「若い頃に比べて太りやすくなった」
「昔と同じものを食べても脂肪がつきやすくなった」
「年を取ってから運動しても痩せにくくなった気がする」
このようなことを感じる人は男女問わず多いと思います。
一般的に『中年太り』と言ったりしますが、30代を過ぎて40代・50代となっていくに連れて、痩せにくくなった、脂肪がつきやすくなったと感じるのは普通のことです。
では、これらは何が原因で起こるのでしょうか?また、どうやって解消すればいいのでしょうか?
詳しく解説していきます。
目次
中年太りの2つの原因
年を取ると太りやすいのは誰しも当てはまることです。
その原因として、
「ホルモンがどうとか」「更年期障害がどうとか」言われたりもしますが、
実はそこに複雑なメカニズムがあるわけではありません。
太ったり痩せたりというのは年齢に関係なく単純な仕組みです。
摂取カロリーと消費カロリーの収支によってのみ決まります。
消費カロリーが多い人は足りないエネルギーを脂肪を分解することで作り出す
ダイエットにおいてこのエネルギー保存則は常に成り立っており、
年を取ったからカロリー収支がマイナスでも脂肪が減らないなんてことは絶対にありません。
太りやすく痩せにくいということは、
摂取カロリーが多くなる、または消費カロリーが少なくなる、どちらかかということです。
結論を言うと後者です。
一般的に年をとると消費カロリーが減ってしまう理由が2つあるのです。
原因1.筋肉量低下に伴う基礎代謝の低下
年を取ってから筋肉を鍛えることもできますが、
普通の生活をしていたら年とともに筋肉が衰えていくのは普通のことです。
そして筋肉は脂肪よりも多くカロリーを消費するため、
同じ体重でも筋肉が少ない人ほど消費カロリーが少なくなります。
安静にしている時の消費カロリーを基礎代謝と言いますが、
基礎代謝は20代がピークとなりその後徐々に下がっていくものです。
しかし、実際は基礎代謝が大幅に落ちてしまうということはありません。
年齢や性別別の基礎代謝をまとめたので、
こちらを見てもらえれば分かると思います。
平均的な20代男性の基礎代謝は1500~1700、20代女性は1100~1200といったところ。
これに対し、40代以降の男性は1400~1500、女性は変わらず1100~1200となります。
原因としては、
筋肉低下に伴う基礎代謝の低下よりも、次のもののほうが大きいです。
原因2.運動量の低下
年を取ると運動量も自然と減ってしまうものです。
体力の低下に伴い、徐々に体力を使わないような習慣がついてきます。
階段ではなくエスカレーターやエレベーターを使うのが多くなったり、
歩く機会が減って車やバスでの移動が増えたり。
また、膝や腰が悪くなり、
あまり運動できなくなったという人も多いでしょう。
筋肉低下に伴い、運動量あたりの消費カロリーが落ち、
さらに運動量自体も自然と落ちてしまう。
そして運動量が落ちると筋肉も一層落ちやすくなる。
このように年をとると消費カロリーが少なくなるというのは極普通のことなんです。
中年太りを解消するダイエット法
では年を取ったらどうやって痩せれば良いのか、どうやって体型を維持すれば良いのか、
方法をご紹介します。
と言っても、年を取ったからと言って特別なダイエット法があるわけではありません。
前述した通り、太ったり痩せたりするメカニズムは、
単なるエネルギー保存則ですからね。
方法としては自然と以下の2つに絞られます。
- 食生活の改善で摂取カロリーを減らす
- 生活習慣の改善で消費カロリーを増やす
「何を当たり前なことを・・・」
と思うかもしれませんが、ダイエットというのは多くの人が思っている以上に単純明快で、
当たり前のことを当たり前にできるという人だけが成功するものです。
もしかしたら
「筋肉が減るのが太る原因なら、筋肉をつければいいのでは?」
なんて思うかもしれませんが、それは間違いです。
これについては詳しくは後述します。
