ダイエット法

女性のお尻が大きくなる原因&お尻痩せに効果的なダイエット法

「お尻に脂肪がつきやすい」

「体重は落ちてもお尻のサイズは小さくならない」

このようにお尻の大きさに関する悩みを持っている女性は多いです。

一方、体重やお腹の脂肪に悩む男性はいても、お尻の大きさを気にしている男性はあまりいません。

実は、女性は男性に比べて“お尻が大きくなりやすい”、“お尻に脂肪がつきやすい”という性質があるのです。

では、お尻を小さくするにはどうすればいいでしょうか?

ネットや雑誌などで様々な情報を見かけることがあるでしょう。

  • 「1日5分のエクササイズで簡単にヒップサイズがダウン」
  • 「骨盤の歪みを直してお尻を小さくしよう」
  • 「お尻のマッサージで解決」

など、色々な方法があるかと思いますが、そのほとんどは間違っているため効果が期待できません。

今回は本当に効果があるお尻痩せの方法をご紹介します。

女性のお尻が大きくなる原因

「お尻が大きいのは人によって様々な原因がある」と思われがちですが、
そうではありません。

お尻の大きさに悩む女性の原因は2つだけです。

原因1.皮下脂肪

女性は男性に比べてお尻に脂肪がつきやすいため、
単純に脂肪によってお尻が大きくなっているという場合が大半です。

男性がお腹周りに脂肪がつきやすいのに対し、
女性はそれ以外の下半身や二の腕などに脂肪がつきやすいのです。

内臓脂肪皮下脂肪の違いです。

脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があり、
男性は内臓脂肪が、女性は皮下脂肪が付きやすいという特徴があります。

皮下脂肪の特性
  • 見た目に現れやすい
  • 病気のリスクはあまりないどころか役に立つこともある
  • 男性よりも女性のほうが増えやすい
  • 蓄積しにくいが落ちにくい

詳細:皮下脂肪・内臓脂肪とは?正しく落とす5つの方法【食事制限&運動】

男性はゴツゴツした丸みの少ない体つきになるがお腹だけ出っ張っている隠れ肥満が多い。
女性は極端にお腹に脂肪が付くことはないが体全体が丸くなる。

このような男性と女性の体つきの違いは、
内臓脂肪と皮下脂肪のつきやすさの違いによるものなのです。

以前、女性と男性の体脂肪率ごとの体型の違いについて画像とともに解説しましたが、
こちらを見比べると男性と女性の脂肪の付き方は一目瞭然だと思います。

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極端に筋肉が多いという場合を除いて、
体脂肪率によって体つきは決まります。

