スクワットはダイエットにおいて効果的という風潮が世の中にはあります。
スクワットは大きな筋肉を動かすので「カロリーを多く消費する」「筋肉が増えて基礎代謝が上がる」、下半身の運動なので「足の脂肪がよく落ちる」などという文言を見かけたことがあるのではないでしょうか?
しかし実は、これらはすべて間違いです!
今回、これらの間違っている点やスクワットの本当の効果について解説していきます。
スクワットの間違った情報
1.消費カロリーについて
スクワットは体重ややり方によって負荷が変わりますが、
1回あたり0.4~0.5Kcalです。
スクワットダイエットを提唱する人は1日50~100回を推奨しますが、
せいぜい数十Kcal程度しかカロリーを消費できません。
- 50回のスクワット:20~25Kcal
- 100回のスクワット:40~50Kcal
頑張っても飴玉2、3個ほどのカロリーです。
スクワットの消費カロリーが低い理由は、
『有酸素運動ではないから』ということが挙げられます。
無酸素運動が全力疾走や筋トレなどの瞬発的な運動を指すのに対し、
有酸素運動は負荷が軽く長時間継続ができる運動を指します。
どんなに激しい運動でも短時間で消費するカロリーはたかが知れているので、
運動でカロリーを多く消費するには長時間継続する必要があるのです。
スクワットは無酸素運動であり長時間継続できないため、
有酸素運動と比べて著しく消費カロリーは低くなります。
2.基礎代謝について
スクワットは下半身の代表的な筋トレ種目として挙げることができ、
筋トレ初心者から上級者まで筋肉増強に重宝します。
しかし、スクワットをしたからといって筋肉増強や基礎代謝向上に効果があるわけではありません。
スクワットで基礎代謝が増えない理由は以下の通り。
- 筋肉をつけるには筋トレだけではなく摂取カロリーを増やす必要がある
- 筋肉が増えたとしてもダイエットに影響するほど基礎代謝は増えない
スクワットだけではなく、
筋トレ自体が基礎代謝向上に伴いダイエットに効果的と言われますが、これが間違いなのです。
脂肪を減らしながら筋肉を増やすことは不可能ですし、
脂肪が落ちたら基礎代謝は減ります。
筋肉を増やして基礎代謝を増やすには、
脂肪が増えることも覚悟して食事を多く摂らないといけません。
ただ、筋肉は基礎代謝のわずか数十%程しか担っていないので、
ダイエットのために筋肉を増やすのは合理的ではないのです。
3.足痩せについて
足の運動をしたら足の脂肪が集中的に落ちると思われがちですが、
そうではありません。
脂肪が落ちる際は全身を循環する血液が関係するため、
特定の部位の脂肪を狙って落とすというのは不可能です。
腹筋をしたからお腹の脂肪が落ちる、
下半身の運動をしたから足の脂肪が落ちるということはありえないのです。
また、脂肪が落ちる量は摂取カロリーと消費カロリーの収支で決まるため、
カロリーをあまり消費しないスクワットでは脂肪自体ほとんど落ちません。
ただ、足の筋肉を動かすことはむくみ解消につながるので、
むくみで足が太くなっている場合は足痩せにある程度効果が見込めます。
スクワットの本当の効果とは?
スクワットはダイエット効果は見込めませんし足の脂肪を落とすこともできません。
しかし、ダイエット中のスクワットが無意味だとか、
スクワットが他の運動に比べて劣っているというわけでもありません。
前述しましたが、スクワットは筋トレとしては非常に優れた運動です。
フォームなど比較的簡単ですし、
負荷が調整できるのでどのレベルの人でも効果的に取り組むことができます。
そして、ダイエット中にスクワットなどの本格な筋トレをすることで、
筋肉を維持して脂肪を落とすことができるのです。
ダイエットで食事制限ばかり行っていると
筋肉が落ちやすく体脂肪率が思うように減らないことがありますが、
筋トレを取り入れることで体脂肪率を効果的に落とすことができます。
スクワットの取り組み方やフォームについてもまとめているので、ぜひご覧ください。