ダイエットにおいて、きちんとカロリーコントロールをすれば誰でも痩せるようになりますし、それを継続すると体重はどんどん落ちていくでしょう。
しかし、ずっと痩せ続けるというのは稀で、多くの人は目標体重に達する前に停滞してしまいます。
これはダイエットでは極一般的なことであり、体重が停滞する期間は『停滞期』と呼ばれています。
厄介なのは、停滞期にはいくつか原因が考えられるということ。
原因に沿った対処法をしないと停滞期を抜け出すことはできません。
そこで今回、停滞期の原因と対処法をそれぞれ解説していきます。
停滞期の過ごし方しだいで、今後再び痩せだすか、リバウンドしてしまうかが決まるので、現在停滞期という人はしっかりチェックしておきましょう。
目次
停滞期の3つの原因
体重が停滞してしまうのには3つ原因が考えられます。
- 極端なカロリー制限に伴う飢餓状態
- 痩せたことによる消費カロリーの低下
- 実は水分が落ちているだけ
「1」はよくテレビやネット上で説明されているので聞いたことがあるかもしれませんが、
「2」や「3」はあまり聞かないと思います。
しかし、実際に体重が停滞したと感じる時は「2」や「3」の理由の方が多いです。
では、それぞれ説明していきます
1.極端なカロリー制限に伴う飢餓状態
摂取カロリーが消費カロリーを大幅に下回る生活を維持していると、
脳が勝手に「飢餓状態」と判断してしまい生命維持のためにカロリーの消費を大幅に減らしてしまいます。
そのため、カロリー制限をしていてもカロリー収支が釣り合った状態となるため、
体重が減らなくなるのです。
この人間の性質を恒常性(ホメオスタシス)と言いますが、
人間の体温が一定に保たれているのもこれが関係します。
1ヶ月で体重が5%以上減ると飢餓状態になると言われています。
ただし、飢餓状態は脂肪が多い人は起こりにくいため、
大抵の場合は他の原因である場合が多いです。
具体的には、男性の場合は体脂肪率25%以上、
女性の場合は35%以上ならよっぽど制限しない限り飢餓状態の可能性は低いですね。
2.痩せたことによる消費カロリーの低下
失念しがちですが、
飢餓状態にならなくても、体重が減ると消費カロリーも徐々に減っていきます。
基礎代謝や運動の消費カロリーは脂肪や筋肉の重量に比例しますからね。
そのため、適度なカロリー節制ををしていても徐々に体重の減少量は少なくなっていき、
やがて停滞します。
そして生活をダイエット前に戻すと今度は摂取カロリーの方が多くなってしまうため、
体重ももとに戻ってしまうのです。
これについては下の記事で詳しく解説しているので、興味があればご覧ください。
3.実は水分が落ちているだけ
ダイエットにおいてよくあるのが、
今まで体重が減っていたのはただ水分が減っていただけというケース。
1週間や2週間といった短期間で数Kg程体重が落ちる場合、
脂肪をこれだけ落とすのはほぼ不可能なので、実は大部分が体内の水分量が減っているだけです。
体脂肪1Kgは7200Kcalに相当し、
これを燃焼するためにはご飯27杯分の節制するか、もしくはランニングだと100~150Km程走る必要がありますからね。
それに対し水分の場合、
むくみを解消したり、炭水化物の摂取量を減らしたりするだけで簡単にキロ単位で落ちていきます。
糖質制限ダイエットで短期間で一気に体重が減るのはこれが理由です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
しだいに水分が減らなくなるため体重の減少量は小さくなっていきますし、
食事を戻して体内の水分量がもとに戻ると体重もほとんど元通りということに。
カロリー収支をマイナスにしていたら脂肪も減っていきますが、
実際に落ちた脂肪の量は自分が思っていたより遥かに少ないため、
水分が落ちなくなると体重が停滞したと感じてしまうというわけです。
停滞期を抜け出す方法
では、停滞期を抜け出す方法について説明していきます。
飢餓状態の場合とそうでない場合は状況が大きく違うため対処法も異なります。
飢餓状態の場合:飢餓状態を抜け出す
まず、明らかに『摂取カロリー<消費カロリー』なのに1週間以上体重が減らない場合、
飢餓状態が原因である可能性が高いです。