体脂肪率30%くらいで日本人の平均的なヒップサイズである80cm代後半~90cm前半ほど、
体脂肪率35%になると100cmを超えてくるでしょう。

ちなみに、お尻の“セルライト”で悩んでいる人も多いと思いますが、
これは脂肪が多いのが原因です。

「セルライトがあるからお尻が太い」「セルライトを治せば脂肪も減る」
なんて間違った情報がよく発信されるので注意しましょう。

逆です。

セルライトが肥満の原因になっているのではなく、
肥満がセルライトの原因なのです。

セルライトは皮下脂肪が肥大化したものなので、
脂肪が多ければ生じ、脂肪が減れば解消されます。

健康な人とセルライトの人の肌や細胞の違い

脂肪がマッサージや運動ですぐに無くなったりしないのと同様、
セルライトを簡単に治す方法なんて存在しません。

できるとしたら脂肪吸引などの医療行為くらいですね。

エステでもよく「セルライトを治す」という宣伝がされたりもしますが、
医師免許をもたないエステでそんなことができるなら医師法違反にあたります。

セルライトを解消するには脂肪を落とすしか方法はないのです。

詳細は以下にまとめています。

原因2.むくみ

お尻が大きい人の大半の理由は脂肪によるものですが、
むくみによって多少太くなっているというケースもあります。

むくみはセルライトと混同しやすいのですが、
全くの別物です。

ただの脂肪であるセルライトに対し、
むくみは水分が滞っている状態のものを指します。

下半身は重力に逆らって血液を心臓に流さないといけないのですが、
筋肉の収縮による力を頼るため、筋肉不足、運動不足の場合は下半身はむくみやすいのです。

重力の影響

デスクワークなどで長時間足を動かさない場合は、
午前中はむくんでいなくても午後にむくみだすという人も多いです。

他にも、食生活や生活リズムの乱れなども影響します。

お尻が大きい原因は「脂肪」か「むくみ」の2つが考えられますが、
むくみで極端に太くなるというのはあまりないので、大体は脂肪が原因です。

ちなみに他にも「骨盤の歪み」や「筋肉が少ない(多い)」などが原因と言われることがあるのですが、これらは誤りです。

間違った原因1.「骨盤の歪み」

「骨盤が歪んでお尻が大きくなることがある。だから骨盤矯正をすればお尻が小さくなる」

このように言われることがありますが、
これは医学的にありえません。

骨盤は靭帯によって強固に固定されているので、
歪んだり開いたりするものではないのです。

肘や膝の関節とは違って普段動かす必要性がないので、
人体の構造上、動かないようにできています。

唯一骨盤が動くのは女性の出産時です。

出産を終えれば自然と骨盤は元の位置に戻ります。

骨盤矯正で痩せるという「骨盤ダイエット」が昔話題になりましたが、
医学的根拠がない方法なのでおすすめしません。

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間違った原因2.「筋肉が少ない(多い)」

「筋肉が少ないからお尻が大きい」

「筋肉が多いからお尻が大きい」

筋肉をつけたらお尻が引き締まって小さくなると言われることもあれば、
筋肉太りでお尻が大きくなっていると思っている人もいます。

しかし、どちらも間違いです。

筋肉が増えても皮下脂肪はその上につくものなので、
筋肉がついてお尻が小さくなるということはありえません。

お尻に脂肪がある人は脂肪を落とさない限り小さくできないのです。

では逆に、筋肉のつきすぎでお尻が大きくなっているということはないのか。

男性の場合は筋肉がついてお尻が大きくなることも考えられますが、
女性の場合はお尻の大きさに影響が出るほどお尻に筋肉が付くということはないでしょう。

理由としては主に3点。

  • 十分な筋肉を付けるには「ハードな筋トレ」+「高カロリーな食事」が必要だから
  • 女性は男性よりも遥かに筋肉が付きにくいだから
  • お尻だけ筋肉をつけるのは意図せずできるものではないから

普通に生活をしていたら女性の筋肉太りはありえないので、
大体が脂肪やむくみで固くなったものを筋肉と勘違いしているというケースなのです。

お尻のむくみを解消する方法

お尻が大きい原因がむくみの場合、それを解消法をご紹介します。

方法は色々あるのですが、
『すぐに効果は出るけど根本的な解決にはならない対処療法』と『根本的にむくみを解消する方法』に分けられます。

まとめると以下の通り。

むくみの解消法
  • 対処療法的な方法(すぐに効果はでるが根本的な解決にならない)
    • リンパマッサージ
    • ストレッチ
    • エステ
    • 半身浴
    • 足を動かす軽い運動をする
    • 足を高い位置に固定する
  • 根本的な解決法
    • 足を動かす運動の習慣をつける
    • 下半身を鍛える
    • 原因となっている食生活や生活習慣を改善する

滞っている水分を上半身まで送ることができれば解決できるので、
すぐに解消することも可能です。

ただ、慢性的にむくんでいる人は根本的な原因を解消しない限り頻繁にむくみは発生します。

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一番は生活習慣を改善することですね。

お尻の脂肪を落とすための生活習慣が獲得できれば自然とむくみが解消されるので、
後述する脂肪を落とす方法も参考にして下さい。

お尻の脂肪を落として小さくする方法

最後に、お尻の脂肪を落として細くする方法について解説していきます。

ポイントは以下の5つ。

  1. お尻の脂肪を重点的に落とす方法はない
  2. 体脂肪率を落とすことを考える
  3. 脂肪を落とすにはカロリーの収支が最も重要
  4. 短期間で脂肪を落とすのは不可能
  5. 生活習慣の改善が基本

