豚肉は鶏肉と比べたら全般的に脂質が多く高カロリーなので、太りやすいと思われがちです。
しかし、実は部位によってそれは大きな差があり、中には“ささみ”並に低カロリー・高タンパクでダイエットに活用できる部位もあります。
今回は豚肉と豚の内臓(ハツ・レバー・タン・ホルモン等)のカロリーや栄養について詳しく解説していきます。
豚肉・内蔵のカロリー一覧
さっそくですが、
豚肉・内蔵の100gあたりのカロリーやカロリー成分(三大栄養素)についてまとめました。
部位 | カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
---|---|---|---|---|
豚肩 | 216Kcal | 18.5g | 14.6g | 0.2g |
豚肩ロース | 253Kcal | 17.1g | 19.2g | 0.1g |
豚ロース | 263Kcal | 19.3g | 19.2g | 0.2g |
豚ヒレ | 115Kcal | 22.8g | 1.9g | 0.2g |
豚バラ | 386Kcal | 14.2g | 34.6g | 0.1 |
豚もも | 183Kcal | 20.5g | 10.2g | 0.2g |
豚そともも | 235Kcal | 18.8g | 16.5g | 0.2g |
トントロ | 386Kcal | 14.4g | 35.9g | 0g |
豚ひき肉 | 221Kcal | 18.6g | 15.1g | 0g |
豚ハツ(心臓) | 135Kcal | 16.2g | 7.0g | 0.1g |
豚レバー(肝臓) | 128Kcal | 20.4g | 3.4g | 2.5g |
豚マメ(腎臓) | 114Kcal | 14.1g | 5.8g | 0g |
豚タン(舌) | 221Kcal | 15.9g | 16.3g | 0.1g |
ガツ(胃) | 121Kcal | 17.4g | 5.1g | 0g |
豚ホルモン(小腸) | 171Kcal | 14g | 11.9g | 0g |
豚モツ(大腸) | 179Kcal | 11.7g | 13.8g | 0g |
豚コブクロ(子宮) | 70Kcal | 14.6g | 0.9g | 0g |
豚足 | 230Kcal | 20.1g | 16.8g | 0g |
豚軟骨 | 231Kcal | 17.8g | 17.9g | 0g |
注目すべき点は以下の通り。
- 肉・内蔵ともに部位によらず高タンパクで低糖質
- 肉・内蔵ともにカロリーは脂質によって左右される
- 豚ヒレは豚肉の中で例外的に低脂質・低カロリー
- 豚バラ・トントロはずば抜けて高カロリー
- 全体的に豚肉よりも内蔵の方が脂質が少なくカロリーは低い
豚肉は高カロリーという印象があると思いますが、
部位によって大きな差があるというのが分かってもらえたかと思います。
肉に関しては、
“豚バラ・トントロ”が群を抜いて高カロリーなのに対し、
“豚ヒレ”は豚肉の中では例外的に低カロリーです。
豚ヒレは低脂質・低カロリーでなおかつ高タンパクであり、
これは鶏肉でいうところの“ささみ”や“鶏胸肉(皮なし)”に相当するほどです。
そのため、とんかつはロースカツよりもヒレカツの方が圧倒的にカロリーが低くなります。
内蔵については肉よりも低カロリーであるのが見て取れるかと思います。
豚肉・内蔵の栄養について
続いて、三大栄養素以外の栄養素、特にビタミンやミネラルについて見ていきましょう。
肉の栄養素というとどうしても脂質やたんぱく質に目が行きがちですが、
ビタミンやミネラルも重要な栄養素です。
これらは肉と内臓とで大きな違いがあります。
豚肉の栄養
豚肉は部位によらずたんぱく質が豊富ですが、
その他にも一部のビタミン・ミネラルが多く含まれています。
具体的には以下のものが挙げられます。
- ビタミンB1:エネルギー代謝や神経機能に関わるためビタミン
- ビタミンB2:炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝に関わるビタミン。皮膚や粘膜の健康維持の作用がある
- ナイアシン(ビタミンB3):エネルギー生産に関わる酵素を補助する働きがあり、皮膚や粘膜の健康維持の作用がある
- パントテン酸(ビタミンB5):エネルギー生産やコレステロール、ホルモン、免疫抗体の合成に関わるビタミン。皮膚や粘膜の健康維持の作用がある
- ビタミンB6:エネルギー生産や筋肉・血液の生成時に働いており、皮膚や粘膜の健康維持の作用がある。たんぱく質摂取量が多いほど必要量が増える
- ビタミンB12:葉酸とともに赤血球内のヘモグロビンの生成を助ける作用がある
- 亜鉛:味覚を正常に保つ作用や、皮膚・粘膜の健康維持を助ける栄養素
これらは豚バラ肉、豚肩肉、もも肉、ヒレ肉、トントロなど、
いずれの部位においても豊富に含まれています。
葉酸やビオチンなどを除いてビタミンB群は全般的に多いのです。
ミネラルはカリウムや鉄分なども含まれますが、
突出しているのは“亜鉛”です。
豚の内臓の栄養
豚肉はビタミンB群全般や亜鉛が豊富でしたが、
内臓はこれを遥かに上回る部位もあれば、肉よりは栄養が乏しい部位もあります。
詳細をまとめると以下の通り。
- ハツ、レバー、マメ、タンは特に栄養豊富で、ビタミンB群全般と亜鉛に加えてビタミンDや鉄も多く含まれる
- レバーはビタミンAが桁違いに多く、食べ過ぎは健康被害のリスクもある
- 他の内臓はビタミンKやビタミンB群の一部、鉄分、亜鉛などが豊富だが、豚肉よりも栄養素は乏しい
レバーは栄養豊富という印象があるかと思いますが、
内蔵の中でも特にあらゆる栄養素が突出している部位です。
ビタミンB群や亜鉛は肉を上回る量が含まれており、
さらにビタミンA、ビタミンD、ビタミンC、鉄、亜鉛など、
あらゆる栄養素はレバー100gだけで1食に必要な量を大幅に満たすことができます。
その他にもハツ、マメ、タンは肉よりも多くの栄養素が期待でき、
ビタミンDや鉄などの重要な栄養素が豊富です。
これら以外のホルモンやもつなどは
ビタミンK・ビタミンB12などの一部の栄養素は多いのですが、
肉と比べても全体の栄養素は劣ります。
あとがき
以上、豚肉と豚の内臓の部位ごとのカロリーや栄養についてでした。
豚肉と一言で言うと「栄養豊富だけどカロリーが高い」という印象があるかと思いますが、
部位によって大きな違いがあるのが分かってもらえたかと思います。
豚バラ肉やトントロは少量でも高カロリーなので注意が必要ですが、
豚ヒレ肉は低カロリー・高タンパクなのでダイエット中にはおすすめです。
内蔵についてはハツやレバー、タンなどは特に栄養豊富でなおかつ一般的な部位なので、
積極的に食べてもらいたい部位です。
特にビタミンB群や鉄分などは現代の食生活において不足しがちですからね。
ちなみに牛肉や鶏肉についてもまとめているので、
是非こちらもご覧ください。