「いくら腕を鍛えても二の腕が細くならない」
「ダイエットをしているのに二の腕の脂肪が一向に減らない」
このような悩みをもつ女性は多いかと思います。
しかし一方で男性の場合はお腹の脂肪は気になっても、ピンポイントで二の腕のたるみを気にする人はほとんどいません。
実は女性は男性に比べて二の腕に脂肪がつきやすいという性質があるのです。
ではどうすれば二の腕の脂肪を落として引き締めることができるのでしょうか?
テレビや雑誌、ネットなどではこのような情報を多々見かけるかと思います。
- 二の腕の筋肉を鍛えて引き締める
- 1日3分の二の腕のストレッチで細くする
- 二の腕中心の運動でピンポイントに腕の脂肪を落とす
これらの方法を鵜呑みにしてしまっている人は多いのではないでしょうか?
しかしほとんどの二の腕痩せの方法は間違っているため、いくら続けても効果は期待できません。
今回は本当に正しい二の腕痩せの方法を紹介します。
目次
女性の二の腕が太くなる場合の原因
まず二の腕が太くなるのは何が原因なのか説明します。
「人それぞれ原因は異なる」と思っている人もいるかもしれませんが、
考えられる原因は2つだけです。
【原因1】皮下脂肪が多い
大抵の女性はこれが原因です。
単純に体脂肪率、皮下脂肪が全体的に多く、
二の腕にも脂肪がついてしまっているというパターン。
女性は男性と比べると内臓脂肪よりも皮下脂肪が付きやすいという性質があり、
下半身や二の腕が太くなりやすいのです。
それに対して内臓脂肪がつきやすい男性はお腹周りが太くなります。
内臓脂肪と比べた時の皮下脂肪の性質は以下の通り。
生活習慣病のリスクになる内臓脂肪に対して、
皮下脂肪は直接的に病気のリスクに関与することはありません。
ただ服の下で隠せる内臓脂肪とは違い、
露出する部分につきやすい脂肪なので見た目に現れやすいという厄介な性質があるのです。
- 男性はゴツゴツした丸みの少ない体つきになるがお腹だけ出っ張っている隠れ肥満が多い
- 女性は極端にお腹に脂肪が付くことはないが体全体が丸くなる
このような男性と女性の体つきの違いは、
内臓脂肪と皮下脂肪のつきやすさの違いによるものなのです。
実際に体脂肪率の増加に伴う女性と男性の体脂肪率ごとの体型の違いを見てみるとこれは明らかです。
極端に筋肉が多い(少ない)場合を除けば、
体脂肪率によって体型はほぼ決まります。
女性の場合、体脂肪率30%前後が平均的ですが、
二の腕の脂肪はそれなりにあるので気になる人は多いでしょう。
25%を切れば上半身はスラッとしたシルエットになり、
二の腕の脂肪を気にする人は少なくなります。
【原因2】むくんでいる
体脂肪が少なくても二の腕が太かったりぷにぷにしていたりする場合、
それは『むくみ』が原因です。
脂肪ではなく水分によって二の腕が太くなっている状態です。
むくみは重力の影響で下半身の方が生じやすいのですが、
二の腕がむくみやすいという人も珍しくありません。
ただむくみは不摂生な生活習慣が原因の場合が多いので、
脂肪が多い人ほどむくんでいる可能性が高いです。
むくみだけで極端に腕が太くなることも考えにくいため、
「むくみを治せば目に見えて細くなる」ということもありません。
たるんだ二の腕の間違った原因
続いて二の腕が太い原因について間違ったもの、多くの人が誤解していることを説明します。
【間違った原因1】セルライト
「セルライトのせいで腕が太くなっている」
「セルライトがなくせれば腕が細くなる」
このように思っている人もいるかと思いますが、これらは間違いです。
セルライトがあるから二の腕が太くなるのではなく、
二の腕に脂肪が多いからセルライトができるのです。
そもそもセルライトが何なのかというと、
脂肪細胞が肥大化したもの。
