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【ダイエットの嘘】「有酸素運動は食事前が効果的」は嘘!正しいタイミングについて解説

ランニングやウォーキングなど、有酸素運動はダイエットにおいて有効な方法ですが、有酸素運動の取り組み方に関して色々と間違った情報が出回ることが多いです。

「20分以上しないと意味がない」「筋トレの後に行うと効果的」「心拍数が重要」など。

そして有酸素運動を行うタイミングについてのデマもよく聞かれます。

今回はこのことについて詳しく解説していきます。

Q「有酸素運動は『食前』に行うと脂肪がよく燃えるというのは本当?」

ランニングやウォーキングなどの有酸素運動は食事前に行うと脂肪がよく燃えてダイエットに効果的と聞きましたが、これは本当ですか?

今回、このような質問を頂いたのでこれについて回答していきます。

結論としては以下の通り。

「有酸素運動は血糖値が低い時に行うと体内の糖よりも脂肪がエネルギーとして使われやすい」とよく言われます。
『起床直後』『食事前』などです。

しかし、実は運動時に糖が使われようが脂肪が使われようがダイエットにおいて全く関係ありません。
結局痩せるかどうかはカロリーの収支で決まるからです。

有酸素運動において大事なのは継続することなので、自分の生活に合ったタイミングで行うのが重要です。

 

有酸素運動のダイエットに関する情報は様々なサイトで発信されていますが、
間違った情報ばかりです。

今回の件は以前解説した、
有酸素運動は20分以上しないと意味がない
有酸素運動は心拍数でダイエット効果が変わる
有酸素運動の前に筋トレをすると脂肪燃焼効果UP
などと同様のデマです。

では詳しく解説していきます。

「有酸素運動は食前が効果的」というデマの概要

どういった理屈で食前の運動が良いと言われているのか。

前程として、私達が運動でカロリーを消費する際、
エネルギー源となる物質は主に2種類あります。

  1. 糖質:すぐに大きなエネルギーとして取り出せるが、枯渇するのは早い
  2. 脂肪:長時間エネルギーとして取り出せるが、取り出すのに時間がかかる

※詳しい話をすると、『エネルギーとは“ATP(アデノシン3リン酸)”という物質で、この物質を作り出すのはATP-CP系、解糖系、有酸素系の3つの種類があり…』という少し専門的な話になるので、少し簡略化してお伝えします

糖質は筋肉や血液中に存在しますが、
食前はこれらが少なくいわゆる血糖値が低い状態食後は補給されているので血糖値が高い状態になります。

血糖値が低い時に運動を行うことで糖質よりも脂肪がよく使われるようになるため、
食後よりも食前に運動する方がダイエットに効果的と言われるのです。

まとめると以下の通り。

  • 食事前は血糖値が低い(すぐ取り出せる糖質が少ない)
  • 糖質の代わりに脂肪がエネルギーとして使われやすい
  • 脂肪が落ちやすくダイエットに効果的

しかし、この理論は途中までは正しいのですが、
結論は全く的はずれです。

運動で糖質が使われようが脂肪が使われようが、ダイエットにおいて全く関係ないのです。

運動のタイミングがダイエットにおいて重要ではない理由

では「運動が食前に行うのが痩せやすい」という理論のどこが間違っているのかを解説していきます。

簡単に説明すると、糖質と脂肪は互いに補い合うような関係にあり、
運動で脂肪が多く消費されればその後の食事で脂肪が多く補給されるだけなのです。

また、血糖値が高いとインシュリンによって糖が脂肪へと変換されるので、
食後の運動で血糖値を下げるのは脂肪の増加を防ぐことに繋がります。

運動のタイミングによる特性の違いをまとめると以下の通り。

  • 食前の運動:運動中に脂肪は多く燃焼されるがその後の食事で脂肪が増えやすい
  • 食後の運動:運動では脂肪よりも糖が多く使われるが脂肪の増加を抑制できる

結局痩せるかどうかというのは、
食事と運動のカロリー収支によって決まります。

その過程の細かなメカニズムに注目したところで何の意味もないのです。

食前の運動をすすめる人は食後の高血糖の状態については触れずに、
ただ運動中のエネルギー生産だけしか言及しません。

この理論を言う人に限って、
「血糖値を上げなければ太らないので糖質制限ダイエットがすごい!」
などとダブルスタンダードなことを平然と言ったりします。

結局どんなダイエットにおいても痩せるかどうかはカロリー収支が左右するので、
その他の余計な情報は鵜呑みにしないように注意しましょう。

むしろ運動はエネルギー補給をしてから行うほうがパフォーマンスが向上するので、
食前よりも食後の運動のほうが個人的にはおすすめです。

もっといえば、
有酸素運動に限らずダイエットは短期間では結果は出ず、継続が何よりも大事なので、
自分が続けやすいタイミングで運動をするのが重要なのです。

あとがき

最後にまとめると以下のようになります。

  1. 有酸素運動のエネルギー源は“糖質”と“脂肪”だが、食前は血糖値が低いので脂肪が使われやすいのは事実
  2. 運動によって脂肪が使われればその分食事によって補給されるので、運動のタイミングでダイエット効果は変わらない
  3. 有酸素運動は継続がなによりも大事なので、自分の生活スタイルに合ったタイミングで運動を行うのが大事

有酸素運動のタイミングについて、
「夜よりも血糖値が低い朝の方が効果的」と言われたりもしますが、
今回の内容を理解すればこれも誤りであるというのが分かるかと思います。

ちなみに、ダイエットにおける有酸素運動の知識について詳しくまとめているので、
ぜひこちらもご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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