ダイエット法

下腹ダイエットは嘘だらけ!本当にお腹周りの脂肪を落とすのに効果的な方法とは

ダイエットにおいて世の中には間違った情報が数多く出回っています。

それは下腹を引き締めるダイエット、お腹周りの脂肪を落とす方法なども例外ではありません。

今回、多くの人が抱える誤解を溶きつつ、下腹のダイエットに本当に効果がある方法をご紹介していきます。

1.間違った下腹ダイエット

まずは多くの人が勘違いしている下腹ダイエットについて見ていきます。

一般的に効果がありそうだと思われているものや、
多くのサイトで紹介されているもの中から意味がないものを挙げていきます。

1.1.腹筋

一番勘違いされやすいのが、
腹筋運動(上体起こし・クランチ・シットアップ)で腹筋が引き締まるというものです。

次の項目で述べますが、そもそも筋トレでは脂肪を減らすことができませんし、
これらで鍛えられる筋肉(腹直筋)はお腹を引き締める効果はほとんどありません。

腹直筋はお腹の前面、シックスパックを際立たせるのに効果的な筋肉なのですが、
脂肪があったら隠れてしまうのであまり意味がないですし、
腹直筋を鍛える目的であったとしても、腹筋運動は適しません。

1.2.筋トレ

腹筋以外の筋トレもお腹の脂肪を落とすのに効果的と言われることがあります。

「筋トレで筋肉をつけたら基礎代謝がアップするので、自然と痩せてリバウンドしにくい体質になる」
というような感じですね。

しかし、筋トレをしても基礎代謝を上げるのは不可能です。

筋肉が担っている代謝はそんなに大きなものではないですし、
なによりも、摂取カロリーを消費カロリー未満に抑えている状態で筋肉をつけことはできません。

筋肉を増やすには筋トレだけでなく、
十分な栄養・カロリーが必要ですからね。

また、筋トレでカロリーが消費できればその分脂肪を落とすこともできるのですが、
筋トレは有酸素運動よりも運動時間が短くなり消費カロリーも小さくなるのでこれも見込めません。

ただ、筋トレもダイエットにおいて重要な役割があるのですが、
話が長くなるので詳細は以下をご確認下さい。

詳細:ダイエットに筋トレは必要?男性・女性問わず筋トレをするべき理由

1.3.お腹周りの運動

お腹をヒネる運動や腰を動かす運動、
特にフラフープが取り上げられることが多いです。

“オチョダイエット”というダイエットも流行りましたね。

これらは一応はカロリーを消費するので効果がないわけではないのですが、
とても非効率です。

お腹を動かせばお腹の脂肪が優先して落ちると思われがちですが、そうではなく、
どんな運動をしたかに関わらず、脂肪が落ちる時は全身の脂肪が関係します。

脂肪を分解するホルモンや酵素は血液で全身を循環しているわけですからね。

これは“部分痩せが生理学的に不可能である”と言われる理由です。

だからお腹周りの脂肪を落とすには、
お腹を使った局所的な運動ではなく、全身運動で消費カロリーを大きくする方が効率的なのです。

1.4.ストレッチ

「ストレッチで血流を促進して代謝をアップさせることで、脂肪を効果的に落とすことができる」
と言われたりします。

世の中のインチキダイエットに使われるお馴染みのフレーズ、“代謝アップ”です。

うまく説明できないこと、きちんとした根拠がないことは、
とりあえず“代謝アップ”といっておけば信憑性を持たせることができると思われている風潮にあります。

そもそも脂肪の増減に関わるほど血流が悪くて代謝が悪いということ自体ありえないですし、
ストレッチでカロリーはほとんど消費しないので効果はありません。

1.5.お腹を揉む

これは特に説明は不要だと思います。

外部から刺激を与えるだけで脂肪が分解されるなんてことありませんし、
揉むだけで細くなりことは絶対にありません。

1.6.お腹を温める

「体温が高いと基礎代謝が高くなり痩せやすい体質になるので、体を温めるのが効果的」
「お腹を温めるために腹巻きをしたり、温かい飲み物を飲むことでお腹に脂肪が付きにくくなる」
「内蔵を温めることで代謝がアップする」

