ダイエットの基礎知識

ダイエットで徐々に痩せなくなる原因&食事制限や運動を辞めると体重が元に戻る理由

ダイエットは消費カロリーを摂取カロリーよりも多くすれば痩せることができます。

しかし、これを実践して最初はきちんと体重が減っていても、徐々に減少量は緩やかになっていき、次第に停滞するものです

運動や食事制限をずっと続けていてもこれは避けられません。

ちなみに、過酷なダイエットを行うと人体の防衛本能のため、一時的に代謝が減るという現象が起き、この期間のことを一般的に『停滞期』と呼びます。あくまで一時的な作用なので次第にもとに戻ります。

ただ、今回言及していることは停滞期とは別で、過酷なダイエットでなくても、体重の減少は徐々に停滞していくのです。

そして、生活を元に戻したら体重も増加していきます。

今回、以上のメカニズムと対策について説明していきます。

前程:体重の増減はカロリーの収支によって決まる

まず前程として、体重の増減はカロリーの収支によって決まるということを抑えておきましょう。

ダイエットにおいて、
「糖質を食べなければ太らない」
「低GI食品は脂肪になりにくい」
「運動で脂肪を燃やすように工夫するのが良い」
など、カロリーの収支に関係ないことが言われたりもします。

しかし、実際にはこれらは間違いで体重の減少に影響しません。

消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、
体の脂肪や筋肉が「分解される量」が「蓄えられる量」を上回るため体重が減る。ただそれだけです。

どんな人でも日によって摂取カロリーと消費カロリーは異なるものですが、
体重が変わらない人は1ヶ月などの一定のスパンで見た時その平均値が釣り合っているのです。

脂肪を落として痩せるには、
消費カロリーを増やすか摂取カロリーを減らすかする必要があります。

そしてその時生じるカロリーの不足分は脂肪や筋肉が分解されることで生み出されます。
つまり、カロリーの収支によって体重の減少量が決まるということです。

世の中には様々なダイエット法がありますが、
真っ当なものはいずれもこの理論が大枠としてあります。

具体的にこれをどう実現するかということで、
方法が変わってくるのです。

さて、ここまでが前程の話です。

なぜダイエットを続けていても体重の減少量が緩やかになるのか、
なぜダイエット中の生活を元に戻すと体重ももとに戻るのか、説明していきます。

ダイエットで体重の減少が緩やかになる理由

これは実にシンプルな理由で、
体重の減少に伴い、消費カロリーが自然と減っていくからです。

1日の消費カロリーは体重に比例します。

安静にしていると時に消費するカロリー(基礎代謝)にしろ、
運動時に消費するカロリーにしろ、体重が軽くなるほど少なくなるのです。

つまり、カロリー収支はずっと一定に保っているつもりでも、
実際には体重とともに消費カロリーが減っていくため、カロリー収支が0へと近づいていくのです。

カロリー収支が0になるということは、
体重が変化しないということです。

以上がダイエットで徐々に体重減少が緩やかになり、次第に停滞する理由です。

ちなみに、ダイエットでよく『基礎代謝を上げて痩せやすい体質を作るのが重要』などと言われます。
具体的には「筋トレをする」「体温を上げる」「血流を良くする」「特定の食品を食べる」などが代表的です。

ただ、実際には基礎代謝は体組成(脂肪や筋肉など)の重量によって大部分が決まるため、いずれも間違いです。筋トレをしても大量に食事をとらないと十分な筋肉はつきません。

つまり、体重の減少に伴う基礎代謝、消費カロリーの低下はどう足掻いても防ぐことはできないのです。

詳しくはこちらにまとめています。
基礎代謝を上げる唯一の方法|大半の「基礎代謝ダイエット」はインチキだった!

生活を戻したら体重も元に戻る理由

続いて、なぜダイエットを辞めると体重がもとに戻るのかについて説明します。

これも理由はさっきと同じで、
体重の減少に伴い、消費カロリーが減っているからです。

多くの人は目標体重に達した時に、
元の生活に戻してもカロリーの収支が釣り合っているので体重は維持できると考えがちです。

しかし、実際には体重減少に伴い消費カロリーも少なくなるので、
元のカロリー収支に戻したつもりでも摂取カロリーの方が多くなるのです。

そしてこの体重増加は徐々に緩やかになり、
元の体重に戻った時にやっとカロリーの収支が0になるというわけです。

ダイエットの本質は“習慣化”

ダイエットというと、
「3日間断食して3Kg痩せた」
「1ヶ月ランニングを続けて5Kg痩せた」
など、一定の期間だけ頑張って脂肪を落とす行為だと思われがちですが、本質は全く別にあります。

ここまでの説明を理解できたなら分かると思いますが、
一時だけの頑張りは一時的な減量以上の意味はありません。

「今後ずっと続けていけるような生活習慣の獲得」こそがダイエットの本質なのです。

なぜなら、
身についている生活習慣によって、体重は一定の数値に収束するから

たとえば、ダイエットを辞めると徐々に元の体重に戻っていくという説明をしましたが、
これはカロリー収支が丁度元の体重の時に釣り合う生活習慣が身についているのです。

そのため一時的に減量しても、
自然と過ごしていたら元の体重に収束します。

重要なのは、体重の増減自体ではなく、
収束する体重を決定する生活習慣の獲得です。

「習慣を改善することで収束する体重が減っていく」
というのをイメージして下さい。

習慣が身についたら、
「飲み会が重なって太った」「ストレスでどか食いしてしまった」
なんてことがあったとしても、普通に生活をするだけでその体重に収束します。

簡単にできる習慣改善ではすぐに痩せることはできませんが、
確実に体重は減っていくので焦らず長期間を視野に入れて取り組むのが重要です。

手軽にできる小さな習慣

では、具体的にどんな習慣を身につければいいのか。

日々の消費カロリーを増やす習慣や、
摂取カロリーを減らすための習慣です。

長時間の運動や1食ごはん抜きなどはそれだけで痩せるほど効果的な習慣ですが、
それを痩せた後も継続できるのはごく限られた人しかいないでしょう。

一つの習慣に頼るのでは労力が大きくなるので、
複数の小さな習慣に労力を分散するのがポイントです。

誰でもできるような習慣について20個記事にまとめたので、
ぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール
テク

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元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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