カロリー消費で脂肪が減れば自然となくなるのです。
昨今はローラーで潰したりマッサージで解消できるなんてデマが蔓延していますが、
脂肪をローラーやマッサージで消すのは不可能であることは言うまでもないかと思います。
すぐに解消できるとしたら脂肪吸引などの医療行為くらいですね。
エステでもよく「セルライトを治す」という宣伝がされたりもしますが、
医師免許をもたないエステでそんなことができるなら医師法違反にあたります。
セルライトを解消するには脂肪を落とすしか方法はないのです。
詳細は以下にまとめています。
【間違った原因2】筋肉が多い(少ない)
「筋肉が少ないせいで二の腕がたるんでいる」
「筋肉が多いせいで二の腕が太い」
筋肉をつけたら二の腕が引き締まると言われることもあれば、
筋肉太りを解消すれば腕が細くなると言う人もいるでしょう。
しかしいずれも間違いです。
筋肉と脂肪の位置関係を理解していれば、
「筋肉をつけても二の腕が細くなることはない」というのが分かると思います。
筋肉は“皮下脂肪より内側”につくので、
どんなに筋肉がついたところでその外側の脂肪を引き締めることなんてできません。
二の腕に脂肪がある人はその脂肪を落とさない限り問題は解決しないのです。
では逆に筋肉によって腕が太くなっていることはないのか?
男性の場合は筋肉によって二の腕が太くなっている場合もありますが、
女性は意図的に鍛えてでもいない特定の部位が筋肉で太くなることはまずありえません。
理由としては主に3点。
- 十分な筋肉を付けるには「ハードな筋トレ」+「高カロリーな食事」が必要だから
- 女性は男性よりも遥かに筋肉が付きにくいだから
- 二の腕だけ筋肉をつけるのは意図せずできるものではないから
少なくとも普通に生活をしていたら女性の筋肉太りはありえないので、
大体が脂肪やむくみで固くなったものを筋肉と勘違いしているというケースなのです。
二の腕のむくみを解消する方法
では二の腕痩せの方法を紹介していきますが、
まずはむくみの解消法です。
むくみの解消法は色々ありますが、
『1.すぐに効果がでる対症療法』と『2.根本的な解決方法』の2つに分けられます。
- 対処療法的な方法(すぐに効果はでるが根本的な解決にならない)
- リンパマッサージ
- ストレッチ
- エステ
- 半身浴
- 根本的な解決法
- 運動の習慣をつける
- 二の腕を鍛える
- 原因となっている食生活や生活習慣を改善する
むくみは脂肪とは違い、
滞っている水分を排出できればすぐに解決することも可能です。
ただし慢性的にむくんでいる人は根本的に原因を解消しない限り頻繁にむくみは発生します。
むくみが生じやすい人は、
食生活に問題があったり運動量が少なかったりする場合が主です。
脂肪を落とすための生活を心がければ自然とむくみは解消するものなので、
後述する脂肪を落とす方法も参考にしてください。
二の腕の脂肪を落として引き締める方法
最後に二の腕の脂肪を落として引き締める方法を解説します。
ポイントは5つです。
- 二の腕の脂肪をピンポイントで落とす方法はない
- 体脂肪率を落とすことを考える
- 脂肪を落とすにはカロリーの収支が最も重要
- 長期間を視野に入れて取り組む
- 生活習慣の改善が基本
【ポイント1】二の腕の脂肪をピンポイントで落とす方法はない
ポイントと言うより注意点ですね。
二の腕を細くするために腕のマッサージをしたり、
腕を動かす運動をしたりする人を多く見かけます。
しかし二の腕に限らず、
特定の部位の脂肪をピンポイントで落とすのは医学的に不可能なのです。
脂肪を分解するホルモンや酵素は血液で全身を循環しているので、
脂肪が分解される場合は全身の脂肪が関係します。
たとえば運動でカロリーを消費したらエネルギー生産のために脂肪が分解されますが、