飢餓状態を抜け出すには2つの方法があります。
- カロリーを維持した生活を続ける
- 1日だけ炭水化物を大量に食べる(チートデイ)
飢餓状態でしばらく体重が減らなくても諦めずにカロリー制限を続けていれば、
そのうち再び体重が減り始めます。
その場合は数週間ほど体重が停滞するのを覚悟しましょう。
その期間に元の食事に戻してしまうと確実にリバウンドしてしまいます。
そして飢餓状態をすぐに抜け出すにはチートデイという方法もあります。
これはボディビルダーなどが体脂肪を削るために用いられている方法です。
「1日だけ消費カロリーの2倍程の炭水化物中心の食事を摂る」というもので、
これを行うことで体に飢餓状態ではないと知らせることができるのです。
飢餓状態を抜け出す方法を紹介しましたが、注意点を2つほど挙げます。
- 停滞期は飢餓状態が原因ではない場合が多い
- そもそもダイエットで飢餓状態になるほどカロリー制限するのは間違い
ダイエットにおいてわりと「飢餓状態」という言葉はよく聞くので勘違いしがちですが、
真っ当なダイエットをしていれば飢餓状態になることはありません。
自分のカロリー収支を見直して、
本当に自分が飢餓状態なのか確かめるのが大事です。
そして、そもそもの話ですが、
飢餓状態である場合、ダイエットにおいて飢餓状態になるほどカロリー制限をするのが間違いです。
短期間で痩せないといけない理由があるなら別ですが、
そうでないならデメリットしかありません。
- 精神的な苦痛が極めて大きい
- 食事を戻すとすぐに元の体重に戻る
- 体調を崩しやすい
- 髪質の悪化や肌荒れの原因になる
- 便秘になりやすい
- 日常生活に支障をきたす
- リバウンドした時のストレスが大きい
前述しましたが、痩せたらその分消費カロリーが少なくなるため、
元の生活に戻せば体重も元通りです。
結局、生活習慣によって収束する体重が決まっているため、
習慣を直さないといけないのです。
飢餓状態ではない場合:カロリー収支を見直す
では飢餓状態ではない場合の停滞期の抜け出し方ですが、
これはカロリーの収支を見直すだけです。
飢餓状態でないのなら、脂肪の増減はカロリー収支によって決まりますからね。
体重の減少とともに消費カロリーは減ってきているので、
再び体重を減らしていきたいのであれば、摂取カロリーを減らしたり消費カロリーを増やしたりする新たな習慣を付ける必要があります。
もし今まで何となくでダイエットをしていたのであれば、
これを機にカロリー管理を行いましょう。
1日の消費カロリーと摂取カロリーを調べたり計算したりする際は以下の記事を参考にして下さい。
ただ、消費カロリーを正確に把握するのは困難ですし、
食事のカロリー計算も厳密に行うのはかなり時間がかかります。
なので、現在の生活を基準にして、
- 通勤時に1駅分歩くようにする(消費カロリー:+〇〇Kcal)
- 1日に炊くご飯の量を1/3だけ減らす(摂取カロリー:-〇〇Kcal)
というように、追加で行う行動ごとに大体のカロリー計算をするようにしましょう。
ちなみに、簡単に摂取カロリーを減らしたり消費カロリーを増やしたりできる習慣についてもまとめています。
ぜひこちらもご覧ください。
あとがき
以上、停滞期の原因と抜け出すためのポイントについてでした。
- 極端なダイエットで飢餓状態になることがある
- 明らかにカロリー収支がマイナスなのに1週間以上体重が落ちない場合は飢餓状態の可能性が高い
- 飢餓状態となる場合は真っ当なダイエットではないので要注意
- 大抵の停滞期の場合はカロリーの収支を見直すことで改善される
このサイトでは何度も行っているのですが、
脂肪の増減はほぼカロリー収支によってのみ決まります。
そして体重の減少とともに消費カロリーが減っていくことを考えると、
結局はずっと続けられる生活習慣を身につけるしかダイエットの成功の道はありません。
頑張って一時的に食事制限や運動をしたところで、
一時的な減量程度の効果しか見込めませんからね。
ダイエットにおいては基本的なことです。
しかし、基本的なことを知らないがゆえに失敗してしまう人はあまりにも多いです。
闇雲にダイエットに取り組むのではなく、
まずはダイエットにおける基本的な知識を身につけることからはじめましょう。