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スクワットは筋トレに最適だがダイエット効果はない!消費カロリーや基礎代謝について解説

スクワットは複数の大きな筋肉を同時に鍛えることができるので、筋トレとして非常に効果的な種目です。

そして最近では、ダイエットにも効果的とまで言われる風潮にあります。なんでも「スクワット15回が腹筋500回分の効果に相当する」のだとか。

また、30日スクワットをするだけで理想の体型に近づけるという『30日スクワットチャレンジ』なども話題になっています。

確かにスクワットは筋トレの種目としては非常に優秀です。

しかしスクワットにダイエット効果についてはほとんど見込めませんし、他の運動と比べるとかなり非効率なのです。

今回は何故スクワットが痩せないのかということを中心に、スクワットを始めとする筋トレの正しい知識についてまとめていきます。

1.スクワットでは痩せれない

なぜスクワットのダイエット効率が悪いのか説明します。

1.1.スクワットは無酸素運動

スクワットは有酸素運動ではなく、無酸素運動(筋トレ)です。

  有酸素運動 無酸素運動
特徴 長時間続けられる すぐに力尽きる(数秒~数十秒)
種目 ウォーキング、ジョギング、自転車、階段昇降 全力疾走、筋トレ
主なエネルギー源 脂肪 糖質
役割 消費カロリーを増やしてダイエット 筋肉に負荷を与えることで筋肉増強、またはダイエット中の筋肉低下の抑制

これらの違いを簡単に説明すると以下の通り。

  • 有酸素運動:長時間続けられるので結果的にカロリーを多く消費する
  • 無酸素運動:すぐ力尽きるのでカロリーをあまり消費しないが、筋肉に負荷をかけられる

詳細:有酸素運動と無酸素運動の種類

もっとざっくり説明するなら、
有酸素運動:脂肪減少に有効」「無酸素運動:筋トレに有効」ということです。

ダイエットにおいて脂肪の増減はカロリー収支で決まるため、
カロリーを消費しない運動では脂肪を落とすことができません。

両者に明確な境界があるわけではありませんし、
スクワットも取り組み方によっては有酸素運動とも見れます。

しかしスクワットは筋肉への負荷が大きく長時間行うことができないので、
他の運動と比べるとカロリー消費効率は著しく落ちるのです。

では実際にスクワットの消費カロリーを見てみましょう。

1.2.スクワットのカロリー消費効率は低い

スクワット1回当たり“0.40kcal~0.50kcal”程度。

体重・やり方にもよりますが、
これが大体の目安です。

1日に推奨されるスクワットの回数は大体50回~100回なので、
これでどれくらいのカロリー消費が見込めるかというと、

  • 50回:20~25kcal
  • 100回:40~50kcal

恐らく、想像以上に低いので驚いたのではないでしょうか?

スクワット100回飴玉2個程度
ジョギングだと5分程度のカロリーにしかなりません。

「スクワット15回=腹筋500回」と言われていますが、
消費カロリーについては、「スクワット100回=ジョギング5分」なのです。

ジョギング5分=スクワット100回

ただスクワットの運動強度自体は、
“早歩きのウォーキング”と同程度なので決して低くはありません。

同じ時間取り組んだら同じだけカロリーを消費します。

しかし全身運動のウォーキングと比べて、
スクワットは太ももやお尻に負荷が集中するため、同じ時間取り組むには何倍も労力が必要になるでしょう。

有酸素運動は長時間続けられるからカロリーが多くなるのです。

スクワットはカロリー消費効率が悪いというよりも、
長時間続けられないので結果的にカロリーが低くなるということです。

1.3.スクワットで基礎代謝は上がらない

「スクワットはカロリーを消費しなくても、基礎代謝が上がり痩せる体質になるのではないか?」

このように反論する人もいるでしょう。

スクワットがダイエットに効果的と言う人が唱える理論は次の通りです。

スクワットダイエットを提唱する人の理論

  1. スクワットで大きい筋肉が鍛えられる
  2. 他の筋トレよりも筋肉が多く付く
  3. 基礎代謝が増え、痩せやすくリバウンドしにくい体質になる
  4. 自然と痩せるようになる

この理論のどこがおかしいか分かりますか?

