ダイエットにおいて肥満度を表す指標として、体重やBMI、ウエストなど色々なものがありますが、特に重要な指標として挙げられるのが『体脂肪率』です。
体脂肪率はどのように計算・測定されているのか、体脂肪率の男女ごとの目安はどれくらいなのか、なぜダイエットにおいて重要とされているのかなどを説明していきます。
また、体脂肪率も万能ではなく、色んな問題があるので、そのことについても触れていきます。
目次
体脂肪率の計算方法
体脂肪率とは、体の組織の重量のうち体脂肪が占める割合のこと。
なので、体脂肪の計算方法は以下のとおりです。
体重は脂肪の他に体内の水分や筋肉、骨、内蔵など、
様々な組織の重さが合計されたものです。
そのうち、肥満の要素である体脂肪がどれだけのパーセンテージを占めているかが
その人の肥満度を判断するのに使われるのです。
ただし、体脂肪の重さが分からないと体脂肪率が分からないので、
人力で体脂肪率を測定することはできません。
そこで使うのが体脂肪計です。
体脂肪計の測定方法
体脂肪計は色んな会社で様々な商品が販売されていますが、
その多くはインピーダンス方式という分析方法を採用しています。
これは体脂肪と除脂肪量(脂肪以外)の以下の性質を用いて、
体脂肪率を計測する方法です。
- 脂肪:電気抵抗が大きい(電流が流れにくい)
- 除脂肪量:電気抵抗が小さい(電流が流れやすい)
体内に微弱な電流を流して、
その電流の流れやすさから体脂肪率を計測します。
体脂肪計は機器の金属部に乗って測るタイプと両手に機器を持って測るタイプが有りますが、
どちらも機器の金属部から体内に電流を流してその抵抗を測っているのです。
この計測方法の名前は、「電気抵抗値(=インピーダンス)」からきています。
男性・女性の体脂肪率の目安
続いて、男性と女性の体脂肪率の目安について説明していきます。
体脂肪率の目安は世界的な基準が定められているわけではありませんが、
よく使われる指標として、「痩せ」「標準(-)」「標準(+)」「軽肥満」「肥満」のように、
肥満度を5つに分類するものがあります。
そしてこの中で標準(-)、標準(+)が平均的かつ健康的な体脂肪です。
今回はこの5つの指標が簡単に分かる表を作りました。
ちなみに、男性と女性では筋肉・脂肪のつきやすさが違うため、
その目安は別々に設けられています。
男性の体脂肪率の目安
女性の体脂肪率の目安
ちなみに、体脂肪率ごとの体格の目安についてはこちらをご覧ください。
BMIではなく体脂肪率が重要な理由
肥満度を把握するために使われる体脂肪率ですが、
他にも『BMI』という指標があり、それについては以前紹介しました。
BMIを用いれば自分の身長から理想体重・美容体重などを導き出すこともできます。
BMIは身長と体重という簡単な測定のみで計算できるというメリットがある一方で、
以下の問題点がありました。
- 筋肉量・体脂肪率が全く反映されない
- 老若男女の水分量の違いが反映されない
- 身長が高いほどBMIも高くなってしまう
つまり、他の人よりもBMIが高いからといって太っているとは限らないですし、
脂肪が減って見栄えが良くなったとしてもBMIが低くなったとは限らないのです。
そのため、ダイエットにおいては体重やBMIよりも体脂肪率の方が重要です。
体脂肪率の測定は単純ではないため安価な体重計では計測できませんが、
体脂肪計など体脂肪率が測れる高価な機器を購入するのにはそれなりに意味があるのです。
体脂肪率の問題点
体脂肪率の優れた点を述べてきましたが、
体脂肪率も決して万能ではありません。
その理由は、“正確な値を測定できないこと”にあります。
体脂肪率は正確に測定できない
前述しましたが、体脂肪計は電流の流れやすさを測定することで体脂肪率を導き出します。
しかし、あくまで測定しているのは体の抵抗値であり、体脂肪そのものではありません。
体脂肪計は抵抗値を測定する前に身長、体重、年齢などのデータを入力しますが、
これらのデータと抵抗値から体脂肪率を推定したものなのです。
例えば、
「身長が高く脂肪もそれなりにあるけど、筋肉が少なく体重が軽い人」
「体重が重いけど筋肉質で脂肪が少ない人」
など、標準的な体型とは異なる場合特に体脂肪計の精度が低くなってしまいます。
データ、抵抗値から体脂肪率を推定する計算式も機器によって異なります。
また、水分の量や分布に影響を受けやすいというのもインピーダンス方式の欠点です。
水分は電気を通しやすく抵抗値を弱める要因となるため、
体内の水分量が多くなると体脂肪率は低くなります。
また、日中の活動により夕方になると水分が下半身に集まりやすいため、
両足間の抵抗値を測定するタイプの機器では、朝よりも夕方・夜の方が体脂肪率は低くなってしまうのです。
健康診断などに体脂肪率が使われない理由
メタボリックシンドロームなどの健康診断において、
腹囲(ウエスト)を計測しますが、体脂肪率は使われません。
これは体脂肪率が正確に測定できないというのも理由の一つですが、
その他にも“体脂肪率と健康との間に明確な相関関係があるわけではない”ということが挙げられます。
体脂肪には生活習慣病のリスクと関係性が強い『内臓脂肪』の他に、
病気のリスクとはほとんど関係ない『皮下脂肪』が存在します。
体脂肪率は皮下脂肪の量も影響するため、
体脂肪率が高いからといって不健康とは言い切れないのです。
一方で腹囲は内臓脂肪の蓄積に比例して太くなるため、
メタボリックシンドロームの指標として使われています。
ちなみに内臓脂肪・皮下脂肪については以前詳しくまとめたので以下の記事をご覧ください。
皮下脂肪・内臓脂肪とは?正しく落とす5つの方法【食事制限&運動】
あとがき
体脂肪率の概要や優れた点、問題点について説明していきました。
ダイエットにおいて体脂肪率はBMIよりは重要な指標ですが、
測定した体脂肪率が正確でないこともありますし、機器によって大きく異なることもあります。
なので、体脂肪率を気にし過ぎる必要もありません。
日々の変化をモチベーションにしたり、大まかな指標として捉えましょう。
また、体脂肪率を測定する上で、 できるだけ誤差が生じないようにする方法や、
体脂肪率を落とす理想的な方法などについてもまとめています。
是非こちらもご覧ください。
■体脂肪率に関する記事一覧
- 体脂肪率の計算方法←今ここ
- 男性・女性の平均体脂肪率と体型の目安
- 体脂肪率の正確な測り方&おすすめの体脂肪計
- 体脂肪率を落とす理想的な方法