腕だけを動かす運動でも全身の脂肪が関わるということです。
また特定の部位だけを動かす運動というのは、
全身運動に比べて小さな動きになり消費カロリーも小さくなるので非効率なのです。
つまり二の腕の脂肪を落としたい場合でも、
方法は普通のダイエットと対して変わらないということです。
【ポイント2】体脂肪率を落とすことを考える
ダイエットの指標と言うと簡単に測定できる“体重”や“BMI”などに着目しがちです。
- BMIの概要:簡単に計算できる肥満度の指標
- BMIの計算:体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
- BMIの指標
- 18.5未満:痩せ型
- 18.5~25:普通体重
- 25以上:肥満
- BMIの長所:特別な器具や複雑な計算は不要で簡単に求めることができる
- BMIの短所:脂肪以外の要因(筋肉や水分等)でもBMIは増減するので、肥満度としての信憑性はあまり高くはない
しかしこれらの指標の信憑性は低いので当てにしてはいけません。
脂肪が減っていなくても体重が減ることもありますし、
体重が重くても二の腕の脂肪が少ないということもあります。
最も重要なのは“体脂肪率”です。
体脂肪率が低いのに二の腕の脂肪が多かったり、
逆に体脂肪率が高いのに二の腕の脂肪が少なかったりすることはほぼありません。
二の腕痩せが目的の場合でも体脂肪を目標の指標に定めましょう。
女性の場合は体脂肪率30%くらいで平均的な二の腕の太さでになります。
体脂肪率25%になると上半身はスラっとした見栄えの良い細さになり、
体脂肪率20%にもなると一流モデルやアスリートのレベルです。
現在30%を超える人はとりあえず30%程度を目標にし、
それ未満の人でまだ細くしたい人は25%、20%という数値を目標とするのをオススメします。
【ポイント3】脂肪を落とすにはカロリーの収支が最も重要
脂肪を落とす上で最も重要なのが“カロリーの収支”です。
摂取カロリーが消費カロリーより多ければ余ったエネルギーを脂肪として蓄え、
消費カロリーの方が多ければこれまで蓄えてきた脂肪をエネルギーとして使います。
そして体脂肪は1Kgあたり約7200Kcal蓄えられているため、
7200Kcal程多くカロリーを消費することで脂肪を1Kg落とすことができます。
ダイエットの情報に敏感な人ほど“代謝”や“血糖値”など、
カロリーとは別の概念に意識がいきがちですが、そういうダイエット法は間違ったものばかりです。
常にカロリーをベースに考えましょう。
ちなみに7200Kcalで1Kgの脂肪というとかなり大変に思えますが、
実際は筋肉量や内臓、水分の重量の低下により体重自体はもっと減ります。
また体脂肪1Kgというと体積にすると約1.1Lとなり、
1L牛乳パックよりも少し大きいくらいなのでこれだけでも十分見た目に変化は現れます。
詳細はこちら。
【ポイント4】長期間を視野に入れて取り組む
巷では「短期間で二の腕の脂肪を落とす方法」なんてものを見かけるかと思いますが、
そういうインチキダイエットに騙されないのも成功する上で重要です。
苦しいダイエットをしていると、
途中で心が折れて楽なダイエット法に気持ちが惹かれるのは分かります。
しかしそれこそダイエットに挫折する人の最も典型的な例です。
短期間で二の腕の脂肪を落とす方法なんてこの世には存在しません。
(脂肪吸引などの医療行為は除いて)
これは100%断言できます。
ただ体重を落とすだけであれば、
体内の水分量を減らすだけで、1日で2Kg、1~2週間で5Kgほどは落とせるでしょう。
しかし体脂肪の場合は1Kgあたり7200Kcal相当なので、