など言われたりします。

また“代謝”というフレーズがでてきましたが、
これらも案の定間違った情報です。

確かに基礎代謝と基礎体温の間に関係性はありますが、
外部から熱を加えたり、1回の飲食で基礎体温が変わることはありません。

基礎体温を高くするのと一時的に体を温めるのでは全く規模が違う話ですからね。

たとえば、サウナの中に氷を持ち込んでサウナの温度が下げようとするようなものです。

半身浴サウナスーツもダイエットに効果的と言われることがありますが、
同様の理由で無意味だということが分かるかと思います。

1.7.骨盤ダイエット

「骨盤が歪んで内臓が降りてくるからお腹がぽっこりする。だから骨盤を矯正するのがお腹痩せに繋がる。」
「骨盤矯正で内臓の位置が矯正できれば内臓の活動が活発になり基礎代謝が向上する」

などと言われています。

産後ダイエットで骨盤矯正が推奨される理由でもありますね。
まあ、それも間違いなんですが。

骨盤は傾くことはあっても、
内臓が降りてくるほど骨盤が歪んだり開いたりすることは、病気でもない限りありえないのです。

肘や膝の関節とは違い、
骨盤は普段の生活で動かす必要が無いので、強固に固定されています。

女性が出産する時は骨盤が開きますが、
それでも出産を終えるとすぐにもとに戻るので内臓の位置が変化することはありません。

詳しくは以前まとめたので、こちらをご覧ください。
骨盤ダイエットの方法と効果~骨盤を矯正しても痩せない理由~

2.本当に効果があるお腹ダイエットとは?

では続いて、本当に効果のあるお腹ダイエットについて紹介していきます。

指針としては2つです。

  1. 脂肪を減らす
  2. 腹横筋を鍛える(ドローイン)

2.1.脂肪を減らす

一つ目の方法としては脂肪を減らすオーソドックスな方法です。

ただ、前述した通りお腹の脂肪を狙って落とす“部分痩せ”は不可能なので、
一般的なダイエットと変わりません。

「他の場所の脂肪はどうでもいいからお腹に集中することで早く痩せたい」
という人も多いかと思いますが、こればかりは生理学的にどうしようもないので諦めて下さい。

さらに具体的な方法としては、

  1. 食事制限で摂取カロリーを減らす
  2. 運動で消費カロリーを増やす

これらにより、『摂取カロリー<消費カロリー』にします。

他にもカロリーコントロールにおける注意点やポイントなどあるのですが、
詳しくは後述します。

2.2.腹横筋を鍛える(ドローイン)

二つ目の方法は“腹横筋”という筋肉を鍛える方法です。

腹筋には“腹直筋”、“外腹斜筋”、“内腹斜筋”、“腹横筋”の4種類あり、
それぞれ役割や鍛え方異なります。

このうち“腹横筋”は腹筋の中で最も深い場所(内部)に存在する筋肉で、
横に走った繊維が腹部を囲うように位置しています。

外側から触れることができないインナーマッスルです。

腹部を締め付ける役割を持っていることから、
“コルセット筋”と呼ばれることもあります。

腹横筋

この腹横筋を鍛えることで腹部の引き締めを強くし、
ウエストを細くすることが可能なのです。

ただし、腹横筋は他の腹筋とは違い、
体幹を屈曲したり捻ったりしても収縮しにくいため、
通常の腹筋の筋トレでは鍛えることができません。

ではどうやって鍛えるのかというと、
主な方法は“ドローイン”です。

2.2.1.ドローインの方法

  1. 胸を張って姿勢を正す
  2. 胸を張ったまま出来る限りお腹を凹ませて30秒ほどキープする

ポイントは、肩のちからを抜き常に脱力した状態で行うこと、
そして腰を反ったり前傾になったりせず体幹を常に一直線に保つことです。

また、お腹を凹ませた状態を維持するのは息がしにくいと思いますが、
それでも息を止めずに行って下さい。

最初はフォームを意識して行って正しいフォームを習得し、
やり方が理解できたらテレビを見ている時、通勤中、家事の合間など、
日常の何気ない瞬間にドローインを行いましょう。

 

