレをしても筋肉がつくことはありません。

重要なのは「筋肉が必要である」という信号を体に与えることです。
そして、そのためには10回前後をギリギリ反復できるくらいの負荷の筋トレが必要と言われています。

何十回と持ち上げることができるダンベルをシャカシャカ動かしたり、
腕立て伏せを何十回したところで、筋肉を維持するのは困難なのです。

そして、筋トレをする際は体の一部ではなく、
全身行うのが基本です。

例えばウエストを集中的に引き締めたいからと言って腹筋の筋トレをやったとしても、
腹筋は全身の筋肉のうちごく一部でしか無いので効果はあまりありません。

大事なのは体全体の筋肉に信号を送り、
全身で筋肉を維持するようなモードにすることです。

6.結論

結局、食事制限、有酸素運動、筋トレはどのように取り組めば良いのか?

重要なのは、
筋肉をできるだけ維持しながら脂肪を落とすことです。

基本的には食事制限有酸素運動で日々のカロリー管理をして、
毎日『消費カロリー>摂取カロリー』にします。

6.1.食事と有酸素運動について

より早く健康的に痩せるためにはどちらも行うべきですが、
普段からよく体を動かしたりして1日の消費カロリーが大きい人は食事制限だけでも構いません。

ただ、健康や筋肉を維持するのに必要な栄養素はきちんと摂取するのを心がけましょう。

炭水化物やビタミン、ミネラル、食物繊維はもちろんですが、
特に筋肉に重要な“たんぱく質”は意識的にとるのが大事です。

低カロリー高タンパクな栄養を摂取するためには、
ささみやコンビニのサラダチキン、プロテインなどがおすすめ。

カロリーの収支をどれくらいにすれば良いのかについては、
それぞれの目標にもよると思うので以下の記事を参照して下さい。

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どうしても摂取カロリーを減らせない場合は、
有酸素運動で消費カロリーを増やしましょう。

おすすめは普段の移動手段としてウォーキングや自転車を使うことですが、
もし時間を取って運動を行うのであれば、ランニングが一番効率的です。

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6.2.筋トレについて

そして食事制限と有酸素運動だけでは筋肉が落ちやすいので、
筋トレを行いましょう。

週2~3回くらいで部位ごとに上半身と下半身を交互に行ったり、
ローテーションを決めることで鍛えた部位に休養を与えることができます。

有酸素運動とは違い、
毎日行ったり、1回に30分、1時間と時間を取らなくていいので取り組みやすいかと思います。

負荷は前述した通り10回前後で限界を迎えるトレーニング、
これを3セット程行いましょう。

筋肉を維持するためには、しっかり限界まで筋肉を追い込むことが大事です。

ちなみに自宅で筋トレをする場合おすすめの器具をまとめたので、
是非こちらもご覧ください。

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以上、体脂肪率を落とす理想的な方法でした。

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  2. 男性・女性の平均体脂肪率と体型の目安
  3. 体脂肪率の正確な測り方&おすすめの体脂肪計
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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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