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ボルダリングは痩せる?消費カロリーとダイエット効果について解説

最近、“ボルダリング”ができる施設が増えてきたため、それに伴い、趣味として始める人、ダイエットや健康目的に行う人をよく見かけるようになりました。

ボルダリングとは、簡単に説明するなら室内でできる簡易的なロッククライミングです。

ロッククライミング自体、体が引き締まった人が行うイメージがあるので、ボルダリングを始めれば痩せると考える人は多いのでしょう。

はじめに結論を言うと、カロリー消費効率が高く十分なダイエット効果が見込めるため、人によってはみるみるうちに痩せていくというケースも多いでしょう。

ただ、取り組み方によっては期待した以上に効果が実感できないという場合も多いです。

今回はボルダリングの正しいダイエット効果について解説していき、痩せるための取り組み方を解説していきます。

ボルダリングのダイエット効果

運動ダイエットにおいて最も重要なのが“消費カロリー”です。

ダイエットにおける脂肪の増減はカロリー収支によって決まるため、
どんなにきつい運動をしてもカロリーを消費しなければ脂肪は減らないのです。

ではボルダリングの消費カロリーはどれくらいなのでしょうか。

ボルダリングの消費カロリー一覧

運動の消費カロリーは自分の『体重』『運動量(運動強度×時間)』で決まります。

そこで体重ごと・時間ごとのボルダリングの消費カロリーをまとめると以下の通り。

  • 体重50Kg
    • 30分のボルダリング:152~184Kcal
    • 1時間のボルダリング:305~368Kcal
  • 体重60Kg
    • 30分のボルダリング:183~221Kcal
    • 1時間のボルダリング:365~441Kcal
  • 体重70Kg
    • 30分のボルダリング:213~257Kcal
    • 1時間のボルダリング:426~515Kcal
  • 体重80K
    • 30分のボルダリング:244~294Kcal
    • 1時間のボルダリング:487~588Kcal
  • 体重90Kg
    • 30分のボルダリング:274~331Kcal
    • 1時間のボルダリング:548~662Kcal

より詳細な消費カロリーを調べるには、以下の計算機をお使い下さい。

ボルダリングの消費カロリー

体重 Kg

時間

ボルダリングのレベル

低~中難易度

高難易度


消費カロリー: Kcal

落ちる体脂肪の目安: g

ちなみに、これら消費カロリーの計算は運動強度を表す指標である“メッツ”を用いています。

メッツとは

メッツとは運動強度の単位で、安静時(1メッツ)の何倍のエネルギーを消費するのかを表す指標となる。消費カロリーの計算に用いられる一般的な指標でもあり、以下の計算式を用いる。

消費カロリー(Kcal)=1.05×メッツ×体重(Kg)×時間(h)

参照:改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』

例)体重60Kgの人が30分間「ボルダリング(低~中難易度):5.8メッツ」をした時の消費カロリー

⇒1.05×5.8×60(Kg)× 30/60(h)=182.7Kcal

他の運動との比較

ボルダリングを他の運動と比較すると以下のようになります。

『中~高強度の自転車』『軽めのランニング』と同程度の運動強度です。

つまりボルダリングを30分行えば、
これらの運動を30分やったのと同じくらいの消費カロリーになるということです。

自転車やランニングなどの単純な反復を繰り返す有酸素運動は、
常に体を動かし続けるので、カロリーを消費するのに効率的です。

そんな効率的な運動と同程度のカロリーを消費できるので、
ボルダリングは十分ダイエット効果が高い運動と言えるでしょう。

また、ボルダリングはその運動の性質上、
単純な反復を繰り返す有酸素運動にはないダイエット効果が期待できます。

他の有酸素運動にはないボルダリングのダイエット効果

それは、“無酸素運動”の側面を持つので、
『筋肉の減少を抑えることができる』というものです。

有酸素運動と無酸素運動の違いは以下の通り。

  有酸素運動 無酸素運動
特徴 長時間続けられる すぐに力尽きる(数秒~数十秒)
種目 ウォーキング、ジョギング、自転車、階段昇降 全力疾走、筋トレ
主なエネルギー源 脂肪 糖質
役割 消費カロリーを増やしてダイエット 筋肉に負荷を与えることで筋肉増強、またはダイエット中の筋肉低下の抑制

両者には明確な境界はないのですが、
簡単に説明すると次のようになります。

  • 有酸素運動:長時間続けられてカロリーを消費するのに適した運動
  • 無酸素運動:すぐに力尽きるが筋肉に負荷を与えることができる運動

詳細:有酸素運動と無酸素運動の種類や順番|ダイエット・筋トレそれぞれの取り組み方

 

ランニングや自転車などの有酸素運動はカロリーを消費して脂肪を落とすのには最適です。

ただ、消費カロリーを増やしてカロリー収支をマイナスにしても、
筋肉に負荷が十分与えられないため筋肉もそれなりに落ちてしまうのです。

カロリー収支がマイナスの状態では脂肪だけを分解してこれを補うというのは不可能で、
どんなダイエット法を実践したとしても筋肉も一部分解されます。

それを最低限に抑える方法が、筋トレなどの無酸素運動です。

カロリー収支をマイナスにした分の多くが脂肪分解で補われるということなので、
同じカロリー収支でも筋トレをした方が脂肪がよく落ち、体脂肪率を効率的に落とすことができるということです。

