三大栄養素の中で唯一不足しがちな栄養素がたんぱく質です。
たんぱく質は筋肉を維持するのに必要になったり、健康や美容に関して大きな役割を担っていますが、ダイエット中には特に不足してしまう傾向にあります。
それは、たんぱく質を多く含む食品は高カロリーのものが多いからです。
そこで今回、ダイエット中でも安心して食べれる「低カロリー高タンパク」な食品や料理をご紹介します。
1.低カロリー高タンパクの何が良いのか?
まずは「低カロリー高タンパク」の重要性について知りましょう。
1.1.たんぱく質の重要性
ダイエットと関連付けられることからよく誤解されがちですが、
たんぱく質を摂ったら痩せるとか、基礎代謝が上がるとか、
そういうわけではありません。
たんぱく質は筋肉の原料なので、
“体重減少の際の筋肉の減少を抑える役割”があります。
また、たんぱく質は筋肉の他にも体の大部分を構成しているため、
健康や美容に関して大きな役割を担っています。
つまり、たんぱく質が不足すると、
体重が落ちても脂肪より筋肉が落ちやすいため、体脂肪率変化が乏しかったり、
体調を崩しやすくなったり、肌や髪質のダメージに繋がるのです。
そして、なぜたんぱく質がダイエットと関係付けられるかというと、
上記のように重要な栄養素であるにも関わらず、ダイエット中に不足しがちだから。
1.2.たんぱく質食品が高カロリーな理由
なぜダイエット中にたんぱく質が不足しがちなのかというと、
「たんぱく質=高カロリー」というイメージがあり、
たんぱく質が豊富な食品が敬遠される傾向にあるからです。
しかし、たんぱく質自体はカロリーは高くありませんし、
太る要因となることはほぼありません。
食品のカロリーは、『炭水化物:4Kcal/g、たんぱく質:4Kcal/g、脂質:9Kcal/g』
で決まりますが、たんぱく質は脂質よりカロリーは低く、炭水化物ほど食品から摂取する量は多くないですからね。
たんぱく質の1日の推奨量は“自分の体重の1/1000程度”、
筋トレで筋肉をつけたい場合はその倍程度です。
つまり、体重50Kgなら50g(筋肉をつけたい場合は100g)、
体重60Kgなら60g(筋肉をつけたい場合は120g)ですね。
推奨量を摂取しても、たんぱく質による1日のカロリー摂取量は数百Kcalにしかなりません。
では、何が問題なのか。
それは、“肉”や“卵”など、
たんぱく質が豊富な食品は脂質も同様に多く含んでいる場合が多く、
そのため高カロリーであることが多いということです。
つまり、“低カロリー高タンパク食品”とは、
“低脂質高タンパク食品”ということです。
低カロリー高タンパクについてまとめると以下のとおりです。
■低カロリー高タンパク食品について
- たんぱく質は体重減少に伴う筋肉の減少量を抑える
- 健康や美容を損なわないようにするのにも重要
- たんぱく質が豊富な食材は脂質も多く高カロリーの場合が多いためダイエット中は敬遠される
- 「低カロリー高タンパク食品」=「低脂質高タンパク食品」
2.低カロリー高タンパクの食品
続いて、具体的な低カロリー高タンパクな食品をご紹介します。
2.1.鶏肉(サラダチキン・ササミ)
肉は高カロリーというイメージがあると思いますが、
実際に牛肉や豚肉はたんぱく質だけでなく脂質も多く含むため高カロリーです。
しかし、鶏肉は牛、豚と比べた場合、
部位によらず“全般的に脂質が少なく低カロリー”なのです。
それでいてたんぱく質の含有量に遜色ありません。
たとえば、
コンビニの“サラダチキン(鶏むね肉)”は代表的ですね。
脂質が少ないので低カロリー高タンパクなのは当然ですが、
そのまま食べれますし、サラダに加えても美味しいのでとてもおすすめです。
詳細:コンビニのサラダチキンが凄い!カロリーやダイエット効果について
また、鶏肉の部位の中でも“ササミ”は特に脂質が少ないため、
低カロリー高タンパクの最たる食品と言えます。
■100gあたりの栄養目安
- サラダチキン:105Kcal(たんぱく質:23.8g、脂質:0.9g)
- ササミ:114Kcal(たんぱく質:24.6g、脂質:1.1g)
- 鶏むね肉(皮つき):191Kcal(たんぱく質:19.5g、脂質:11.6g)
- 鶏むね肉(皮なし):108Kcal(たんぱく質:22.3g、脂質:1.5g)
2.2.魚全般
魚も肉と同等程度のたんぱく質を含みますが、
脂質は全般的に肉よりも少ないので、比較的低カロリー高タンパクな食品として挙げられます。
そして、肉と比べた時、“脂質が良質”というのもポイントです。
肉の脂質は飽和脂肪酸というコレステロールを増やす脂質なのですが、
魚の脂質はEPAやDHAといった不飽和脂肪酸でコレステロールを減らしてくれる脂質なのです。
詳細:悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす食品&サプリ
■100gあたりの栄養目安
- まあじ(水煮):143Kcal(たんぱく質:23.6g、脂質:4.6g)
