腹筋

クランチ・シットアップのやり方や効果の違い|器具を使わない腹筋の筋トレ

クランチ・シットアップのやり方や効果の違い|器具を使わない腹筋の筋トレ

器具を使わずに腹筋を鍛える種目といえば、『クランチ』や『シットアップ』などが代表的です。

どちらも一般的に「腹筋運動」や「上体起こし」などと言われることが多い筋トレですが、いまいちこの両者の違いが分からない人も多いかと思います。

そこで今回は両者の違いを明確にした上で、それぞれの正しいやり方や効果などを詳しく説明していきます。

1.クランチとシットアップの違い

クランチ

仰向けになって膝を曲げた状態で上半身を起こす運動、
これは一般的には腹筋運動や上体起こしなどと言う人も多いと思いますが、
正式には“クランチ”“シットアップ”という種目です。

腹筋の筋トレについて調べていると必ず出てくるこれらの種目ですが、
クランチとシットアップは同じような動きなので違いがわからないかと思います。

なので、まずは両者の動作の違いについて。

クランチは足を地面から離して行うという説明や、
シットアップは足の甲を固定して行うという説明など見かけますが、
重要なのは以下の違いです。

  • クランチ:腰が地面から離れない範囲で上体を起こす
  • シットアップ:腰が完全に離れるまで上体を起こす

以上が両者の動作の違いです。

ではこれらの違いが筋トレ効果にどういう違いを及ぼすのかというと、
鍛えられる部位や腹筋にかかる負荷です。

  • クランチの筋トレ効果:腹直筋に集中
  • シットアップの筋トレ効果:股関節屈筋にも負荷がかかる分、腹直筋の負荷が軽減

一見可動域が広いシットアップの方が腹筋への負荷が大きいように思われますが、
腹筋に負荷がかかる位置で上体を止めるクランチの方が腹筋への負荷が大きくなります。

上体を起こす時、最初は腹筋に負荷がかかりますが、
腰が離れるくらいまで起こすと後は股関節や足の付根に負荷が移行してしまうのです。

また、シットアップは腰を痛める危険性も指摘されています。

2.鍛えられる部位

続いて、鍛えられる部位について具体的に図で見ていきましょう。

クランチ・シットアップともに“腹直筋”が主に鍛えられますが、
上体を起こす際にひねりを加える事で脇腹の“腹斜筋”も鍛えることができます。

腹筋の図

シットアップの場合は上体を起こす後半の動作で股関節の筋肉を使うので、
股関節を屈曲するのに使う筋肉、“腸腰筋”(小腰筋・大腰筋・腸骨筋)や“大腿直筋”なども鍛えられます。

腸腰筋 大腿直筋

3.正しいやり方・フォーム

クランチとシットアップの正しいやり方やポイントについて説明していきます。

3.1.クランチのやり方

クランチ
  1. 仰向けになり足は90度に上げ、手は耳のあたりに軽く添えるか胸で組む
  2. 息を吐きながら腰を支点に上体を起こし、頂点で静止(腰を地面から離さない)
  3. 息を吸いながら上体をおろす

ポイントとしては、腰を支点にして腰から上のみを起こすということです。

こうすることで股関節に負荷が及ばず、
腹筋を重点的に鍛えることができます。

最初は腹筋に手を当ててしっかり腹筋を意識して行うといいでしょう。

また、腹筋に一番負荷がかかる頂点で1秒~2秒ほど静止することで、
より強度の高いトレーニングにすることができます。

それとフローリングなど床が硬い場所で行うと腰が痛いと思うので、
下にマットやクッショを敷きましょう。

3.2.シットアップのやり方

シットアップ
  1. 仰向けになり足裏は地面に付けて膝を90度位に曲げ、手は耳のあたりに軽く添えるか胸で組む(足の甲を押さえつけて固定するのが一般的)
  2. 息を吐きながらお尻を支点に上体を起こす(腰が地面から完全に離れるまで起こす)
  3. 息を吸いながら上体をおろす