これを短期間で何Kgも減らすのはトップアスリート並の運動をしても不可能です。
1ヶ月で1Kg程度が現実的。
また前述したように脂肪が落ちる際は全身の脂肪が関係するため、
二の腕の脂肪が落ちるのを実感できるのは少なくとも数ヶ月はかかります。
これを頭に入れておかないと途中で挫折しやすいので要注意です。
【ポイント5】生活習慣の改善が基本
ダイエットと言うと「運動」「食事制限」「筋トレ」などを一時的に頑張ることだと考えがちです。
しかし一時的な頑張りは一時的な減量効果しかないので、
理想の体型を手に入れてそれを維持するには生活習慣自体を変えないといけません。
実は1日の消費カロリーは運動量だけではなく、脂肪や筋肉の重量などにも比例するため、痩せれば痩せただけ1日の消費カロリーは少なくなります。
その状態で生活を元に戻すと、
ダイエット前はカロリー収支がつり合っていた生活習慣でも、脂肪が減って消費カロリーが低下した状態だと摂取カロリーが上回るのです。
運動がリバウンドしやすいと言われるのはこのため。
大抵の人はダイエットのために運動はするものの、
痩せたら辞めてしまいますからね。
食事制限の場合でも一時的に食事を減らすのでは意味がありません。
どんな方法で痩せるにしても、
痩せた後もずっと続けられること、続けられる程度のことを行うのが重要です。
期間を限定した無理なダイエット、
ずっと続けるのは到底できないようなダイエットははじめから取り組んではいけません。
“少しずつ地道に生活を変えていくこと”、
そして“小さなことを積み重ねること”が鍵になります。
週に一回10Kgのウォーキングをするよりも、
平日の日々の通勤で1日2Kg歩く方がよっぽど楽に感じるはずです。
さらに毎食のご飯の量を少しだけ減らして階段を使うようにすれば、
もっと楽に同等のカロリー収支を維持できます。
摂取カロリーを減らしたり消費カロリーを増やしたりする方法はいろいろあるので、
一つの方法に重点をおかず、労力を分散するのがポイントです。
自分の生活を振り返ってみて、少しずつ生活を改善していきましょう。
- 自分の1週間の生活を振り返る
- 食事や間食、デザート、お酒、飲み物でカロリーを削れないか考える
- 1食だけご飯の量を少し減らす
- 肉よりも魚を食べる頻度を増やす
- 野菜の割合を増やす
- 間食はガムで我慢する
- デザートは果物を食べる
- お酒の頻度を週1回減らす
- 普段の飲み物をお茶にする
- 運動量を増やせないか考える
- 階段を使うようにする
- 通勤時や帰宅時に歩く距離を増やす
- 電車では常に立つようにする
- テレビを見ながらストレッチをする
- 1日に10分だけ運動の時間を確保する
このような簡単にできるような生活習慣の改善を積み上げることこそが理想的なダイエット法です。
習慣が変われば自然と体脂肪率は下がっていき、
二の腕も細くなっていきます。
他にも簡単に習慣化できる行動についてまとめているので、
ぜひこちらもご覧ください。
まとめ
以上、二の腕痩せの方法に詳しく解説しました。
二の腕だけ細くするのは無理なので、
結局は普通にダイエットをするのと変わらず、生活習慣を見直すのが大事ということです。
すぐに効果が実感できるなんてことはありませんが、
数ヶ月続けていれば確実に細くなっていくでしょう。
そして二の腕が細くなった時は他の部位もスリムになっているはずです。
部分痩せについてはネットやテレビなどで間違った情報がはびこっているので、
きちんと正しい情報を見極めるのが重要になります。
むしろ間違った情報のほうが多いくらいなので、
ネットや雑誌などの情報に頼る人ほどダイエットは失敗しやすいものです。
ダイエットに関して最低限の知識を身につけるには、ぜひこちらをご覧ください。