実は、『1.スクワットで大きい筋肉が鍛えられる』以外全て間違っています。

もしかしたら、
「筋トレをしたら脂肪が筋肉に変わる」と思ってはいませんか?

これは間違いです。

筋肉は現在体に付いている脂肪が変化するのではなく、
新しく摂取した食事が筋肉になるのです。

つまり筋肉を増やすには、
十分な食事(消費カロイー以上のカロリー摂取)が必要ということ。
そしてその場合は筋肉のみならず脂肪も一緒に増えてしまいます。

 

また、カロリー収支をマイナスにして脂肪を落とす際、
脂肪だけではなく筋肉も同様に分解されてしまいます。

 

少なくとも、ダイエット中に筋肉を増やすのは非現実的なのです。

そして仮に筋肉を増やしたとしても、
基礎代謝が大幅に増えるということはありませんし、
ダイエットの過程でまた基礎代謝は減っていきます。

スクワットに限らず『基礎代謝を上げるダイエット』というのは無数にありますが、
このコンセプト自体、ダイエットとして破綻しているのです。

「筋トレダイエット」についても多くの人は誤解しています。

このことはこちらに詳しく解説しています。

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結局脂肪を減らして体重を落とすには、
食事制限や有酸素運動で「消費カロリー>摂取カロリー」にするしかないのです。

ただ、筋トレがダイエットにおいて役に立たないということでもありません。

筋トレをすると、ダイエット中の筋肉低下を最低限に留めることができます。

詳しくは後述します。

2.「スクワット15回=腹筋500回」について

「スクワット15回=腹筋500回」という文言について触れたいと思います。

少しでも知識があればすぐにありえないというのが分かるかと思いますが、
このフレーズが強烈だったためか、2chやキュレーションサイトなどで拡散され、
これを信じてしまっている人も多くいるようです。

どうやらネタ元はここのようですね。
【追記あり】やせたかったら腹筋より「スクワット」をすべし!(プチマッスルライフ第6回) | ライフハッカー[日本版]

要約すると以下の通り。

  • 筋量の多い部位を動かすトレーニングは、「消費カロリー」も「増加する基礎代謝」も多い
  • スクワットは大きい筋肉を鍛えられるので、同じ筋肉量を増やすにはスクワット15回だけで腹筋500回に相当する
  • 痩せる筋トレにはスクワットがふさわしい

この情報のせいか、
「スクワットが腹筋に効く」と思い込んでいる人もいるようです。

スクワット15回=腹筋500回との記事をネットで良く目にします。

当方スクワットを毎日50回やるを一年くらい続けてます。
お尻上がってきたりと嬉しい効果はでており、そこに問題はないのですが、今日たまたま腹筋をしてみたら、1回目ですでに起き上がれない。
頑張って3回で断念…。

…毎日スクワットしてるけど全く腹筋に効いてないんですが。これは…。
いや、お尻の筋肉には効いてると思うんですが。
ちなみにスクワットしてるときに、お腹の下のほうに力が入ってる自覚はあります。

スクワット15回=腹筋500回て根拠ある記事なんでしょうか?

引用:Yahoo!知恵袋

この手の勘違いはよく見かけます。

全く異なる部位の筋トレを比べるのは無意味ですし、
それぞれにどれだけの負荷をかけて行うかでも話は違ってきます。

いずれにしてもスクワットで腹筋に負荷はかからないので、
どれだけ行っても腹筋が鍛えられることはないでしょう。

腹筋よりもスクワットで鍛えられる筋肉の方が体積が大きいというだけです。

ダイエットのための種目という意味なら、
腹筋もスクワットもカロリーをほとんど消費しないためどちらも非効率です。

腹筋に関しての詳細はこちらをご覧ください。

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3.スクワットは筋トレの種目としては優秀

スクワットは体重を減らす目的で行うのには非効率であると述べてきましたが、
筋トレの種目としてなら話は別です。

筋トレとしてなら、スクワットは非常に優秀な種目です。

複数の、しかも大きな筋肉を鍛えることができますし、
さらにシンプルな動作のため誰でも簡単にできます。

具体的には、太ももの前面“大腿四頭筋”、お尻の筋肉“大殿筋”
股関節の内側の筋肉“内転筋群”などが鍛えられ、
太ももの裏側、“ハムストリング”もある程度鍛えられます。