ただし、ドローインにはお腹を引き締める効果はあっても、
脂肪を落とす効果はありません。

腹筋に脂肪がある場合は、
腹横筋を鍛えるだけでお腹の見栄えを良くするのは限界があるので、
脂肪を落とすダイエットが必要になります。

3.お腹の脂肪を減らす8つのポイント

最後にお腹の脂肪を減らすためのポイント、
つまり『摂取カロリー<消費カロリー』にする際のポイントについていくつかご紹介します。

3.1.運動よりも食事制限の方が楽

食事のカロリーも運動のカロリーも同様、
1カロリーは1カロリーです。

そう考えると、運動でカロリーを多く消費するよりも、
食事の摂取カロリーを抑えるほうが一般的には楽です。

たとえば、3時のお菓子や夕食後のデザートが習慣になっている人は多いと思いますが、
そのお菓子や甘いスイーツなどは軽く300Kcal~500Kcalにも達します。

この分のカロリーを有酸素運動で消費しようとすると、
最も効率の良いジョギングでも40分~1時間はかかってしまうのです。

こう考えると運動をするよりも食事を節制するほうが楽ですよね。

このように、基本的に消費カロリーを増やすよりも摂取カロリーを減らすほうが楽なので、
食事制限のほうが楽に感じる人のほうが多いと思います。

ただ、摂取カロリーを減らすとなると健康に関する栄養素が十分摂取できないこともあるので、
1日の活動量が少ない場合は運動を取り入れるべきです。

3.2.極端なカロリー制限や過酷な運動はNG

早く痩せようと思うと食事量を極端に減らしたり、
いきなり10Km以上の過酷なランニングをしたりしてしまいがちです。

しかし、そんなダイエットは大抵挫折してしまいますし、
たとえ痩せたとしても脂肪より筋肉が落ち、
さらにリバウンドのリスクが高くなってしまうのです。

他にも、健康を崩したり、日常生活の支障、肌荒れ、便秘、ストレスなど、
デメリットは数え切れないくらいあります。

結局ダイエットは生活習慣の改善なので、
それが習慣化できなければ挫折します。

習慣化のためには、
生活の変化は最小限に留めましょう。

3.3.【食事制限のポイント】間食や食後のデザートを断つ

間食や食後のデザートの習慣がある人は、
まずはこれらを断つのが最優先です。

甘いお菓子やデザートはカロリーが高い割に“栄養素としては不必要なものが多い”ですからね。

最初は我慢するのに苦労するかもしれませんが、
それが習慣になれば食べないのが当たり前になります。

3.4.【食事制限のポイント】たんぱく質は減らさず主食や脂質を減らす

肉や魚、乳製品など、たんぱく質が豊富な食品は、
脂質も多く比較的高カロリーなため敬遠しがちです。

しかし、たんぱく質は筋肉を維持するのに重要ですし、
他にも人体の多くを形成する栄養素のため積極的に摂取する必要があります。

それに比べ、糖質や脂質は現代の食生活において、
必要以上に多く取られている傾向にあるため、これらを減らしましょう。

ただし、糖質や脂質も重要な栄養素であるのは間違いないありません。
糖質抜きダイエットなど、一切取らないというのは辞めましょう。

目安としては、毎食のごはんの量を1/3減らしたり、
調理法を工夫して油を使わないようにしたりするのがおすすめです。

糖質の量を減らす場合はこちらを参考にして下さい。
糖質制限ダイエットの安全で効果的な方法|成功の鍵は2つのルールを守るだけ

3.5.【食事制限のポイント】野菜を最初に完食する

食事の最初に野菜を完食することで、
血糖値の急上昇を防いだり、食べ過ぎの防止や主食を減らしたりすることができます。

個人的におすすめですし、
アスリートでもこの食事法を習慣にしている人は多くいます。

ダイエットだけでなく健康のためにもこの食事法は重宝しますね。

3.6.【運動のポイント】少ない時間でも毎日行う

運動は習慣化するのが重要なので、少ない時間でも毎日行うのが大事です。

最初に張り切って長時間の運動をしてしまうと筋肉痛や怪我のリスクが高いですし、
運動のハードルが上がってしまい挫折してしまいがちです。

短時間の運動から始めましょう。

ちなみに、悪質なサイトの中には
「有酸素運動は20分以上行わないと意味がない」といまだに書かれているものもありますが、
それは全くの“嘘”です。

確かに消費カロリーは運動時間に比例するので、
長時間行うほうが消費カロリーは多くなるのですが、
20分という時間にこだわる必要はありません。

詳細はこちら:「有酸素運動は20分以上」は嘘!長時間より毎日行う方がダイエットにおいて重要!