一方、無酸素運動はカロリー消費効率が悪いというデメリットもあります。

ボルダリングは有酸素運動と無酸素運動の中間のスポーツです。

つまり、他のダイエットの定番の有酸素運動と比べると、
筋肉を維持して脂肪を効率的に落とすのに適した運動と言えます。

ただ、よく勘違いする人が多いのですが、
ボルダリングなどで筋肉に十分な負荷を与えたからといって筋肉が増えるわけではありません。

筋肉をつけるには『筋肉の負荷』だけでなく、『栄養(カロリー)』が必要です。

少なくともカロリー収支がマイナスの状態で筋肉が増えることはほぼないので、
脂肪を減らしながら筋肉を増やすことはできません。

逆に筋肉を増やしたくないという女性からしたら、
安心してボルダリングを行なえるということです。

ボルダリングダイエットの特徴

ここでダイエットとしてボルダリングに取り組むメリット・デメリットについてまとめます。

ボルダリングダイエットのメリット・デメリット
  • メリット
    1. カロリー消費効率が高い
    2. 筋肉の負荷が高いので、脂肪を集中的に落とすことができる
    3. 趣味として取り組みやすい
  • デメリット
    1. 手軽に行えない
    2. お金がかかる
    3. 負荷が高いので長時間・高頻度で行うのは困難
    4. 効率面だけ見れば他の運動に分がある

ボルダリングダイエットのメリット

メリットについては前述した通りです。

効率的にカロリーを消費でき、
さらに筋肉に十分負荷を与えることができるという点です。

また単純な反復運動とは違い、
目標をもって行うことができるので趣味として楽しみながら取り組めるという人は多いでしょう。

ランニングなどでもタイムを目標として取り組むこともできますが、
どうしても地味で飽きやすいので継続するのも困難です。

「反復運動にすぐ飽きて続けられないという人」にとっては、ボルダリングはもってこいの運動です。

ボルダリングダイエットのデメリット

ボルダリングの良いことを挙げていきましたが、
デメリットも当然あります。

まず、ボルダリングは施設を利用する必要があるので、
手軽に行うことができないという点。

施設の利用代や施設までの移動のコストなどを考えると、
それなりのお金がかかります。

安くても1日利用1000円、月額だと1万円程度。
これの倍はするところも少なくありません。

気が向いた時にいつでも行えるランニングなどとは違い、
運動の機会が限られるというのは大きなデメリットです。

運動は多くの人が想像するよりも1回で消費するカロリー・脂肪燃焼量は少ないので、
十分なダイエット効果を実感するにはかなりの時間を要します。

運動の最高効率を誇るランニングを毎日行ったとしても、
その効果を実感できるのにせいぜい1ヶ月はかかるでしょう。

ボルダリングの場合は手軽に行えないということに加え、
筋肉に負担が大きいため、高頻度で行うことはできません。

1回あたりの効率は良くても、
期間で見たらそこまで効率が良いとは言えません。

手軽に行えるランニングや自転車などの方が早く痩せることができるでしょう。

また、同時にダンベルなどを購入して筋トレをメニューに加えれば、
ボルダリングと同等以上の効果を得ることができます。

ボルダリングで痩せるのはこんな人

ボルダリングは意外とデメリットも多く、
ただダイエットのためだけに取り組んでいる人は途中で挫折するでしょう。

お金や施設までの移動時間のコストがかかる割に、
ダイエット効率が突出しているというわけではありませんからね。

しかし、ボルダリングがきっかけで痩せるという人は少なくありません。

それはどんな人かと言うと、
ボルダリングを趣味として楽しめる人です。

ダイエットのことを忘れるくらい楽しむことができれば、
気付いた時には体重が減って引き締まった体になっているでしょう。

ボルダリングに限ったことではなく、
カロリーを消費する運動を趣味にできればもはや痩せたも同然と言えます。

苦労せずに消費カロリーを引き上げることができるわけですからね。

そもそも運動ダイエットで痩せないという人でも、
その運動自体が悪いということはほとんどありません。

痩せない一番の原因は“続かないこと”です。

実感できるくらい脂肪が落ちるには時間がかかるので、
どんな運動でも長期間続けないと意味がありません。

しかし、よっぽど意思が固くなければ、
楽しいと思えない運動を何ヶ月も続けられないでしょう。

また、運動で痩せたとしてもそれを辞めたら体重はもとに戻るので、
痩せた後も続けられることをする必要があります。

カロリーを消費する運動を趣味にできれば、
苦痛を感じずに自然と痩せることができるますし、リバウンドの心配もありません。

そういった意味で、趣味として楽しみやすいボルダリングはダイエットに向いていると言えるでしょう。

ボルダリングを楽しそうと思えるのなら、
ぜひ試しに取り組んでみましょう。

ちなみに、運動の基本的な知識や他の運動の消費カロリーなども詳しくまとめているので、
ぜひこちらも合わせてご覧ください。

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著者プロフィール
テク

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元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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