ポイント1.お尻の脂肪を重点的に落とす方法はない

お尻のマッサージをしたり、お尻に負荷を与えるスクワットなどをすれば、
お尻の脂肪が優先的に落ちると思っている人は多いですが、それは間違いです。

お尻に限らず、特定の部位をの脂肪を集中的に落とすというのは不可能なのです。

脂肪を分解するホルモンや酵素は血液で全身を循環しているので、
脂肪が分解される場合は全身の脂肪が関係します。

上半身だけ動かす運動をしても下半身の脂肪は同様に落ちますし、
下半身中心の運動をしても上半身の脂肪は同じように落ちていきます。

要は、お尻を小さくしたい場合でも、
方法は普通のダイエットと変わらないということです。

ポイント2.体脂肪率を落とすことを考える

ダイエットというと多くの人は体重や、
体重に関連した指標の“BMI”に着目しがちです。

BMIとは
  • BMIの概要:簡単に計算できる肥満度の指標
  • BMIの計算:体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
  • BMIの指標
    • 18.5未満:痩せ型
    • 18.5~25:普通体重
    • 25以上:肥満
  • BMIの長所:特別な器具や複雑な計算は不要で簡単に求めることができる
  • BMIの短所:脂肪以外の要因(筋肉や水分等)でもBMIは増減するので、肥満度としての信憑性はあまり高くはない

詳細:肥満度の指標「BMI」とは?計算方法や基準値・体脂肪率との違いについて解説

しかし、体重やBMIはダイエットにおいて信憑性が低い指標なので、
あてになりません。

脂肪が減っていなくても体重が大きく減ることはありますし、
体重やBMIが低くてもお尻に脂肪が多いというケースもたくさんあります。

重要なのは体脂肪率です。

体脂肪率はダイエットにおいて肥満度を表すのに最も信憑性が高い指標になります。

体脂肪率が高いのにお尻の脂肪が少ない、
体脂肪率が低いのにお尻の脂肪が多い、なんてことはまずありません。

女性の場合は体脂肪率30%くらいで平均的なお尻の大きさになります。

体脂肪率が25%になるとお尻に限らず全身が程よくスリムになり、
20%にもなるとアスリートやモデルの並の体型です。

お尻の大きさに悩む人は、とりあえず体脂肪率30%を目指しましょう

ポイント3.脂肪を落とすにはカロリーの収支が最も重要

脂肪の増減において最も重要なのはカロリーの収支です。

摂取カロリーが多ければ脂肪として余ったエネルギーを蓄え、
消費カロリーが多ければ脂肪を分解して足りないエネルギーを補います。

 

ダイエットの情報に敏感な人ほど“代謝”や“血糖値”など、
カロリーとは別の概念に意識がいきがちですが、そういうダイエット法は間違ったものばかりです。

この世にはエネルギー保存則という法則があり、
人間は苦労せず消費カロリーを増やしたり、食べた食品の栄養の吸収率を抑えたりすることはできません。

なので、結局はカロリーの収支が脂肪の増減に一番影響を与えるというのは明らかなのです。

そして前述したように、
どんなダイエット法を行ったとしても、脂肪が分解される際は全身の脂肪が関与します。

お尻を小さくしたい場合でも、
カロリーの収支を一番に考えるようにして下さい。

自分に向いているダイエットというのは、
体質によって決まるのではなく、「自分が楽にカロリー収支をマイナスの状態に保てるもの」を指します。

ポイント4.短期間で脂肪を落とすのは不可能

「短期間でお尻を小さくする方法」
という情報は雑誌やネットでいくらでも見かけることがあるかと思いますが、
短期間でお尻の脂肪を落とすのは不可能です。

これは100%断言できます。

ただ体重を落とすだけでなら体内の水分量を減らせばいいだけなので、
1日で2Kgは簡単に落とせるでしょう。

しかし、体脂肪は1Kg減らすだけでも7200Kcalも消費しないといけないので、
トップアスリートなみのトレーニングをしても1週間でキロ単位の脂肪を落とすのは困難です。