結局は毎日続けることが重要なので、
まずは10分だけでも良いので毎日運動をする習慣をつけましょう。

3.7.【運動のポイント】階段を使うなど、こまめに体を動かす意識を身につける

多くの人は駅や会社の階段は使わずに、
エレベーターやエスカレーターを使うかと思います。

階段を使ったほうが健康に良いですし、
カロリーを消費すると分かっていても階段を使わない人は多いです。

階段は疲れますし、
階段を使うようになったからと言って、それだけで体重に影響を及ぼす運動量でもないですしね。

しかし、これは氷山の一角に過ぎず、
あらゆる場面で私たちは効率的にエネルギーを消費せずに過ごそうとする傾向にあります。

これらが積もりに積もって、私たちは多くのエネルギーを節約してしまっているのです。

階段を使うこと以外にも、

  • トイレに行く際、あえて一つ上の階のトイレを使う
  • バスや電車では座席に座らないようにする
  • テレビを見ながら体を動かす

など、わざわざ運動のために時間を取らなくても、
カロリーを消費できる機会はいくらでも設けることはできます。

これらはただ「こまめに体を動かすこと」を意識するだけです。

この意識を持つだけで消費カロリーは大きく変わるので、
まずは階段を積極的に使うことからはじめ、
体を動かす意識付けをしましょう。

関連記事:階段を使わないのはもったいない!階段の消費カロリーとダイエット効果について

3.8.【運動のポイント】通勤や買物など、移動手段に徒歩または自転車を用いる

前項目と少しかぶりますが、
通勤や買物などの移動はカロリーを消費するチャンスだと考えましょう。

運動が続かない人は「運動のために時間をとるのが面倒くさい」という人がほとんどです。

ダイエットのための運動はなかなか成果が出にくいですからね。

しかし、移動手段として徒歩や自転車を用いる場合、
主目的はダイエットではなく移動なので、成果が現れにくくてもそこまで苦ではありません。

会社まで距離が遠いというのなら、
会社の最寄り駅よりも一つ前の駅で降りて一駅分だけ歩くというのもおすすめです。

あとがき

以上、下腹を引き締める方法、お腹周りの脂肪を落とす効果的な方法についてでした。

ネット上のダイエットのサイトは知識がない人が発信している悪質なものが多いので、
その情報が本当に正しいのかきちんと吟味するのが大事です。

ちなみに脂肪を落とすためのポイントを最後にまとめます。

  1. 運動よりも食事制限の方が楽
  2. 極端なカロリー制限や過酷な運動はNG
  3. 【食事制限のポイント】間食を断つ
  4. 【食事制限のポイント】たんぱく質は減らさず主食や脂質を減らす
  5. 【食事制限のポイント】野菜を最初に完食する
  6. 【運動のポイント】少ない時間でも毎日行う
  7. 【運動のポイント】階段を使うなど、こまめに体を動かす意識を身につける
  8. 【運動のポイント】通勤や買物など、移動手段に徒歩または自転車を用いる

現在の生活で体重が変わらないなら、
以上の食事制限や運動だけでほぼ確実に痩せることができます。

しかし、厳密にカロリー管理をしてより確実にしたいなら、
現在の消費カロリーや摂取できるカロリーを把握する必要があるので、
以下の記事を参考にして下さい。

あわせて読みたい
基礎代謝(1日の消費カロリー)を知り、1日の摂取カロリーを計算! ダイエットの基本中の基本である、“カロリー”についての記事です。 どれだけのカロリー摂取に抑えれば痩せるのか、しっかりと計算して...
著者プロフィール
テク

テク

元ボクサー/ダイエットアドバイザー
試合の度に2週間で6Kgの減量をしていた元ボクサー。 元来の『食べることは好きだけど面倒な運動は嫌い』という性格がたたり、引退後は10Kg以上増量。 正しいダイエットの知識を身に着けた今では、毎日好きなものを食べて体脂肪率10%台前半を維持。 Twitter(@yasetech)ではダイエットに役立つ情報を配信中。
スポンサードリンク