クランチとは違い、お尻を支点にして完全に上体を起こします。

また以下の様なシットアップベンチなど、
傾斜でシットアップを行うことで負荷を重くすることもできますが、
腹直筋ではなく腸腰筋、大腿直筋への負荷が重くなるだけです。

シットアップベンチ

腹筋を鍛えるならシットアップよりもクランチの方が適しています。

4.クランチ・シットアップの応用

基本的なクランチとシットアップのやり方について見てきましたが、
続いて応用としてバリエーションを加える方法について見ていきます。

4.1.腹斜筋を鍛える方法

脇腹の筋肉、腹斜筋を鍛えたい場合は、
クランチにひねりを加えたトレーニング、“ツイストクランチ”をしましょう。

基本的にはクランチにひねりを加えるだけですが、
手を耳にそえて肘を左右反対側の膝に当てるようにし、
クランチ同様上体を起こしすぎないようにします。

4.2.負荷を軽くする方法

十分な筋力がなく、一回もできない場合はトレーニングにならないので、
負荷を軽くする必要があります。

クランチができない人は足を固定すると負荷が分散される分少し楽になります。

筋力がつくまでは足の甲に重りをのせたり、他の人に支えてもらった状態でクランチを行い、
足を固定しなくてもクランチができるようにしましょう。

また、手を膝の方にまっすぐ伸ばした状態で行うと、
クランチ、シットアップともに負荷が軽くなります。

クランチやシットアップができない場合はこれらの方法で負荷を軽くしましょう。

  • 足を固定する
  • 手を前に伸ばす

4.3.負荷を重くする方法

クランチやシットアップは負荷が軽めの運動なので、
筋力がついてきたら何十回と行えるようになるでしょう。

そうなってきた時、負荷が不十分なため、
筋トレ効果はあまり得られなくなります。

腹筋運動に限ったことではありませんが、
きつくないトレーニングを100回繰り返しても、
時間がかかるだけではなく、筋トレとしての意味もほとんどありません。

筋トレはギリギリ10回くらい行える程度の負荷で常に行う必要があります。
高負荷低回数の筋トレですね。

これは男性が体を大きくする目的であっても、
女性がダイエットを目的とする場合でも変わりません。

詳しくはこちら⇒ダイエットに筋トレは必要?男性・女性問わず筋トレをするべき理由

つまりクランチやシットアップも
筋力の成長に合わせて負荷を重くしていく必要があるのですが、
どうやって負荷を重くするのかというのが課題になります。

方法としては主に2つ。

  • ゆっくり行う
  • ダンベルなど重りを持って行う

どんな筋トレでも基本的にゆっくり行うだけで負荷が重くなるものです。

特にクランチの場合は上体を起こした頂点で静止する時間を多くし、
体を降ろす時ゆっくり降ろすのを意識するだけで大きく負荷は変わってくるでしょう。

また、ダンベルを胸の前で持ってクランチを行うことで、
ダンベルの重さに応じて負荷を重くすることができます。(ダンベルクランチ)

詳しくはこちらをご覧ください。
ダンベルで腹筋を鍛える筋トレ|サイドベントやダンベルクランチ等の方法・効果

通常のクランチやシットアップが何十回とできるようになれば、
ゆっくり行ったり、ダンベルを持って行ったりして負荷を重くしていきましょう。

ただ、これでもいずれは負荷が物足りなくなりまうので、
個人的には腹筋を鍛えるなら“腹筋ローラー”がおすすめです。

腹筋ローラー自体クランチ等よりも負荷が大分重いトレーニングですが、
やり方によって負荷を調整できますし、長く使えて便利な割に手軽に購入できる筋トレ器具です。

詳しくは以下をご覧ください。

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ちなみに、腹筋の鍛え方や腹筋を鍛える種目をまとめたので、
是非こちらもご覧ください。

>>腹筋の筋トレ一覧<<

著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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