では2つの方法について具体的な方法を交えて説明していきましょう。
方法1.食生活の改善で摂取カロリーを減らす
消費カロリーが減るということは必要なエネルギーが減るということなので、
摂取カロリーを減らす必要があります。
しかし、消費カロリーが減っても同じような食生活をしているため、
摂取カロリーが過多になって太ってしまうのです。
むしろ年をとるとお酒の量が増えてカロリーが増えてしまう人もいるでしょう。
お酒は種類に関わらずカロリーが多くなってしまうので、
できるだけお酒を飲む機会は少なくするべきです。
大事なのは消費カロリーの低下に伴い、食事量やお酒の量を減らすことです。
具体的におすすめの方法は以下の通り。
- 主食の量を徐々に減らしていく
- 脂っぽいものを食べる頻度を減らす
- 咀嚼の回数を増やしてゆっくり食べるのを心がける
- 野菜の割合を増やす
- 休肝日を増やしたり、お酒の量を減らす
方法2.生活習慣の改善で消費カロリーを増やす
できるだけ運動量が落とさずに消費カロリーを保つのが重要です。
有酸素運動や筋トレはするに越したことはありませんが、
それを継続できなければ意味が無いので、ずっと続けられるという自信が無い限りおすすめしません。
わざわざ運動する時間を作らなくても、
日常生活の中で運動量を増やすことはできます。
挫折しやすい運動を始めるよりも、
自然と運動量が増える習慣を身につける事のほうが遥かに重要です。
具体的な方法としては以下の通り。
- 階段を使うようにする
- 電車やバスの中で座らずに立つようにする
- 通勤時や帰宅時に1駅分歩くようにする
- 電車やバスを歩きや自転車に変える
- テレビを見ながらストレッチやもも上げなどをする
- 家では座らずに極力立つようにする
- 掃除の頻度を増やす
- 入浴時間を増やす
筋肉が落ちるのなら筋トレをすれば良いのではないのか?
筋トレはしないよりもする方が良いのは間違いないです。
しかし、筋トレをすれば筋肉が増えるというわけではありませんし、
消費カロリーの効率を考えても良い方法ではないのです。
基礎代謝関連のダイエット法でよく「筋トレをすれば痩せる体質になる」と言われますが、
筋肉をつけるには脂肪が増えるのも覚悟して食事量を増やさないといけません。
基本的に「基礎代謝を増やす」というのは「ダイエットで痩せる」のとは真逆のことだと思って下さい。
脂肪を減らして筋肉を増やすことなんてできませんし、
体重を増やさない限り基礎代謝は増えません。
他にも体温を上げたり、血流をよくしたり、便秘を治したり、
基礎代謝を上げる方法として紹介される方法がいくつかありますが、
いずれにしてもダイエットに影響があるほど基礎代謝を上げるのは不可能です。
基礎代謝は体を構成する組織(脂肪や筋肉)の重量によって大部分が決まるからです。
また、筋トレで筋肉に負荷をかければ基礎代謝の低下もある程度防げますが、
それでは非効率です。
実際は年を取って太りやすくなるというのは「基礎代謝が低下すること」よりも、
「運動量の低下」や「消費カロリーが低下したにも関わらず摂取カロリーが減らないこと」の方が原因として大きいですからね。
あとがき
以上、中年太りの原因や中年太りを解消するダイエット法をご紹介しました。
年をとっても太ったり痩せたりするメカニズムは変わらないので、
特別なことをする必要はありません。
「年を取ると〇〇をしても痩せない」
「年を取ったら〇〇ダイエットが有効」
なんてことはありません。
痩せるためには、摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やすだけです。
体力が減って行動の幅は狭くなりますが、
カロリーの収支をきちんと管理するだけで確実に痩せます。
そして、年齢に関わらず、
過度な食事制限や長時間の運動は続かないので日常の中で痩せる習慣を身につけるのが重要です。
手軽にできる習慣についてこちらにまとめているので、ぜひご覧ください。