食事法

断食ダイエットで落ちる体重の目安|1日飲まず食わずで何Kg痩せるのか?

短期間で体重が最も落ちるダイエットは、食事を極限まで制限する『断食』です。

1日食事を口にしないだけでも、誰でも簡単に体重を落とすことができます。さらに水分も制限したらなおさらです。

これはボクサーの試合前の状態ですね。

脂肪を落としきったボクサーでも、断食に近いことをすることでKg単位で体重を落とします。

ただこれは脂肪よりも体内の水分を落とすような方法なので、ダイエット法というより一時的な減量に過ぎません。

健康や美容に悪く、日常生活に支障をきたすので、ダイエットとして取り入れるのはおすすめしません。

どうしても数日で体重を落とさないといけないという場合に参考にして下さい。

1日断食を行うことで落ちる体重

はじめに結論をいうと、単純計算ですが断食で落ちる体重は以下のようになります。

  • 食事だけ制限した場合:1.5~2Kg
  • 一切飲まず食わずで過ごした場合:2.5~3.5Kg

では、この結果について解説していきます。

断食で体重が落ちる理由は、
「『摂取カロリー<消費カロリー』となり脂肪が落ちるから」と思われがちです。

しかし実は単純に、
「体に入る水分量よりも排出する水分量のほうが多いから」というのが大きいのです。

詳しくは後述しますが、
1日断食しただけでカロリー収支を大幅にマイナスにすることはできず、
計算上では脂肪数百g程度となります。

そうではなく、
断食で落ちる体重の大部分は水分です。

水分は1日に2~3リットル(2~3Kg)も体から出入りしているので、
入る分を制限すれば排出される水分だけで数Kgも体重が落とせるのです。

一般的に1日の水分の出入りの内訳は以下の通り。

  • 水分摂取
    • 食事:1L
    • 飲み物:1.2L
  • 体内で作られる水:0.3L
  • 水分排出
    • 尿・便:1.6L
    • 汗・呼気:0.9L
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水分は体重の60%程を占めますし、
短期間であれば数Kgくらい体内の水分量が少なくなっても、
健康に大きな支障はありませんからね。

ただ脱水症状のリスクが高まったり、血液がドロドロになったりするので、
健康に悪いのは間違いないですが。

また、食事に含まれる水分以外の成分の重量を考慮すると、
1日で1.5Kg~2Kg程になります。

※食事に含まれる水分1L+三大栄養素の2000~3000Kcalの重量

なので、単純計算ですが、
食事だけ制限すると1.5~2Kg程の体内に摂取するものが減り、
水分を合わせると大体2.5~3.5Kg程の減少になります。

これでいつも通り排出が行われると上記の重量分だけ体重が減るというわけです。

実際には体内に入るものが減る分出ていくものも少なくなることが考えられますが、
1日ならすぐに大きな変化はないかと思います。

あと、食事や飲み物の摂取量は個人差があるので、
あくまで平均的な人の場合についての計算です。

断食で脂肪はどれくらい落ちる?

断食やそれに類する過度な食事制限の場合、
体内の水分が減って短期間で劇的に体重を減らせることが分かったかと思います。

では、断食で脂肪はどれくらい落ちるのでしょうか?

体脂肪は1Kgあたり7200Kcal消費することで落とすことができます。

平均的な日本人の1日の消費カロリーは大体2000~3000Kcalなので、
摂取カロリーを0にすると消費カロリーが丸々カロリーの収支になります。

2000~3000Kcalを体脂肪に換算すると、大体300~400g程度です。

ただし、マイナス分のカロリーは脂肪だけでなく筋肉も分解して補われるため、
落ちる脂肪はもっと少なくなります。

断食することで1日で何Kgも落とせたとしても、
体脂肪はわずか数百gしか落ちないということを頭に入れておきましょう。

断食はダイエットにおいてはほとんど意味がない

最後に、いかに断食がダイエットの手法として役に立たないのかを述べていきます。

断食だけではなく、糖質を極端に制限する糖質制限ダイエットや、
摂取カロリーを大きく減らすような過度な食事制限にも言えるのですが、
これらは一時的な体重減少にしかなりません。

たとえば、ボクサーは試合前に極限まで体重を落としますが、
計量や試合が終わるとすぐに元の体重に戻ってしまいます。これと同様です。

体重の減少分は大部分は水分なので、
水分をとればその分の体重はもとに戻ります。

そして、カロリーのマイナス分で落ちた脂肪に関しても、
大半がすぐに元に戻ってしまうでしょう。

脂肪を落として前と同じ生活をすれば体型が維持できると思っている人は多いのですが、
脂肪とともに1日の消費カロリーも落ちるため、同じ生活を送っている限り体重は自然と一定の値に収束してしまうのです。

消費カロリーは体重にほぼ比例します。

なので、体重に見合った生活に改善しない限り、
ダイエットとリバウンドをずっと繰り返すことになるのです。

習慣を改善することで収束する体重が下がっていくイメージを持ちましょう。

このことはこちらで詳しく解説しています。

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習慣が身につくことで、
一時的なダイエットで痩せた時だけでなく、ちょっと食べすぎて太った時でも、
その体重に自然と戻っていきます。

ずっと続けられることをしないといけないということです。

しかし、過酷なダイエットほど続けるのが困難になるため、
結局は一時的な減量で終わってしまうというケースが大半になります。

大事なことは小さい生活習慣を積み重ねていくことです。

手軽にできる生活習慣についてはこちらにまとめているので、
ぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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