縄跳びのイメージとして、ボクサーのトレーニングのを想像する人は多いでしょう。
そのため縄跳びがダイエットに効果的と思っている人は多いです。
『縄跳び=ボクサー=減量』というように、世間一般に縄跳びは脂肪燃焼には効果的だと思われています。
しかしはじめに結論を言うと、縄跳びはダイエットには向きません。
そもそもボクサーは減量のために縄跳びをするわけではないですからね。
では、なぜ縄跳びがダイエットに向かないのか、縄跳びの消費カロリーやメリット・デメリットについて挙げていき、詳しく解説します。
目次
縄跳びのダイエット効果
まず、縄跳びにどれくらいのダイエット効果があるのか見ていきましょう。
脂肪の増減はカロリー収支によって決まるため、
運動ダイエットにおいてもっとも重要なのは“消費カロリー”です。
では、縄跳びの消費カロリーはどの程度なのでしょうか。
縄跳びの消費カロリー
縄跳びの消費カロリーは以下の計算機で求めることができます。
ちなみにこの計算は、運動強度を表す指標“メッツ”を用いています。
メッツとは運動強度の単位で、安静時(1メッツ)の何倍のエネルギーを消費するのかを表す指標となる。消費カロリーの計算に用いられる一般的な指標でもあり、以下の計算式を用いる。
消費カロリー(Kcal)=1.05×メッツ×体重(Kg)×時間(h)
例)体重60Kgの人が30分間「縄跳び(ゆっくり):8.8メッツ」をした時の消費カロリー
⇒1.05×8.8×60(Kg)× 30/60(h)=277Kcal
ゆっくりの縄跳びは8.8メッツなので、安静時の8.8倍の消費カロリーになるということです。
では縄跳びの消費カロリーは他の運動と比べて多いのか少ないのか、
比較してみましょう。
他の有酸素運動との比較
縄跳びの運動強度を他の有酸素運動と比べると以下の通り。
運動強度はランニングより高いのです。
運動強度は単位時間あたりの消費カロリーに比例するため、
同じ時間運動をした時、縄跳びの方が消費カロリーが多くなるということです。
縄跳びのダイエット効果は高いのか?
一般的に有酸素運動の中でもトップクラスのダイエット効率と言われるのが、ランニングです。そして縄跳びはこのランニングにも勝るのです。
一見これだけだと、縄跳びのダイエット効果は高いように思えます。
しかし消費カロリーが多いからといって、
必ずしもダイエット効果が高いというわけではありません。
どういうことかというと、
“ランニング”はゆっくりなペースだったら、
慣れれば誰でも1時間休むことなく続けることができます。
運動不足の場合でも数十分は行えるはずです。
では、“縄跳び”の場合はどうでしょう。
ずっと休みなく続けることができると思いますか?
答えは“NO”です。
実際にやってみればわかりますが、
大抵の人は数分間続けるだけできつくなります。
ランニングは全身運動で、比較的まんべんなく負荷がかかっていますが、
縄跳びも全身運動とはいえども、ふくらはぎなど、下半身の負担が主です。
心肺能力的にきついというよりも、
肉体の負担のため痛くて継続が困難という感じですね。
要は、縄跳びはただ単位時間当たりの消費カロリーが多いだけで、
長時間継続できないためカロリーを消費するのは困難なんです。
どんなに運動強度が高い運動でも、
短時間ならその消費カロリーはたかが知れています。
有酸素運動は長時間行えるからこそカロリーを消費できるのです。
なので、
“縄跳びはダイエット効果はあまり期待できない”
という結論になります。
「縄跳びは単位時間あたりの消費カロリーが多いから、ダイエット効果も高い!」
などという安直な結論を出している情報をネット上に多く見かけるので、
惑わされずに正しい判断をしましょう。
もし単位時間の消費カロリーだけに着目するなら、
「“全力疾走”が最強のダイエット」という結論になってしまいますからね。
縄跳びのメリット・デメリット
次に、縄跳びダイエットのメリット・デメリットを述べていきます。
基本、縄跳びでダイエットをするくらいなら他の運動をする方がマシという考えですが、
縄跳びにもメリットは存在します。
メリット
- 時間当たりの消費カロリーがそこそこ高い
- お金がほとんどかからない
- 場所をとらない
- 色んな跳び方があるので飽きにくい
- リズム感がよくなる
基本的に縄跳びよりもジョギングをオススメしますが、
上記のメリットのため、縄跳びの方が合っている人もいます。
まず条件の一つとして、
まとまった時間が取れない人。
そもそも長時間できないのであれば、
継続性の低い縄跳びであっても影響は少ないですし、
縄跳びはしようと思えばすぐ気軽にできますからね。
そして、
ほかの運動よりも縄跳びが好きな人。
もし縄跳びが好きではないのならまとまった時間が取れないとしても、
わざわざ縄跳びを選ぶ必要もないですよね。
デメリット
- 長時間行えない
- 外でやるのに抵抗がある
- 体の負荷が大きい
やはり、長時間行えないというのが大きなデメリットですが、
大人になって屋外で縄跳びをするのって、なんか躊躇しますよね。
ウォーキングやジョギングする人はどんなとこでも見かけますが、
普通に暮らしていて縄跳びをしている人はほぼ見かけません。
その点、縄はなく取っ手だけで行う縄跳び、『エア縄跳び』なら室内で出来て人目を気にせずに済みます。
ただ、エア縄跳びは縄跳び本来の爽快感などがなくなってしまうため、
個人的にはおすすめしません。
詳細はこちら。
あとがき
以上、縄跳びダイエットでした。
ダイエットに縄跳びを推奨する人も多く見かけますが、
実際に縄跳びで痩せるのはかなり困難だと思います。
もっと良い運動はいくらでもありますしね。
ただ、趣味として楽しめるくらい縄跳びが好きな人は、
縄跳びを楽しんでいる内に痩せることができるでしょう。
ダイエット目的だけで縄跳びをするのはオススメしませんが、
楽しむことができれば自然と縄跳びの時間が多くなり、気がついた時には痩せていたということもあると思います。
運動は効率面よりも継続性が大事なので、
自分が好きかどうかで選ぶのが一番です。
ちなみに、縄跳びダイエットを行う際のポイントについてもまとめたので、
興味があればこちらも是非御覧ください。