スクワットで鍛えられる筋肉内転筋群

スクワットは筋トレの中でも代表的な3種目、BIG3の一つとして名を連ねていますしね。

  • 筋トレBIG3:ベンチプレス・スクワット・デッドリフト

スクワットは脂肪や体重を減らす目的では不適切ですが、
筋トレの種目としてはとても優秀な運動ということです。

ただそれでも「スクワット15回=腹筋500回」というのはありえません。
鍛える部位が全く異なる種目を比較することに意味はないですからね。

4.ダイエット中のスクワット(筋トレ)の意味

「スクワットで脂肪や体重を減らすのは非現実」と分かってもらえたかと思います。

しかしだからといって、
筋トレはダイエットにおいて不要なのかというと、決してそんなことはありません。

むしろダイエットをする上で筋トレは重要です。

確かにダイエット中の節制した状態で筋トレをしても筋肉は増えませんが、
筋肉の減少を抑えることができるのです。

4.1.筋トレダイエットは筋肉の減少を抑えるのが目的

前述しましたが、
『消費カロリー>摂取カロリー』の状態にすると体重は減りますが、
この時、脂肪だけではなく筋肉も分解されてしまいます。

体脂肪率が多い場合は脂肪が落ちやすいのですが、
そうでなければ筋肉は脂肪と同じくらい分解されてしまうのです。

筋肉は維持するだけでもエネルギーを要する“燃費の悪い組織”ですからね。

特に摂取カロリーを極端に落とした場合、
少ないエネルギーでも不都合のない体にするために筋肉の減少量は顕著になります。

体重は落ちても体脂肪率は変わらない、贅肉が落ちない、見栄えが良くならない、
こんな経験がある人も多いのではないでしょうか?

スクワットなどの筋トレで筋肉に負荷をかければ、
筋肉の分解を最低限に留めることができます。

ダイエット中の筋トレは、
筋肉を維持する目的で行うものなのです。

そして筋肉の分解が抑えられる分、
脂肪分解によって不足する分のカロリーが補われるということ。

つまり同じカロリー収支の場合でも、
筋トレをした方が体脂肪が落ちやすいということです。

スクワットは多くの筋肉に刺激を与えることができるので、
こういう目的で行う場合でも優秀な種目と言えます。

5.ダイエット中のスクワットの取り組み方

スクワットに限らず、筋トレダイエットでよく言われるのが、
「女性は筋肉を太くしないために低負荷高回数の筋トレをするべき」
という文言です。

重いダンベルなどで負荷をかけないかわりに、
軽い筋トレの回数をこなすべきということ。

「重い負荷の筋トレをすると筋肉が太くなる」と思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、ここまでの説明が理解できたなら、
これが間違いであると分かってもらえるかと思います。

筋肉は脂肪が変化するものではなく、
新しく摂取した食事から作られるものです。

そして十分なカロリーを摂取していない状態だと筋肉が付くことは絶対にありません。

たとえどんなにきつい筋トレをしたとしても。

特に、女性の場合はホルモンの関係上、
男性よりも筋肉が付きにくいという性質があります。

逆に低負荷だと時間がかかって効率が悪いだけではなく、
きちんとした筋トレ効果が得られない場合もあります。

スクワットを50回、100回とやったところで、
筋トレとしての効果はそこまで期待できないでしょう。

では具体的にどうすれば良いのかというと、
10回前後で限界を迎える程度の負荷で行うスクワットです。

自宅で行う場合でも、
ダンベルがなければリュックや重い物を持ったり、
片足ずつ行ったりすることもできます。

ダイエット中の筋トレであっても、
きつい負荷でなければ意味が無いのです。

スクワットのフォームについては以下をご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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