- あゆ(焼き):177Kcal(たんぱく質:26.6g、脂質:6.8g)
- かれい(水煮):107Kcal(たんぱく質:21.4g、脂質:1.7g)
- しろさけ(焼き):171Kcal(たんぱく質:29.1g、脂質:5.1g)
- 鯖缶(水煮):190Kcal(たんぱく質:20.9g、脂質:10.7g)
- ししゃも(焼き):177Kcal(たんぱく質:24.3g、脂質:7.8g)
- シーチキン(まぐろ、水煮):71Kcal(たんぱく質:16.0g、脂質:0.7g)
2.3.大豆食品
肉や魚と比べるとたんぱく質の量は劣りますし、
脂質もそれなりに含まれます。
しかし、たんぱく質の他に不足しがちな“カルシウム”や“ビタミンB群”が豊富で、
意外と“食物繊維”も含まれているのがポイントです。
また、大豆の脂質は魚と同様、
“不飽和脂肪酸”というコレステロールを減らしてくれる健康に良い脂質です。
ほかにも大豆イソフラボンなど、美容に良い成分も多く含まれています。
■100gあたりの栄養目安
- 木綿豆腐:72Kcal(たんぱく質:6.6g、脂質:4.2g)
- 納豆:200Kcal(たんぱく質:16.5g、脂質:10.0g)
- おから:111Kcal(たんぱく質:6.1g、脂質:3.6g)
- 豆乳:46Kcal(たんぱく質:3.6g、脂質:2.0g)
2.4.プロテイン
食品というよりもサプリメントのようなものですが、
プロテインもおすすめです。
プロテインはアスリートや本格的な筋トレをする人が摂取するものだと思われがちですが、
プロテインはそんな特別なものではなく、言ってしまえば単なる“たんぱく質の塊”です。
一般的な食品からとるたんぱく質とは違いはありません。
脂質など余計な栄養素があまり含まれていないので、
低カロリー高タンパクという意味では一番の食品ですね。
ただし、種類によって大きな違いがあるので注意しましょう。
選び方についてですが、
“タンパク質含有率”が一番重要です。
低カロリー高タンパクが目的なので当然ですね。
また、ダイエット向け、女性向けに販売されているものは
総じて低品質なものが多いので注意しましょう。
ダイエットの際には食事の前にプロテインを飲む“置き換えダイエット”がおすすめです。
プロテインのより詳しい説明はこちらをご覧ください。
⇒プロテインダイエットの方法|効果的な飲み方・おすすめプロテイン
3.低カロリー高タンパクな料理
続いて、低カロリー高タンパクな食材を使った料理をご紹介します。
3.1.ささみと水菜のさっぱり梅サラダ
■材料
- ささみ
- 水菜
- にんじん
- 長ネギ
- 梅干し
- ごま油
- めんつゆ
- 酢
- 白ごま
- 酒
3.2.ササミとほうれん草の胡麻マヨ和え
■材料
- 鶏ササミ
- ほうれん草
- 砂糖
- 醤油
- マヨネーズ
- 白すり胡麻
3.3.鶏ささみの焼き鳥風
■材料
- 鶏ささみ
- 塩
- 片栗粉
- サラダ油
- 醤油
- 砂糖
- みりん
- 合わせ味噌
- オイスターソース
- にんにく
3.4.胸肉と大葉のゴロゴロ焼き
■材料
- 鶏むね肉
- 大葉
- 片栗粉
- 酒
- マヨネーズ
- 醤油
- 塩コショウ
3.5.簡単!トロッと柔らか鶏胸肉と白菜の中華煮
■材料
- 鶏胸肉
- 白菜
- 醤油
- 料理酒
- しょうがチューブ
- ニンニクチューブ
- 片栗粉
- 油
- 鶏ガラスープの素
- 醤油
- 料理酒
- 塩
- 砂糖
- ごま油
3.6.白身魚のゆず昆布レンジ蒸し
■材料
- 白身魚
- 白菜
- 人参
- 昆布
- ゆず
- しょうゆ
- みりん
3.7.かれいの煮つけ
■材料
- かれい
- 水
- 砂糖
- 酒
- みりん
- しょう油
- しょうがの薄切り
3.8.豆腐なのにご飯がススム!簡単豆腐ステーキ
■材料
- 豆腐(木綿)
- 小麦粉
- 醤油・砂糖
- 酢
- 豆板醤(お好みで)
3.9.ふんわり♪絶品ソースの豆腐ハンバーグ
■材料
- 豆腐
- とりひき肉(むね)
- ピザ用チーズ
- 塩
- 黒こしょう
- めんつゆ
- みりん
- みそ
- 片栗粉
- 水
- 酒
- 大葉、大根おろし
3.10.ポテトサラダみたい~!簡単☆おからサラダ
■材料
- 生おから
- ツナ缶(オイル漬け)
- きゅうり
- 塩
- マヨネーズ
- 牛乳(または豆乳)
あとがき
以上、低カロリー高タンパクな食品・料理をご紹介しました。
最後に再び誤解のないように言っておきますが、
たんぱく質自体にダイエット効果があるわけではありません。
ダイエット中に不足しがちで重要な栄養素というだけです。
痩せるためにはたんぱく質を摂るかどうかというのは関係なく、
いずれにしろ『消費カロリー>摂取カロリー』にしないといけません。
このことはきちんと抑えておきましょう。
また、たんぱく質以外にも重要だけどダイエット中に不足しがちな栄養素はあります。
このことについて詳しくまとめているので、
ぜひ以下の記事を参考にして下さい。