食事法

8時間ダイエットは痩せない!方法と効果について詳しく解説

「1日の内8時間の間は何を食べても良い」

これが“8時間ダイエット”の簡単な概要です。

アメリカで人気になったダイエット法ですが、数年前から日本でも話題になりました。

極めて単純なルールなので、いちいちカロリー計算をするのが嫌いな人でも始めやすいダイエットです。

また、従来の“食べたいものを我慢しないといけない”というダイエット法に嫌気が指した人にはとても魅力的に映るでしょう。

しかし、結論を始めに言うと、8時間ダイエットは痩せる根拠は0なので一切おすすめできません。

また、生活スタイルによっては取り組みにくい人も多いでしょうし、何より継続するのが困難なので、仮に痩せれたとしてもそれを維持することはできないでしょう。

では、8時間ダイエットの詳細な説明をしていきます。

8時間ダイエットの方法

8時間ダイエットの方法は、至って簡単。

1日のうち『午前9時~午後5時』もしくは『午前11時~午後7時』
この8時間だけ何を食べても良くて、それ以外の時間は一切食事を取らないというダイエットです。

当然ですが水分・飲み物は摂取してもOK。
ただし、カロリーが含まれない水やお茶、ゼロカロリー飲料というのが条件です。

この食事法で本当に痩せるのか、疑問に感じている人は多いでしょう。

8時間ダイエットを推奨する人は、痩せる理論として以下の2点を挙げています。

8時間ダイエットの理論
  • 食事の間隔を開けることで脂肪になりにくくする
  • 脂肪になりやすい夜食を控える

しかし最初に言った通り、
8時間ダイエットのこれらの理論は極めていい加減です。

次はそのことについて解説していきます。

8時間ダイエットの効果について

8時間ダイエットの理論の肝は“食事の間隔”“夜食を避けること”です。
これらにより脂肪がつくのを防げるとのこと。

しかし、食事の間隔と脂肪のなりやすさに相関関係はありませんし、
夜食が特別脂肪になりやすいということもありません。

食事の間隔はダイエットに関係ない

ダイエットにおいて最も重要なのは摂取カロリーと消費カロリーの収支です。

摂取カロリーが多ければ余ったエネルギーを脂肪として蓄え、
消費カロリーが多ければ足りないエネルギーを脂肪を分解して補う。

これはエネルギー保存則という絶対的な法則がある限り、いかなる時も不変です。

理論としても明らかですし、
実際に様々な実験でこれが実証されています。

では、食事間隔をあけることでカロリーの収支が変化するでしょうか?

答えはNOです。

食事間隔があくことで栄養の吸収率は多少変わるかも知れませんが、
たかだか数時間でダイエットに影響を及ぼすほど変化するのは絶対にありえません。

少なくとも同じものを食べた時に摂取カロリーが減ることは100%ありえないというのは分かるかと思います。

また、消費カロリーについても同様です。

食事間隔が大幅に開いて飢餓状態になると消費カロリーを節約しようとすることはありますが、
逆に消費カロリーが増えることはないでしょう。

「食事の間隔」を調整するダイエット法は他にも色々とありますが、
いずれもインチキダイエットです。

  • 1日1食ダイエット
  • 1日5食ダイエット
  • 夕食抜きダイエット
  • 朝食抜きダイエット

などなど。

結局はカロリー収支をマイナスにできれば痩せるという話です。

ちなみに、食事回数がダイエットに影響を及ぼさないということはこちらの記事に詳しくまとめています。

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「夜食が太る」も嘘

一般的に夜食は脂肪になりやすいと思われがちですが、
これも間違いです。

同じカロリーの食べ物を食べた場合、
太りやすさは時間帯に関係しないということは分かっています。

このことはこちらに詳しくまとめています。

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いつ食事をしようが、カロリーの収支がプラスになるなら太りますし、
カロリーの収支がマイナスになるなら痩せます。

ただ、夜食はカロリーの高いものを食べる人が多いので、
それを控えるという意味ではこのダイエット法は有効かもしれません。

しかし、「8時間」というのに何の意味もありません。

信ぴょう性を持たせるためによくわからない理論を持ってきていますが、
ダイエットは基本カロリーで完結するくらい単純なものなので、そういった理論はまず疑ってかかるのが吉です。

では次に、8時間ダイエットのメリット・デメリットについてまとめてみます。

8時間ダイエットのメリット

8時間ダイエットは一切おすすめしませんが、
あえてこのダイエット法の良いところを挙げるなら以下の3点。

  • 極めて単純
  • 夜に食べすぎてしまう人には効果的
  • 睡眠の質の向上に繋がるかも

カロリー計算の必要もなく、食品の制限もないので、
複雑なダイエット法が嫌という人にとっては取り組みやすいでしょう。

そして、最も摂取カロリーが多くなるのは夕食なので、
これを控えればカロリーが大幅に減るという人もいるのではないでしょうか。

また、食後すぐの睡眠はよくないと言われることがありますが、
これは消化にエネルギーを使うため睡眠の質が落ちるというのが理由です。

1日の最後の食事を就寝時間と離すことで睡眠の質の向上が見込めます。

ただ、空腹のため寝付きが悪いと言うケースも考えられるため、
一概にメリットになるとは言い切れません。

8時間ダイエットの“デメリット”

続いて8時間ダイエットのデメリットについては以下の4つが挙げられます。

  • 1品あたりの量が増え、栄養のバランスが偏りがち
  • 空腹に耐えないといけない
  • これを実践できる生活習慣の人は限られる
  • 結局カロリー収支がマイナスにならないと意味がない

このようにデメリットはたくさんあります。

健康に悪いですし、結構辛いでしょう。

そして何より、このダイエットで確実に痩せるという確証はありません。

結局はカロリーの収支にかかっているので、
確実に痩せるにはカロリーをおおまかでいいので把握する必要があります。

あとがき

以上、8時間ダイエットの方法と効果についてでした。

個人的に思うのは、8時間ダイエットで痩せることができる人なら、
もっと楽なダイエットはあるでしょう。

何はともあれ、まずはダイエットについて基本的な知識を身につけるのが先決です。

成功するために最低限知っておくべき知識についてまとめているので、
ぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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