せいぜい1ヶ月で1Kg程度が現実的です。

そして、脂肪は全身から少しずつ落ちていくため、
お尻が小さくなったのを実感できるには数ヶ月はかかるでしょう。

「すぐに効果が出る」と言われる方法はただ単に効果がない方法もありますが、
なかには極端に体内の水分量を減らして、あたかも脂肪が減ったかのように思わせるものもあります。

いずれにしても回り道になってしまうので、
早く痩せたいのであれば「短期間で痩せる方法はない」ということを早く気づくことが大事です。

ポイント5.生活習慣の改善が基本

無事ダイエットに成功してお尻が小さくなったとしても、
生活をもとに戻せば脂肪も元通りになり、お尻も元の大きさになります。

意外と失念しがちですが、
1日の消費カロリーは脂肪や筋肉などの重量によって左右されるため、
ダイエットをして痩せれば消費カロリーも少なくなります。

よく「筋肉を増やせば自然と痩せる」なんて言われたりもしますが、
脂肪を減らしながら筋肉を増やすことはできません。

カロリーの収支がマイナスだと、
脂肪だけではなく筋肉も分解されてエネルギーの供給源とされます。

ダイエットに成功したらどうしても消費カロリーの低下は免れないので、
リバウンドをしないためには生活習慣そのものを変えないといけないのです。

ちょっとの期間だけ食事制限や運動をするのでは、
ただ単に一時的に減量しているのと変わりません。

詳細:ダイエットで徐々に痩せなくなる原因&食事制限や運動を辞めると体重が元に戻る理由

重要なのは、はじめから習慣の改善を前程としたダイエットを行うことです。

期間を限定したダイエットであったり、
ずっと続けるのが困難なダイエット法ははじめから取り組むべきではありません。

なにも大変なことをしなくても、
小さな習慣を積み重ねることで十分なダイエット効果を得ることができます。

自分の生活を振り返ってみて、改善できるところがないか考えてみましょう。

  1. 自分の1週間の生活を振り返る
  2. 食事や間食、デザート、お酒、飲み物でカロリーを削れないか考える
    • 1食だけご飯の量を少し減らす
    • 肉よりも魚を食べる頻度を増やす
    • 野菜の割合を増やす
    • 間食はガムで我慢する
    • デザートは果物を食べる
    • お酒の頻度を週1回減らす
    • 普段の飲み物をお茶にする
  3. 運動量を増やせないか考える
    • 階段を使うようにする
    • 通勤時や帰宅時に歩く距離を増やす
    • 電車では常に立つようにする
    • テレビを見ながらストレッチをする
    • 1日に10分だけ運動の時間を確保する

このような簡単にできるような生活習慣の改善こそが理想的なダイエット法です。

習慣が変われば自然と体脂肪率は下がっていき、
お尻も小さくなっていきます。

他にも簡単に習慣化できる行動についてまとめているので、
ぜひこちらもご覧ください。

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あとがき

以上、お尻を小さくする方法についてまとめていきました。

お尻に限らずどの部位であれ、
細くするには脂肪を減らす必要があるので、やることは変わりません。

脂肪は全身から少しずつ落ちていくため、
お尻が小さくなったときには他の部位も細くなっているでしょう。

部分痩せについてはネットやテレビ、雑誌などで間違った情報がはびこっているので、
きちんと正しい情報を見極めるのが重要になります。

むしろ間違った情報のほうが多いくらいなので、
ネットや雑誌などの情報に頼らない人ほど成功するものです。

ダイエットに関して最低限の知識を身につけるには、ぜひこちらをご覧ください。

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著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
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