ダイエットにおいて、「1日3食きっちり食べないと太る」、「食事回数を減らすのは逆効果」とよく言われます。
このため朝食は無理してでも食べるようにしているという人、1日4食、5食と食べている人もいるのではないでしょうか。
今まで何の疑問も持たずに受け入れていた人も多いとは思いますが、普通に考えるとかなり無茶苦茶な理論です。
結論をはじめに言うと、1日の食事回数はダイエットに直接影響することはありません。
食事回数がが変わることで食事のカロリーが増えたら太り、減れば痩せるというだけです。
今回この事について詳しく解説しますので、正しい知識を身につけて固定観念を払拭しましょう。
目次
食事回数を減らすと太るとされている理由
まず、一般的に食事回数を減らすと太る言われている理由を説明します。
- 食事の間隔が開くとエネルギーが枯渇するので、より食事からエネルギーを吸収しようとする
- 実際に力士は1日2食で体を大きくする
食事の間隔が開くことで食事から吸収するカロリーが増えるとのこと。
これにより『摂取カロリー>消費カロリー』となってしまうため、
結果的に太ってしまうと言われているのです。
そしてそれを裏付けるのが、力士の例です。
体を大きくしようとする力士が1日2食なのだから、
実際に1日2食は太るのに効率が良いのだろう、と。
これが食事回数を減らすと太りやすいという説です。
専門知識がなければすんなり信じてしまいそうですが、
この理論には突っ込みどころがたくさんあります。
また、食事回数や食事の間隔に関するダイエット法は他にもあり、
有名なのが8時間ダイエットです。
こちらは逆に「食事の間隔が開いた方が脂肪になりにくいので痩せる」という理論です。
こういったダイエットは例外なくインチキダイエットであるというのは間違いありません。
8時間ダイエットの詳細はこちら。
では「食事回数を減らすと太る」ということの何がおかしいのか、詳しく解説していきます。
「食事回数はを減らすと太る」説の穴
「1食抜いただけで摂取カロリーが増える」という暴論
「1日2食は太る」ということは固定観念になっているかもしれませんが、
普通に考えてください。
1日2食の人は、大抵朝食か昼食を抜くと思いますが、
食事を1食抜くだけだと4~8時間ほど間隔が開くだけです。
これだけで栄養の吸収率が向上するでしょうか?
冷静に考えるとおかしな話だと思うでしょう。
たとえば朝食を抜いて300~500Kcalほど食事のカロリーが減ったとして、
昼食は節制したカロリーが帳消しになるほどカロリーの吸収率が上がるのでしょうか?
「昼食のカロリーは500Kcalだけど、朝食を抜いてしまったせいで栄養の吸収率が上がりカロリーは1000Kcalにもなってしまった。」
食事を抜くと太ると言う説を唱える人はこういうことを言っているのです。
これが正しいのであれば世界の食糧事情はだいぶ良くなりそうですし、
家庭の食費はだいぶ安くなりそうですね。
まあ、こんなことは絶対にありえません。
食事の間隔が少し開いただけで栄養の吸収率が変わるほど、
人間の体は繊細ではないです。
逆にもし太りにくい体質の人がいた場合、
太るために『1日2食』を推奨するでしょうか?
普通に考えるて、
太るためには『欠食しないことが重要』だと考えるのが自然です。
ちなみに「太らない体質の人」とは、
『吸収不良症候群』などの症状がある人を指します。
ただ、実は摂取カロリーが極端に少ない食事が続いた時、
人間は代謝を少なくし、さらに栄養の吸収率を上げようとする働きがあります。
ダイエットにおけるリバウンドの原因になる症状ですが、
いわゆる“停滞期”です。飢餓状態とも言われます。
しかしこの状態に、たかが数時間で起こるわけではなく、
1ヶ月程に渡り厳しいダイエットを行った場合の症状です。
詳細はこちら。
まとめると、食事を1食抜いただけで栄養の吸収率が上がるはずもなく、
「食事を抜いたことが原因で食事の量が増える」ということでもなければ太ることはありえない、ということです。
力士が1日2食なのは太るためではない!
「けど実際に力士は1日2食なんだから、1日2食は太りやすいのではないのか?」
これも間違いです。
ポイントは以下の2つ。
- 力士が1日2食なのは太るためではない
- そもそも力士は間食をするため、きっちり1日2食というわけでもない
力士は朝食を抜いて1日2食で済ませますが、
これは“太るため”ではありません。
朝稽古のため朝食を食べるのが昼近くになり、
昼食と朝食を兼ねるのです。
体を大きくすることだけが重要なわけではありませんからね。
そして力士はきっちり『1日2食』を実践しているわけではなく、
昼食と夕食の間に間食をしています。
もし本当に食事回数を減らすと太るのなら、
『1日1食』にしたり間食を厳禁するのが自然です。
つまり、結果的にたまたま力士は1日2食(のよう)になっているだけで、
力士が太る理由は単に多くのカロリーを摂取しているためです。
食事回数とダイエットの関係に関する研究
食事回数とダイエットに関する研究論文があるので、
これをご紹介します。
概要は以下の通り。
- 1日1食と1日3食の比較
- それぞれの生活を8週間続けた際の体重減少や健康状態に関する数値を比較
- 結果としては、総摂取カロリーが等しければ食事回数によって体重減少に有意差は生じないことが分かった
つまり、結局はカロリーの収支が重要ということです。
食事の回数が減ることで、結果的に食欲が増し食事量が増えたら太ります。
これは当然ですね。
しかし食事回数を減らすのに伴い、
1日の食事量・食事のカロリーが減るのであれば確実に痩せるということです。
食事回数を減らしたら大抵は1日の摂取カロリーは減るので痩せるでしょう。
しかし食事回数が減ることで油断が生じ、
ご飯の量が多くなる、間食の頻度が増える、運動量が減るというケースも少なくありません。
食事回数を減らすというのは「摂取カロリーを削減する一つの手段に過ぎない」ということをしっかり頭に入れましょう。
あとがき
以上、ダイエットと食事の回数は無関係という理由でした。
食事回数を減らすと1日の摂取カロリーを簡単に減らすことができるので、
これで痩せるという人は多いでしょう。
ただ、個人的には食事の回数はきっちり1日3回食べるのをおすすめします。
これはダイエットとは関係なく、“栄養面”を考慮してのことです。
一般的に食事の回数が減ると、
1品当たりの量が増えて食品の数が少なくなります。
そこで危惧されるのが“栄養の偏り”です。
私達は摂取すべき重要な栄養素はたくさんあるので、
食品の数が少なくなると不足する栄養素が出てきます。
カロリーを減らす際は、
食品の数を減らすのではなく一つ一つの量を減らすほうが健康的なのです。
食事回数を減らすと食品数を保つのが困難なので、
これは大きなデメリットとなりえます。
ダイエット中に摂るべき重要な栄養素についてもまとめているので、
食事回数をへらす場合は是非こちらも参考にして下さい。